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「夢じゃない」
暖かい場所を探し求めてた最後の離島で
君を見つめていた 君を見つめていた Oh....
同じリズムで揺れてたブランコであくびしそうな
君を見つめていた 君を見つめていた Oh....
夢じゃない 独りじゃない 君がそばにいる限り
いびつな力で守りたいどこまでも Oh Oh....
丘に登ったらいつか見た景色季節の魔法で
君に埋もれていた 君に埋もれていた Oh....
夢じゃない 独りじゃない 君がそばにいる限り
いびつな力で守りたいどこまでも Oh Oh..Oh.....
暖かい場所を探し求めてた最後の離島で
君を見つめていた 君を見つめていた Oh....
夢じゃない 独りじゃない 君がそばにいる限り
汚れない獣には 戻れない世界でも
夢じゃない 独りじゃない 君がそばにいる限り
いびつな力で守りたいどこまでも Oh....
前置き
勝手ながらこの歌詞を読み解いていく上でキーワードになるとおもわれる部分
の色を変えている.あらかじめご了承を.
さてこのスピッツの歌詞を読み解いていこうという試みは飽くまでひとつの解釈
ではあるけど、草野正宗さん(スピッツの全ての作詞作曲をしている)にしか
出せない歌の魅力がどこにあるのか、また何が素晴らしいのかを明示して
いくことを旨とする。
そこには哲学的なおもしろさや非常に言い得て妙といえる人間の滑稽さ、おもしろさ
、ユーモアがあり、詩的な物語が隠れている。もしくは人によってまったく違う物語を
作り出してしまうような想像が羽ばたく枝がいたるところにある.
また当然ながら音楽的にも素晴らしい、歌詞にぴったりなイメージに富んだ曲
が数多くあるが、それを言葉に正確に表せる程の文章力は私には到底ないので今回は音楽性についてはあまり触れない.お許しを。
では今回の本題。
「夢じゃない」の歌詞は一見単純で深い意味なんてなさそうだが
スピッツの歌詞の大きな特徴である「ほのめかされた毒のある言葉」
がちゃんとある。そして私のようなまさに「いびつな」人間はまずそこに
意識が向けられた。
まずそこから見てゆこう。
1,いびつな力で守りたい
2,汚れない獣には戻れないとしても
「いびつな力で守りたい」
この「いびつな力」のさすものが何なのか、まだわからないので先に
「汚れない獣」について考える。
「戻れない」というのだから元は獣だったのだ、だから「獣」はある種の人間
の比喩だと考えられる.これに「汚れない」がついている。
独り、孤独.汚れない、獣.
獣はものを考えない.自分を犠牲にできる。自我がない・・・。
ん〜、ということは「汚れない獣」とは自分の心に、あるいは人間の心の
醜悪さなどに嫌悪するのに慣れっこになった人間ということだろうか?
更に言えば自分に大切なものが何なのかさえ考えなくなった人間たちと
心の断絶を感じたのかも知れない。
だから孤独なのだろうか?
それでは「いびつな力で守りたい」とは何なのだろう?
「いびつ」これは批判的な否定的な言葉だ。この場合ではある種の自嘲すら感じる。
しかしまだ意味が見えてこないので別の所を見てみる。
そこでさびにあたる歌詞を見る。
「夢じゃない 独りじゃない 君がそばにいる限り」
ああ、そういうことかもしれない。
つまり「君がそばにいる限り」というのは
「君がそばにいなくなれば僕は独りにならざるを得ない」ということ、
「夢じゃない」とは何が夢ではないのだろうか、君がいまそばにいてくれることか?
もしくは「君そのものが夢なのか」だけどいまは現実のものとして
感じられるんだと詠(うた)っているのか.
これではまるでミステリーだが、こういう風に見ていくと何でもなかった
ような白文字の歌詞が立体的に浮かんできて他人とは心を通わせられないことを
知った孤独な男(草野さんではない)が夢とうつつの境目に幻(物語)を作り出し、そこに大切なものを見出してしまった、狂気と哀しみに満ちた物語が現出してくる.
まさに「いびつな力」だ。
そしてその物語の結末は初めから決まっている。
それ故にこの歌のメロディーは暖かく、優しげではあるけれど、すごく刹那的
なはかなげなものに感じられるのかも知れない.
断っておくが飽くまでひとつの解釈であり、ひとつの読み方でしかないです。
だけどそう読めるようになっていると私は思うし、なるべく説得力をもって
書いたつもりだけど論理性がないところは指摘して下さい、ハイ。
と、まあ、このようにスピッツの歌詞を見ていくとやはり歌詞の
構成も比喩の使い方も巧みであることに気付く。
というのはこの歌詞のひとつの語句でも取り除けばその魅力が
崩れてしまう、蛇足のない構成になっているからだとおもう。
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