ふんわりのんびり

ピクルスを漬けてお裾分け。胡瓜、セロリー、ズッキーニ、パプリカ、玉ねぎ、人参、ミョウガ、プチトマト、

始まりとその先186

重苦しい空気の中、優紀が耐え兼ねて部屋の窓を開ける。

涼やかな風が部屋の中をすーぅと通っていく。

優紀は大きく深呼吸した。

「・・優紀、俺はお前を裏切ってはいない・・だが隠してた事が
裏切りとなるなら・・俺は優紀を裏切ったんだ・・
悪かったな・・そこまで優紀を追い詰めるなんて考えもしなかった。」

「あなたは、私が何も出来ない妻だと思っているのでしょう?
確かに何も出来ないかも知れない・・力など無いですから。
それでも、あなたと一緒にこの西門の家を西門流を守って行きたいと
思っていたのです・・・。」

「ここを出て、どうやって祐一郎を育てて行くんだ?」

「実家に戻ります、そして暫くそこで仕事を探して
祐一郎と2人で暮らせるようにしていく積もりでいます。」

「そうか、そこまで気持ちが固まっているんなら仕方ない・・。
分かったこれ受け取ってサインしておく。」

「・・はい、宜しくお願いします。」

「実家のご両親にはもう話はしたのか?」

「明日、向こうに行って話をして来ます。」

「そうか・・俺もご挨拶に伺うよ。」

「いいえ、これか私が決めた事ですから・・家元が態々私の実家に
来られる事はございません。」

「そういう訳に行かないだろう?離婚するとなれば・・
慰謝料の事もある・・こうなった責任は俺にあるんだから。」

「いいえ、慰謝料など頂けません離婚の責任は私のせいです・・私が馬鹿だった・・・
身の程知らずの結婚を望んだ結果が
理由です・・・。」

「・・優紀、お前馬鹿だな・・。」

「はい、私は大馬鹿者です。」

「・・俺が言う馬鹿って言うのはな?お前が自分の価値を少しも分かって無いって
事だ・・・。」

「価値?」

「俺が、結婚前・・いや優紀お前と付き合い始めて一度でも浮気した事があると思うか?
確かに女と見ればナンパしてその日の内に男と女の仲になるなんて
俺には朝飯前の事だった・・だけどな、お前と付き合い始めて
こんな俺だが生涯、女はお前一人と決めたんだ。
お前にはそれほどの価値があるんだよ。」

「そんな・・事有り得ない・・。だって・・。」

「女に不自由した事ない俺が優紀を選んだ…。
お前だけを愛してお前と俺の子供を沢山作り
暮らして行こうと決めたんだ、だからお前と離婚したら
この西門の跡取りは居なくなる・・。
心配するな、俺には弟もいるんだから・・
次の家元は弟がやればいいし、その次は弟の子供がやればいい。

祐一郎をこの家の跡取りにしたくないんだろう?
確かに可愛い息子をこんな家の跡取りなんかしたくはないよな?
お前の気持ち良くわかるよ。
逃げ出したい気持ちも分かるから、離婚に応じる。
悪かったな・・お前を苦しめて・・こんな家にお前を連れて来て
苦労掛けて、嫌な想いも辛い想いも沢山させたな・・。
結局俺はお前を守れなかった・・・
でも俺が必ず守りたいと思ったんだその為に、俺は・・
嫌な事は全て俺が背負う積もりでいたんだ・・だが結果は
馬鹿だよな・・優紀を幸せにしたかったんだ・・それなのに不幸にしてしまった・・・。
本当にすまなかった・・・。」

総二郎が深々と優紀に頭を下げる。

「本当なんですか?私を‥私を愛してくれていた・・守ろうと思って?
・・・。」

「あゝ嘘でもなんでもない。」

「あなた・・あなた・・総二郎さん・・・。」

「全部話そうと思ってたんだ・・つくしちゃんに言われて・・。」

「つくしに逢ったんですか?」

「あゝ今日・・多摩センターまで来てくれたんだ。」

「もしかして、つくしは西門に来てからそちらへ?」

「あゝ、お袋にも頼まれたって言ってた。」

「お義母様に?」

「俺達の仲がおかしい事に気付いていたんだろうな?
つくしちゃん、優紀の様子が変だとここに電話を掛けて来たらしい
優紀が留守だったからお袋がつくしちゃんを呼んだらしい・・
そして俺の処に来て・・忠告を受けたんだ・・。」

「やっぱり、つくしが来てたんだ・・そうだったんですね。
お義母様にもご心配掛けていたんですね・・。」

「あゝ・・全部優紀に話せって言われたけど・・その前に離婚届出されたら
もうお手上げだ・・。」

「話してください、全てを。」

「全てを?」

「はい、聞きたいです。つくしがあなたに全部話せといった事を聞きたいです。」

「長くなるぞ?」

「構いません・・。」

「分かった、くしゅん・・その前にその窓閉めてくれないか?それと温かい
珈琲を貰おうかな?」

「あゝそうですね。少し寒くなりましたね・・。
直ぐ温かい珈琲を淹れます。」

「あゝ・・くしゅん。」

「風邪薬も用意しますね?」

「そうだな、頼む。」


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始まりとその先185

優紀は黙ったまま、総二郎が話すのを待っている。
だが総二郎は何を話せばいいのか分からないまま
離婚届をただ見つめていた。

「お家元?」

「なあ、お前が俺を家元って呼び始めたのはいつからだった?」

「・・・西門ではそういう仕来りだと教わりましたので・・・。」

「だから、呼び始めたのはいつからだ?」

「祐一郎が生まれてからだと記憶してます。」

「何だか他人行儀な物言いだな?お前と俺は夫婦だろう?」

「ええ、ですが西門では慣例に背く事はご法度ですから・・。」

「慣例・・仕来り・・まるで西門は窮屈な籠の鳥でここから
逃げ出したいみたいな口ぶりだな?」

「・・西門が嫌な訳ではありません・・歴史ある家柄には
多少窮屈な仕来りがあったとしても伝統を守る為・・仕方ありません。
家元との信頼関係があれば・・私だってここを出る等と考えもしませんでした。」

「俺が信じられないという事か?」

「いいえ、私を信じていないのは家元あなたの方です。」

「・・・それは・・。」

「この西門に、私のような新参者が入って来て然も
私は普通の一般家庭の娘で、礼儀作法を一から教えて頂かなければ
ならなかったような嫁でしたが努力は怠らなかった・・。確かに大変でした。いえ・・それ以上に家元は
大変だったのでしょう?私が何も知らないと想っていらしたんですか?
私の事で随分とお立場が悪くなった事も分かっておりました・・。
そして、文句を言われない為に後ろ盾になってくださる後援者捜し・・・。
あの三人の女性はそのことに関係していたのでしょう?
人の口に戸は立てられませんから・・
色々な噂も耳に入って来るのです。
お節介な方もお弟子さんの中にはいらっしゃって・・色々教えてくださったのです。
全てが本当の事かは知りませんが、かなりの確率で当たっていたようです。
全てはあなたが私を守ってくださる為・・分かってました。
ですが・・夫婦ならばお話してくださっても良かったのではないでしょうか?
正直‥寂しかったです。当事者なのに蚊帳の外では・・あまりにも・・辛いです。
私では、あなたを支えたりあなたの力になれる人間では無かったのですね?
だから、あなたは他所の人に頼った・・。
確かに私には力も何もないです。実家の親もそんな力もありません・・
だったら、最初から私達が一緒になったのは間違いだった・・そう思う
ようになったのです。

そして考え続けたのです。
こんな形の夫婦なら・・・私は祐一郎の母として
家元夫人では居られない・・あなたの妻として生きて行くのは辛いのです。
祐一郎の事も、考えて考え抜き・・祐一郎をここに残して行くのも
出来そうにありません・・。
だって、あなたの血以外に私の血も半分流れているのです・・。
将来この西門流の家元の器になれるかどうか・・
とても心配になったのです。
もしも、祐一郎に家元の器が無かったら・・・。
祐一郎が不幸な一生を迎える事があれば・・・生きていけない。

西門であなたを支える新しい方に
跡取りは産んで貰ってください。祐一郎は私が責任を持って育てます。」

「優紀、待ってくれ。」

「祐一郎にはもう、お話はしてあります。
祐一郎は私と出て行くと言っています。」

「何故だ?俺が黙っていたことがそんなにお前を傷つけたのか?」

「いいえ、きっとあなたは私の事を想ってくださったのでしょう?
ですが・・そんな風にされたら私は自信を持ってここで暮らせません。」

「どうすれば良かった?」

「もっと私を信じて欲しかった、そして力を合わせ二人で切り抜けたかったんです。」

「・・・。」

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始まりとその先184

総二郎が西門に仕事を終え戻ると、優紀は自分の部屋で片づけをしていた。

「優紀は?」

「家元お帰りなさいませ。若奥様はお部屋の方のいらっしゃいます。」

「そうか分かった。」

総二郎が部屋に入るが優紀はそこには居ない、祐一郎の部屋を覗いてみるが
そこにも優紀の姿は無い。
風呂場を捜し、トイレを捜し・・・そして最後に納戸に目がいった。
まさか・・ここか?こんな夜に納戸で何を?
納戸をそっと開けると、明かりが漏れている。

「優紀、そこにいるのか?」

「あっ、はい。」

「そんな処で何を・・・。」

優紀が手にしているのは自分の冬服で、段ボール箱に
どうやら詰め込んでいる最中のようである。

「・・片づけをしてたのか?」

「家元お帰りなさいませ、お疲れ様でございます。」

「あゝただいま。」

優紀の後ろにはもう既に3個ほどの段ボールが重なり置かれている。

「・・・その段ボール箱どうするんだ?」

「・・ええ、処分するんです。」

「そんなに?」

「お前の服ばかりみたいだな?」

「家元、ここでは落ち着きませんからお話ならあちらで伺います。」

「・・・分かった。」

先に総二郎が納戸を出た。
後から優紀が続く

「何か飲み物でもお淹れしますか?」

「いや、飲み物はいい。それより、話をしよう。」

「そうですか・・ではその前にこれをお渡ししておきます。」

白い封筒に入ったものを優紀から手渡される。

「中は何だ?開けていいのか?」

「どうぞ・・・。」

総二郎は白い封筒の中身を取り出して・・・言葉が出なくて固まった。
白い用紙に緑色のインクで印刷された紙・・・。

「私のサインと捺印は済ませていますから・・・後は家元が・・・。」

「これ・・本気なのか?」

「ずっと悩んで出した答えです・・・。」

「・・優紀」


・・本気なのか?
おいおい、つくしちゃん話が大変な方向にいっちまってる・・・。
これどうすんだよ?
ここで、俺が全てを話したらどうなる?
吉と出るか凶と出るか、俺は試されているのか?嫌な予感しかないんだが・・・。
どうする俺?・・・・。


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始まりとその先182

総二郎がやっと口を開き、自分が三人の女性と浮気したと言う
事情に付いて、つくしに話をした。

大人しくつくしは、総二郎が話している事を聞いていた。

「じゃあ・・浮気って・・。」

「あゝ実際に何も無かった・・・だが、優紀には真実は言えない。
あいつが聞けば、どんなに傷つき嫌な想いをするのか・・
想像できるからな・・・。あいつを傷付けたくはない・・。
西門流という、あいつにとっては楽じゃない場所で
本当に毎日西門の事を覚え・・あいつなりに頑張りすぎて倒れるんじゃないかって
想う程・・頑張っているんだ。嫌な事はそれでもあいつの耳に容赦なく
入って来る・・だけど俺は俺なりにそれを最小限にしたやりたかった・・・。」

「・・愛だよね。それって西門さんの優紀に対する愛なんだよね?」

「あゝ・・」

「だけど・・与えられた愛だけでは夫婦としてはどうなんだろうね?」

「どういう意味だ?」

「・・私、過去に何度も記憶を失くして・・
最後の事故の時は結局・・・りんを失ったって思い込んだショックで逃げたんだよね。
母親としても妻としても最低だと想うんだ・・。
普通は母親なら。子供が亡くなれば弔うのが普通だけど
それが出来なかった・・。」

「それは記憶が無かったんだ仕方ないじゃないか?」

「ううん、そんなのは言い訳に過ぎない・・・。」

「自分に随分厳しんだな?」

「そうじゃないよ。私は愛する類の事も・・可愛い娘のりんの事も
忘れたのよ?自分の悲しみから逃げる為に・・
最低だと思った・・記憶が戻ってから‥自分は本当に最低だって・・。」

「そんなに自分を責めなくていいんじゃないのか?記憶喪失って病気だろう?」

「傍から見たらそうかも知れない。多分私もこれが自分じゃないなら
そういうと思う。だけど・・やっぱりね・・だからこそ言葉も大事だって気付いた・・。
相手を思い遣る事は大事だけど・・一緒に同じ人生を歩く以上は、
何を思って居るか言葉にしないと伝わらないよね?
お互いに一方的に守られるだけじゃ駄目なのよ・・・。
特に優紀って・・そういうのが駄目な人だと思う。
守られるより、西門さんと共に苦労をしたいのよ・・。」

「そんな女がいるか?ふつう苦労はしたくねぇだろう?」

「いるのよ、私も優紀も苦労は買ってでもしたいタイプなの。」

「バカじゃねぇの?」

「バカでもそうなんだから・・優紀は私とおんなじお節介で一途で・・
愛した男をとことん信じて愛し貫く・・そういう女なのよ。
だからさ・・さっき私に話をしてくれた事を・・優紀に話してくれない?
・・・隠し事は、愛する夫婦には必要ないでしょう?」

「・・・俺のポリシーに反するんだがな?」

「西門さん、ポリシーと離婚どっち選ぶの?」

「・・・離婚って?なんで離婚なんだ?」

「分からないの?優紀があんな頑な態度を昨日見せた裏には・・
多分、西門さんとの離婚を考えてると思うのよね?・・・子供の頃からの
付き合いだから私には分かるのよ・・優紀の行動は・・。」

「優紀が俺と離婚を考えてると言うのか?」

「気付かなかった?」

「そりゃあ・・そういう風に考えればおかしな事はあるにはあるが・・
まさか・・離婚までは考えていねぇだろう?」

「甘いな、私を誰だと思ってるの?西門さんより優紀との付き合いは長いから
優紀の性格は西門さんより分かってるわ・・。まあ、私の記憶喪失の間の
ブランクは除いたとしても・・間違いなく優紀は離婚を考えてるわ。」

「脅すなよ・・・。」

「あら、脅しでも何でもないわ・・だからさ、この際全て優紀に話しちゃいなさいよ。
夫婦なんだも隠し事がある方がおかしんだから。」

「まあ・・いずれは話そうと想ってたんだ・・。」

「じゃあ決まりだね?今夜絶対に優紀に話をしてね?
それで優紀が何を言うのか、西門さんも優紀の考えを聞いたら納得すると思うよ?
あら、もうこんな時間。類やりんが心配するから私は帰るわね?」

「あっ、ああ・・。」

「ご馳走様でした。」

「いや・・つくしちゃん、今日はありがとうな?」

「いいえ・・あの・・西門さん、優紀って融通が利かないし
勘は割と鋭い方なのよね・・。
だから嘘は言わないで本当の事だけを話してあげてね?」

「あゝ分かったそうするよ。」

「じゃあ・・私は失礼します。また・・皆で集まろうね?」

「あゝ・・。」


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始まりとその先181

つくしが西門を出た同じ頃、優紀は西門の車で戻って来た。

西門の運転手が、花沢の車が出て行くのを停止して先に行くのを待った。
 
運転手同士が会釈する。

後部座席に乗っていた、優紀はその時は気付かなかったが

車窓に見慣れた、黒塗りの車が映り込み西門の門から出て行くのを見た時

それが花沢の車だと気付いた。


あれは、確かつくしの処の車?後部座席はスモークガラスで誰が乗ってるのかは分からなったけど、
運転手はつくし専用の運転手の人だった気がした。
だとしたら、自分の居ない間につくしが来たのだと思った。
でも帰宅時間を義母は知っている。
それなのに、待てない程急いで帰る必要があったんだろうか?
腑に落ちない気持ちで、自宅に入ると義母が迎えてくれた。

「優紀さん、お帰りなさい。橘様はどうでしたか?」

「お義母様、橘様はお元気そうでしたわ。
手土産も喜んでくださって、ご義両親にくれぐれも宜しくお伝えくださいと
それと皆さんでとマスクメロンを沢山頂戴いたしました。」

「まあ、それは後で橘様にお礼のお電話をしておくわね?」

「はい、宜しくお願い致します
あの・・・お義母様、今花沢家の車が出て行くのを見かけたのですが・・。」

「花沢さん?いいえ・・先程の車は野崎様の奥様のお車よ。
同じ黒の車種も同じで良く似ているから間違えたのね?」

「野崎様・・そうですか・・。」

「つくしさんが来る約束でもあったの?私も久しぶりだから是非つくしさんに逢いたいわ。」

「いいえ・・約束は無いのですが・・私着替えて参ります・・・。」

つくしから電話があったのは、着信記録で分かっていた。
その後掛けなおしたら、今度はつくしのスマホが繋がらない。
花沢家に電話をしようと思いながら、掛けるのは止めた。
つくしが、何の為に電話を掛けて来たのか想像が付いたからである。

昨日の自分の様子が変なのを心配して、あの心優しいお節介なつくし
が電話を掛けてくれたのは分かるのだが
事情を話す気には、優紀はなれなかった。
記憶を取り戻して幸せに暮らしてるつくしに
自分の事で悩ませたくは無かった・・・。

優紀は着替えて、廊下に出て食事をする為に食堂へと向かった。
使用人達もここを使って交代で食事をとるように
なっている。先程橘様から頂いたマスクメロンの入っていた
箱が何個か置いてある。
既に数個は冷蔵庫の中で冷やされているようだ。

西門にはお歳暮やお中元の他にお進物の多い
家である。高級な果物は旬の物がいつも届けられる。

「若奥様、今からお食事でございますか?」

「ええ、出掛けていて少し遅くなってしまって・・
お義母様達はもうお済になったのかしら?」

「はい、先ほどお部屋の方にお運び致しました。」

「そう・・。」

「直ぐにご準備致しますのでお掛けになってお待ちください。」

「ありがとう。」

大きなテーブルが何個も置いてある。
その端の場所に座る優紀の目に、
使用人がお客様やお弟子さんからいただいた
お菓子を竹籠に入れて、等間隔に置いて行く。
3時の休憩の時間に、交代でここでお茶をする為の準備である。

義両親の好きな銀座ウエストのリープパイが
竹籠の中に入っていた。
優紀はこれが、先程義母が帰った言った野崎夫人が持って来たものでは
無い事を知っている。いつも野崎夫人が持ってくる差し入れは
老舗の有名店のカステラだと決まっているからだ。
自分が嫁に来てから野崎の奥様が一度だって手土産を忘れた事など
無い事も優紀は分かっている。

ここにあるはずの、カステラは無く代わりにリーフパイがある。

だとしたら・・やはりあの車は花沢の車で野崎夫人の車ではない・・・。

つくしなら、総二郎の両親が銀座ウエストのリープパイが好きだと
知っていて不思議は無い。

何故、お義母様は私につくしが来た事を隠したのだろうか?




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