空と風

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神武天皇と八咫烏

『古事記』神武天皇記には、

かれ、日向(ひむか)に坐(いま)しし時に、阿多(あた)の小椅(をばし)の君が妹(いも)、
名は阿比良(あひら)比売(ひめ)を娶(めと)りて〜

とあります。

『勘注系図』には、天村雲命の話として、

日向國之時、娶吾俾良依姫命

と記され、「阿比良比売(あひらひめ)」と「吾俾良依姫(あひらよりひめ)」(『天孫本紀』では「阿俾良依姫」)は同一人物に見えますが、

古事記では、神武天皇の妻、勘注系図では、天村雲命の妻、となっています。

どちらが正しいのかは不明ですが、

『大同本紀』逸文には、

天村雲命は、瓊々杵尊の天孫降臨のさいに随伴して、瓊々杵尊から「小椅」の号をもらった、と記されています。

これが正確であれば、「小椅の君」とは天村雲命のことで、阿比良比売は、命の妃ではなく妹で、神武天皇の妃、ということになります。


ただし、古代の「妹」は現在のそれとは意味合いが違います。
以下(Wikipedia)

仝展譴砲いては妹は「いも」と呼び、年齢の上下に関係なく男性からみた同腹(はらから)の女を指した。女性から見た同胞の女は年上を「え」と呼び、年下は「おと」と呼んだ。これは男性から見た同胞の男に対する呼び名と同じである。

△泙拭⇔人である女性や妻のことも妹(いも)と呼んだ。「我妹子」(わぎもこ)とも言う。これは古代においては近親婚が広く行われており、妻や恋人と妹を同一視していたためという説がある。一般に女性を親しんでよぶ場合の名称でもあった。

△鯏てはめれば、古事記と勘注系図の矛盾が消え去りますが、本当のところはわかりません。


地理的には、阿多といえば鹿児島県の地名で、日向は宮崎ですから、矛盾がないように見えます。
阿波説では、もちろん日向は徳島県内であると考えています。

日向という地名もあるにはありますが、研究者によって比定地が異なります。
周辺の状況や根拠、物語との一致性を重視するからです。

多くは県南東部の海岸地方にあたる長の国(那賀・海部地方)に比定しています。
この地に古代「薩摩」の地名があったことも書きました。
現在も字名でありますが、この古記録の薩摩と同じ場所であるかどうかは、まだわかりません。



ところで、徳島の阿波市土成町には、神武天皇を祀る「樫原神社」が鎮座します。
奈良県に「樫原神宮」が存在しますが、こちらは明治23年の創建です。

阿波の樫原神社は創祀年代は不詳ですが、往古より祀られていました。
地名もまた「樫原」で、すぐ東隣の地名が「御所」で、そのまた東が「熊野」です。
その南が「吉野」になります。

神武天皇が俗に「神武東征」と呼ばれれる行軍をしたときに通る「熊野」「吉野」とは、この地のことです。

どこだったか、検索で調べているときに、紀伊半島の熊野〜吉野地方出身の方が、「そのルートに軍隊が歩いて通り抜けることができるような山道などない」と書いたページがありました。

物語に、天皇が八咫烏に導かれ「吉野川の川尻に至るとき」(原文は、到吉野河之河尻)、とありますが、「河尻」とは川の下流・河口のことで、奈良県の吉野川には当てはまりません。

下流は和歌山県に流れ込んで「紀ノ川」となっているからです。

この一点を見ても、奈良の吉野川が、阿波の吉野川にちなんでつけられた後付けの名前であることがわかります。


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田村神社の八咫烏


また、阿波国の式外の古社に「伊比良弯声辧廚あります。

「伊比良廖廖覆い劼蕕瓠Δい劼蕕劼瓠法瓠岼と耄蛭翡筺廖覆△劼蕕劼瓠砲如⊃隻霤傾弔糧淇世任后
「伊比良廖廖岼と耄蛭翡筺廚量召魎Г靴真声劼眩換颪播社のみです。


『日本三代実録』 貞観14年11月29日乙未条(872)に、

 阿波国正六位上伊比良弯

と記される大社で、記録としては、延喜式(927)よりも古い格式ある神社です。


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伊比良弯声

現在は藍住町徳命にありますが、もとは同町「東中富」に鎮座していました。

現在の地名として残っている「東中富」「西中富」の、この「なかとみ」が、「登美能那賀須泥毘古(とみのながすねひこ)」が居た「とみ」の地で、のちの「中臣氏」の本貫地というのが岩利説です。

はじめて聞くと、突拍子もない説に聞こえますが、知れば知るほど説得力を持ちますからお楽しみに。

その登美にいたのが、那賀須泥毘古の妹を妃にした「饒速日尊」(天村雲命の祖父)なのですから、阿波説に当てはめると記紀の登場人物の地理的位置関係が実に自然に繋がるのです。

以上、前回の船岡山の謎 ァ‥径識戚拭,修瞭と合わせて、もう一度地図上の位置関係をご覧ください。


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閉じる コメント(9)

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乃良根公さん、お久しぶりです。コメントは久しぶりですが、記事は毎回しっかりと拝見しております。船岡山シリーズも大変内容の濃いもので、頑張っておられる姿が目に浮かびます。古語拾遺について、「斎部氏の中臣氏に対する単なる恨みつらみ、劣等感の表れ」と酷評する人もいるようですが、そうでないことが徐々に明らかになってきましたね。嬉しいことです。こちらで九州説を唱えていたある研究家が、つい最近出版した本に「倭(やまと)」は「阿波」だったと書いているそうです。私はまだ読んでいませんので詳細は解りませんが、阿波波は少しずつではあっても全国に波紋を広げているようです。 削除

2009/10/21(水) 午前 6:36 [ 桜島 ] 返信する

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桜島さん、おはようございます♪
「倭は阿波だった」!!
うれしいです(^−^)♪
先日、阿波国古代研究所の笹田氏の講演を聞いて、おぼろげだったことがはっきりととしてきました♪
また改めて報告いたします♪
明日は地元川田八幡神社の秋祭りです!!
仕事を休んで屋台を担ぎます(^−^)♪ 削除

2009/10/21(水) 午前 6:46 [ すえドン ] 返信する

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すえドンさん、くれぐれも怪我の無いようお気をつけて。 削除

2009/10/21(水) 午前 8:13 [ 桜島 ] 返信する

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桜島さん、ありがとうございます。
いつもはある程度話の筋を考えてから書くのですが、今回は行き当たりばったりでした。なんとかオチがついてよかったです。(笑)

九州の研究者がが阿波に注目しはじめたとは凄いですね。
九州、奈良の研究者が最も反発しそうな内容ですから。

上の吉野川のくだりでも、同じ理由で、これは奈良のことではない、九州の中でこの地を探すべきだ、という方がいましたよ。

たぶん、神武天皇は宮崎を出発して瀬戸内海を東に向かい、香川東部か鳴門周辺から四国に上陸、阿波で倭を建国し、その後奈良へ遷都した、という説が出てくるような気がします。

今は素直に喜んでいますが。

2009/10/21(水) 午後 11:41 のらねこぶるーす 返信する

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すえドンさん、笹田孝至氏は岩利大閑氏のお弟子さんだったんですね。
この話をブログに書き始めたころは何も知らなかったので、このおっさんは何者か?と思っていたんですが。(笑)

私も大嘗祭について書こうとは以前から思っているんですが、書くとしたらまず「「天つ御膳・長の御膳」だと考えていました。

私も講演を聞きたかったですね。
ところで、すえドンさん。担ぐのはアークなんじゃないんですか?
さては食べ物で頭がいっぱいで・・・。

2009/10/21(水) 午後 11:54 のらねこぶるーす 返信する

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笹田氏の講演は毎回驚きがあります!!
最近の阿波の古代史は植物や食物、農業etc.といろんな分野から注目されています♪
行きつくところは「阿波」なのです(^−^)♪
今日の川田八幡神社の例大祭で担ぐのは・・・神輿ではなくて屋台です(^◇^)♪
今日はコンパクトデジカメ持参で、神事の様子なども出来るだけ記録したいと思っています♪
(*^_^*)♪ 削除

2009/10/22(木) 午前 6:44 [ すえドン ] 返信する

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乃良根公さん、そうなんです。「神武天皇は宮崎を出発 〜 阿波で倭を建国、奈良へ遷都」という説は、すでに私の耳にも入ってます。 削除

2009/10/22(木) 午前 10:39 [ 桜島 ] 返信する

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なるほど、屋台違いでしたね。
お疲れさまでした。
伝統が色濃く残っていてすばらしいですね。

2009/10/24(土) 午前 2:01 のらねこぶるーす 返信する

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やはりそうでしたか。思ったより早いですが。

邪馬台国九州説を唱え、かつ卑弥呼=天照大神と主張する立場の人は、建国のルーツが九州というのはゆずれませんし、阿波=倭説も知れば知るほど否定しがたい、となったら、自然に出てくる発想ですからね。
それはそれで面白いのではないでしょうか。
次の展開が楽しみです。

2009/10/24(土) 午前 2:11 のらねこぶるーす 返信する

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