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尾上さんは自他共に認める「ヤキソバ&モー娘。大好きっ子」だ。バイトが酷使されることで有名な
「和民」のヤキソバも世界中の誰よりも早く注文するぐらい大好きっ子なのだ。特に太麺。
ベガスの大通りから少し離れた所に、地元の労働者が食べにいくような店の一群があった。
その中に「チャイナスター」という中華バイキングがあった。
俺はその味に魅了された。牛肉とブロッコリーのオイスターソース炒め、炒飯、甘辛のから揚げ、セロリと鶏肉の塩炒め、えびの素揚げ、卵スープ、餃子、そしてにんにくの香りがするヤキソバ。
俺はこのヤキソバを食った瞬間(ヤキソバっ子の尾上さんは絶対うれしくなってモー娘。の決めポーズを披露するはずだ!ほんでそれはこのチャイナスターの客からやんやの歓声を浴びるはずだ!)っとわくわくしながら尾上さんの顔を見た。そ・・そこには・・・
テンションの下がった尾上さんがナイフとフォークを一流社交人のようにマナーよく使用し、
素の顔でから揚げを食していらした。
(あれ・・おかしいな・・いつものヤキソバ食った瞬間の笑顔はどこへ行ったんや・・・
お疲れか・・・)
俺が「うまい!うまい!」とハイテンションでお代わりに行ったのとは対照的に、尾上さんは静かに席を立ち、落ち着いたお代わりをした。何故こんなにテンションが低かったのか・・・
次の日「飯どうする?神ちゃん」っと尾上さんが聞いてきた時、俺はすかさず「チャイナスター」っと
先生に聞こえる大きな声で言った。「チャイナスターか・・・」尾上さんの表情が曇る。
「尾上さんおかしいっすよ!なんでチャイナスターでテンション下がるんすか。昨日も尾上さんのヤキソバダンスレボリューション見れると、楽しみにしてたのに!」
尾上さんは身の上を語りだした。それを聞いた紳助は涙ぐんだ。俺は謎が解けた・・・
「あの店、床めっちゃ汚いやん・・食い散らかしたんそのまま床に落ちてて、飯ちゃんと食われへんもん・・・」
尾上さんはめっちゃ繊細なのだった。そして俺は・・・
目が悪いので床なんかぼやけて見えないのだった。足元がそんなえらい事になっているとは知らず、ばくばく食っていた。(やはり物事には一長一短があるな〜)と改めて思った出来事だった。
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