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そろそろ・・・

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なかなかゆっくりとものを考えたり、書いたりする時間がなく、つい手軽なfacebookばかりになっていました。
お正月明けにロンドンに戻ってきて、ロンドン通信もちゃんと書こうと思ったのに。

2年間の夫の赴任が終わり、5月3日に帰国することとなりました。成田に着くのは翌日です。

まさかもう一度、ロンドンで暮らすことになるとは夢にも思っていなかったのに、再びこの街へやってきて、「住むところなんてあるんですか?」と聞かれるような街のまんなかのアパートで、以前とはまた少し違った経験をしました。

そしてもう一つ、帰る間際になって思いがけないことがありました。
3月の初めに見知らぬ方からメールが来たと思ったら、東京の出版社の方からで、梨木香歩さんの新作の表紙に私の絵を使いたいというお話でした。4年前に、青山のギャラリーハウスMAYAさんで装画を描くコンペティションに出品し、ブックデザイナー名久井直子さんの賞をいただいたのがご縁で、名久井さんが選んでくださったのでした。

大好きな梨木さんの作品の表紙とは、大変光栄なことです。

締め切りは3月末ということでした。原稿がロンドンに届いたのがすでに9日。日本で通っていた工房と違い、こちらでは週に1日しか行けないのでどうしたものかと焦りました。アートスクールに掛け合い、他の曜日にも作業させてもらうことにし、先生もどうしても間に合わなければ先生のスタジオを使ってもいいと言ってくださり、ありがたいことでした。

メールでラフを送って描き直したり、連絡を取り合う。時差も8時間あるので大変でしたが、時間も場所も越えて、こうして仕事ができるとは、なんと素晴らしいことでしょう。

梨木さんの作品は、なぜか私の身の回りにいる人々の境遇にとてもよく似た内容の物語でした。人生は、思い通りに行かないことがたくさんあるけれど、過去を変えることはできないけれど、その過去のためにたとえ自分がパーフェクトでなくても、重いものを背負っていたとしても、それでも前に進んで行こう、少しでも光の射す方に。
そんな物語だと思いました。

賞をいただいた翌年、MAYAさんで個展をしたときに出品した『アネモネ』の少女を梨木さんが主人公のイメージにぴったりと言ってくださったそうで、メインの絵はそれをそのまま使うことになり、そのほかに内容と関係のあるモノの絵を数点描きました。

時間がないので、手彩色でというつもりでしたが、「やっぱり色も版画で」ということになり、アクアチントの版を重ねることになりました。水彩とも違う、均一なマットな着彩とも違う、アクアチントの色の入り方。微妙ですがやっぱり違うのです。それでまた工房へ。おかげで今まで話したことのない先生とも話ができたりして、それも楽しかったのでした。

3月の終わりに何とかすべての絵を東京に送りました。もうすぐその本が出版されます。
以前ロンドンに住んでいたときに始めた銅版画。
銅版画に巡り会うまでの出口のないトンネルのような気持ちが、今日はなぜか思い出されて仕方がありませんでした。
私もまた、いろいろなものを引きずりながら、光の方へと歩いてきたのかなあ、と思いました。

写真はお籠りしていた3月のリビング。ドアにはってある絵は没になったのだけど、作品としては完成させるつもり。

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