「ノウブリ」と囁け!

おひさしぶりです(と記事をアップするたびに挨拶している・・たまにしか書かないから・・)

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映画の帰りに買ってきた「ダ・ヴィンチ・コード」へのツッコミ本です。


「ダ・ヴィンチ・コード」は、イエスの末裔の存在を守る秘密結社「シオン修道会」の存在を背景に、この秘密を守るものと追う者たちの間の殺人・暗号・謎解きが主たるストーリーです。(このへん、ファンなら説明するまでもありませんね。)

ダン・ブラウンは、小説のプロローグの前にあえて「事実」という一項をもうけて次のように述べています・・。
シオン修道会は「1099年に設立されたヨーロッパの秘密結社であり、実在する組織である。
1975年、パリのフランス国立図書館が”秘密文書”として知られる史料を発見し、シオン修道会の会員多数の名が明らかになった。そこには、、サー・アイザック・ニュートン、ボッティチェルリ、ヴィクトル・ユゴー、そしてレオナルド・ダヴィンチの名が含まれている。
この小説における芸術作品、建築物、文書、秘密儀式に関する記述は、
すべて事実に基づいている
(以上 文庫版 P5)
「事実性」を重ねて強調している。

しかしながら、この本「ダ・ヴィンチ・コード最終解説」は・・・

さまざまな文献を引用しながらこの伝説を笑い飛ばしています。

ごく一部分だけを抜出しても下記のとおり。
(以下カッコ内は引用者の補足)

「秘密文書」には確かにシオン修道会の歴代総長の名前が記され、中にはダ・ヴィンチやニュートンのほか、作曲家のドビュッシー、ジャン・コクトーなどが登場する・・。しかし
「有名人がキラ星のように出てくる総長リストなのに、その中の誰一人としてシオン修道会と関係していたとする記録が残されていない」(P110)。
これは確かにヘンですよね。
常識というのはこういうことに疑問を持つことなのかもしれません。
さらに・・・
「秘密文書」がフランスの国立図書館に納められたのは1960年代半ばのことであり、 
つい最近に書かれた文書なのである(p99)。
え、それじゃあ歴史的な裏づけなんか無いじゃん。

さらに、以下は特に傑作!
(「秘密文書」と呼ばれているのは、)国のしかるべき機関が「これは秘密文書だ」と認定して
スタンプを押したとかではなく、本のタイトルが『秘密文書』なのだ。
(中略)
なんといっても、'''だれでも閲覧可能'''という状態で、国立図書館に収められている『秘密文書』なのである(P103)。
この「本のタイトルが『秘密文書』」という一節が爆笑モノです。
自分で自分のことを悪の秘密組織ショッカーとか言うのと同じではないか・・。

その他のツッコミ所をいくつか挙げますと・・・

シオン修道会の「設立趣意書」が1956年にフランス警察に届け出られている。ここに名が載っている会員はわずかに4名の「仲良し四人組がやっているちっぽけな会」(p113)。

同団体の会報「シルキュイ」に掲載されているこの団体の活動は「地元の不動産屋にネジ込んで実力行使をやった」という「低賃金住宅を守る会」みたいなものだった(P112)。

・「秘密文書」を図書館に収めたプランタールという人物は、当初の主張を否定し、1989年になってシオン修道会の設立年月を1681年(ダ・ヴィンチの死後160年以上もあと)にしてしまった。さらに1989年、シオン修道会総長名簿を大幅に書き直し、ニュートンやダ・ヴィンチの名前などはすっかり消えてしまった(p195)

イエスの末裔を守るにはあまりにも情けない団体だったようです・・。
ではシオン修道会という団体が捏造されるのに、どんな背景があったのか?

この本は、これに先行する伝説「レンヌ・ル・シャトーの謎」にも言及しています。
(このことは文庫版で荒俣宏が触れています。ルーブル美術館長ソニエールの名前のモデルである「ソニエール神父」が登場する伝説ですので、我々ダ・ヴィンチ・コードファンにとっては押さえておかないわけにはいかないミステリーです。)

長くなるので引用を割愛しますが、この「レンヌ・ル・シャトーの謎」についてもなにかと情けない内幕があるとのこと。
この「レンヌ・ル・シャトーの謎」を我田引水して「秘密文書」というものをでっち上げたプランタールという秘密結社オタクの存在によって「シオン修道会伝説」が一人歩きを始めた・・。
さらにそれをダン・ブラウンが「ダ・ヴィンチ・コード」へと結実させた・・。
以上がこの本の主張です(ただしごく一部分。残りは買って読むべし!)。

と学会の人っておもしろい!
ここまで背景を否定しながらも、作品そのものを頭ごなしに否定せず、
「(小説は)実に面白い。・・・映画のほうも、・・すでに前売券を買って、公開を楽しみに待っている」(P236)という態度!ご立派!確かにおっしゃるとおり(でも、ホントにそうおもってるのかな?余裕ある態度を見せているだけでは・・・?)。

実は上記のような主張はすでに去年の6月に「トンデモ本大賞2005」のなかで「ダ・ヴィンチ・コードの嘘」と題して発表されていました。

今年も「トンデモ本大賞2006」の開催が近づいています。
絶対今年も行くぞ!

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