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1月。ある人物と尾上さんが痴話ゲンカ。原因は俺。俺が尾上さんの携帯から尾上さんに成りすまし
「君は破門だよ〜ん」とメールを送ったところ、こじれにこじれ、二人は破局を迎えた。
その反省会というか飲み会で「ベガスに行こう!」との合言葉が成立。
その時は本当に行く事になるとは思ってもいなかった。
10月。チケットを買いに行った。いわゆる「買春」行為にあたるかは裁判官の心証に左右されるが、
とにかく俺らは新宿で6万円以下のチケットを買った。
12月。前倒しで原稿を進めた。不眠不休。
最後トーン作業はケニー君に日本の土建業者のように丸投げした。
近くのコンビニから原稿を宅急便で送る。俺の旅支度を見たコンビニのおばちゃんが
「どっか行くんですか?」と聞いてきた。
「今からベガスっす」と言うと「いいな〜」とおばちゃんはにこにこしながら言った。
「行ってる間の日刊ゲンダイ先払いするから置いとってください」
俺のこんな提案をおばちゃんは「後払いでいいですよ」と快く受け入れてくれた。後日帰宅すると
「ニッカンスポーツ」が10日分置いてあった。言ってたのと違うが1300円払った。
池袋で尾上さんと待ち合わせ成田エキスプレスで成田へ。対面の席に中国人のおっさんがやたらと咳をしていた。俺は徹夜で免疫低下しているので風邪をうつされたらかなわんっと露骨に顔の前に「週刊ベースボール」を持ってきて、ウイルスをカットした。
空港で両替をした。1800ドルが「ギャンブル資金」。
トラベラーズチェックの1000ドルが生活費の予定だ。
空港で荷物チェックを受ける。尾上さんの担当は「森三中の村上」みたいな女だった。
朝から俺の目に映る尾上さんの近くにはいつも巨乳がいた。
そんな不思議な現象を尾上さんに告げると「そうやねん。今回の旅は巨乳がキーワードやな!」と根拠の無いことを今年36才の尾上さんは渋く言った。確かにベガスでは太り過ぎの白人とよく出会った。
飛行機の中で寝れば時差もなんのその、だったが疲れ過ぎか興奮のためか寝れなかった。体はボロボロ。しかしベガスへの期待感や久々に漫画から離れた精神の軽さからか、思ったより体が動く。
雲一つない蒼井そら、いや青い空だった。空気も乾燥していて風が気持ちいい。日差しはきつかった。
早速レンタカーに乗り込み、アメリカらしいハンバーガを食おうっとハイウエイを尾上さんが徐行運転。「神ちゃん!ええ店あったら言ってや」っと尾上さんは張りきって言うが、俺は目が悪いので看板がぼやけてよく見えない。それでも俺は「オッケイ!」っと調子良く答えた。
所々砂漠のような乾燥した大地が剥き出しになっている。
日本からきた黄色い猿二匹の旅が始まった。
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