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先週から千葉の姉歯設計事務所による構造計算書偽造事件が世間を騒がせてます。
はっきり言って、殺人行為です。
住民の方への保証は、あんな一個人の設計事務所に出来るはずも無く、建築家保険も故意なので使えそうもないでしょう。当然、発注元の意匠設計事務所、検査機関であるイーホームズ、それを認定した国土交通省も責任は問われるでしょう。ここに、皆さんの血税が使われてしまうんですね。
建築関係は業種的に古い業界ですから、信用を前提に以前からの流れで各職能が動いていくので、基本的に性善説を前提に仕事が進んでいきます。
また一製品に関わる人数や、種類が他の産業に比べ桁違いに多いので性悪説を前提にすると検査検査で先に進めなくなるのです。受け入れた製品全て、行った作業全ての検査は難しいです。
それでも基本となる構造体(躯体)に関しては、コンクリートの配合計画書の提出、コンクリート材料の受け入れ検査(コンクリート打設時)、圧縮強度の試験(打設後1・3週後または任意時期)、鉄筋の材料検査(出荷先の鋼材メーカーの証書:ミルシート)、鉄筋を組み立てたときの配筋検査(打設前)、鉄筋を接合した場合の引っ張り強度試験(接合箇所の抜き取りによる)、鉄骨においては加工前の原寸検査、第三者による超音波検査、などなど行われます。
そう、施工者側がインチキするだろうから、頭悪いから間違えるだろうからと施工側への検査は頻繁に行われます。
人間が行う作業ですから間違えが無いように、また出来るだけなくせるように検査や確認が行われてます。以来を受けている設計の先生から現場監督、各職方、みんな間違いの無い、いい製品を作ろうと、雨が降っても雪が降っても台風が来ようと、暑かろうが寒かろうが、埃まみれでがんばってるはずです。
そう全ては人命が関わってくるからです。
現場サイドでは出来上がってる構造図や意匠図をもとに現場で必要な施工図などを作成しそれを基に作業を進めていきます。その際には構造計算書は見ません。計算書元に構造設計者などが構造図を作成しているので、その図面にしたがって適正に組み立てられてるか検査を行います。
構造計算書は設計契約に基づき設計図書(契約書)として図面と共に発注者に納められます。
工事契約時にはその設計図書と一緒に役所に提出された確認申請書の副本と役所の確認済み証を見せていただき、設計者が預かるか現場で保管し竣工時に竣工図と共に建築主へ返却します。
また枚数があるので工事契約時にはそれに基づいている構造図が優先され工事契約書に構造計算書が添付されない場合もあります。(契約書=図面として厚さ数十センチに及ぶ場合もあるので。)
そう、前提となる構造計算書が偽造されてるとは、まさか思いません。なぜなら役所による図面(計算書も)の確認(確認申請)が行われてるからです。役所によるお墨付きを得ているからで、その確認された図面を基準に工事が行われます。その部分が民間検査機関に委託されてました。そこに付け入られた事件であるのです。
また、構造計算書の偽造は契約書の偽造であるのです。また人命軽視の殺人行為でもあり、今回のような事件に対し莫大な損害を起す行為なのです。
なんでも疑ってかかれ!やな業界です。
世の中に「士(さむらい)」のつく職業がいくつかあります。
弁護士・司法書士・そして建築士 みんな依頼主の生命・財産を守ります。
姉歯建築士のような人間が他にもいないこと祈ります。
PS 以前お世話になった構造設計の先生がTVで解説されてました。お元気そうで、また以前よりおしゃれになっておられて。ご無沙汰いたしております。
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