糞駄文空間……。

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死亡フラグって何なの?死ぬの?


 少し離れたところから、鳥のさえずりが聞こえてくる。敵国の領土内にある小さな村を俺たちは占領し、そこに前線基地を構築していた。敵と睨み合う戦争の最前線にいるにも関わらず、平和なもんだここは。戦争とはまるで無縁な気がしてきた。

 俺はまだ20代前半で、階級も下っ端。その上、実戦…本物の戦闘に出るのは、今回が初めてだった。正直、敵が憎くて軍に入ったとかそういう訳ではなかった。ただ、軍人ってなにかと待遇いいしお金もくれるし、しかも女の子にモテるんですよ、これが。だから、もしこの戦闘で生き延びたら、取り敢えず首都に戻って女の子をナンパするんだ――

 パーン!

 …俺のささやかな願望がこもった昼下がりの妄想を、一発の銃弾が元気よく粉砕してくれた。遠くで響く銃撃の音、ほぼ同時に響く着弾の音。俺たちが占領した村にある家の壁の一部に、弾痕が穿たれていた。

「ててて敵襲ーッ!総員戦闘配置、戦闘配置だお前達ぃぃぃ!気ぃ引き締めろぉ訓練じゃねぇぞ戦争だぞぉぉぉぉぉぅぃ!」

 大隊長が叫ぶ。ぎゃー!とかうわーい!とか叫びながら、兵営を駆け回っていく。うるさい。

 続けて、また銃声が響く。1発、2発…それはすぐに、激しい撃ち合いに変わった。こちらからも向こうからも、殺意のこもった鉛弾が吐き出されていく。「何もないように思えた昼下がり」が「交戦状態」に突入するまで、30秒とかからなかった。

 俺は実戦経験もなく、新兵教育課程をクリアしたばかりのド新米。不用意に前のほうに出て銃を撃ったところで、所詮は命中らない訳だし。むしろ、ちょこまか動き回るのはただ味方の邪魔なだけ。そんな理由で、俺はいつも小隊長のとなりにいるよう命令されていた。

 小隊長は、敵がいるであろう方向をじっと見つめていた。未だになんか叫んでる落ち着きの無い大隊長とは裏腹に、小隊長は常に冷静だ。アサルトライフルの安全装置を静かに外し、引き金に指をかけて敵の方をうかがっている。…ん?俺は空気扱いですか小隊長。

 と、そのとき。後ろから足音がして振り向けば、軍服の前を全開にしたセクシースタイル、アサルトライフルを片手で構えた兵士が、ウザったい長髪をいじくり回しながら歩いてきた。自己顕示欲が強いと言うか、割とナルシストな奴なんだこいつは。その上、小隊長に気に入られようと頑張っている。なんかウザいから、俺はそいつに「ナル兵」という渾名をつけている。

「小隊長」

 片手を腰に当ててポーズを決めながら、ナル兵は小野○輔みたいな爽やかボイスで言った。

「小隊長が出るまでもありません。あんな雑魚共、俺がちょっと蹴散らしてきますよ」

 ――【○○様が出るまでもありませんよ。ここは私が…】類型?!俺は咄嗟にナル兵の方を振り返った。ナル兵は不敵な笑みを浮かべ、アサルトライフルを手にずかずか歩いていってしまう。

 あぁ、今のって死亡フラグだよなぁ…そんなことを思っていると、一際大きな銃声がどこからか響いた。それと同時に、ナル兵がその場に崩れ落ちる。

 どこかで「メディーック!」という叫び声があがり、数人の兵士がナル兵に駆け寄って安全な場所まで引き摺っていく。すぐさま衛生兵がナル兵の容態を確認し……首を横に振った。

「…死亡フラグ、だ」

 俺は思わず呟いた。死亡フラグ、立ってしまうとほぼ100%の確率で死に至ってしまう破滅へのプレリュード…!まさか本当に死んじゃうなんて!

 偶然ではない、と頭の片隅で思う。これは偶然ではない、偶然なんかでは決してない!

 俺が目の前で起ったことに恐怖しガタガタ震えていると、ぽんと誰かに肩を叩かれた。恐る恐る振り返れば、そこに1人の兵士がしゃがみ込んでいた。

 この兵士が誰かと楽しそうに談笑しているところを、俺は見た事がなかった。兵営の中はもちろん、移動するトラックの中でも、塹壕の中でも、常に寡黙なキャラクター。数日前に、初めて小隊長の指示に「了解」と短く答えたのを聞いたことがある。それ以外、誰かと喋っている瞬間も独り言を言っている瞬間も見たことが無い…そんな兵士だった。

「…大丈夫か?」

 その寡黙な兵士が、声を掛けてきた。な、なんて股を濡らす低音ヴォイス!喩えるなら中田譲○といったところだろうか。ただ単に低いだけでなく、深みのある優しさと安心感と胡散臭さを兼ね備えた声だった。取り敢えず頷いておくと、寡黙な兵士は俺の肩から手を退けた。

「…俺も初めて実戦に出た時は、恐かった。銃声と爆音にいちいち身を竦ませ、トラックの中でずっと震えていた。だが、じきに慣れるから心配ない…小隊長のとなりでおとなしくしていろ」

 ――【寡黙な人が身の上話をする】類型?!俺はなにも言えずに呆然とその寡黙な兵士を見つめていた。寡黙な兵士はすくっと立ち上がると、一度小隊長と顔を見合わせてから、幾人かの兵士とともにどこかへ走っていった。ざしざしざし、と走っていって…上から降ってきた迫撃砲弾に押し潰され、爆音と共にゲシュタルト崩壊。黒煙と一緒に、寡黙な兵士の被っていたヘルメットが上空高く放りあがる。

 俺がビビッて小隊長の隣で小さくなって震えていたばっかりに…っていうか、さっき小隊長が寡黙な兵士を引き止めてくれていれば!寡黙な兵士が文字通り散った場所をみつめながら、俺はそんな事を思った。もう、マジで死亡フラグとかやめてくれよ!

 どうせゲームや映画の中だけの話だろうと思っていた死亡フラグと言う現象が、今正に目の前で発動したのだ。2人の兵士が死んだのだ。もし口を滑らせて自分が死亡フラグを立ててしまったら……あぁ、恐ろしい!

 っていうか死亡フラグとか考えた奴誰だよ!と俺が発狂しそうになっていると、隣にいた小隊長が小さな溜め息をついた。

「はぁ…このままでは、敵に押し切られてしまうかもな…」

「……死なないでくださいよ?」

「…何?」

「死亡フラグとかもうマジ勘弁です。せめて小隊長は死なないで下さい、もういっそ押し切られて敗走しちゃいましょうよ」

 敗走すれば戦闘は続かなくなるから、これ以上の犠牲は増えない!死亡フラグ発動の機会が失われるから!やべぇ俺天才!

 そう思って安心したのも束の間だった。小隊長は小さく笑って口を開いた。

「怖じ気づいたか?新米が。まだ俺は死ぬつもりなんか無いさ。家に帰れば、妻と可愛い娘が俺のためにビーフストロガノフを作って待っているのだからな」

 ――【家に帰れば、妻と可愛い娘が私のためにシチューを作って待っているんだ】類型派生型?!っていうかなんでビーフストロガノフなの?この人ロシア出身?

 思わずビーフストロガノフに意識が向いてしまい、小隊長の咄嗟の行動に反応できなかった。その場に勢いよく立ち上がった小隊長は、アサルトライフルの安全装置をフルバーストモードに変更、怒濤の勢いで銃を乱射しはじめたのだ。そして、叫ぶ。

「ここは俺に任せて、お前は先に行け!」…これこそ言わずと知れた死亡フラグの王道のひとつである。

 あぁぁ、もう駄目だ……俺は小隊長を止めることも、自分一人逃げることも出来ずに頭を抱えた。もうこの部隊、全滅するんじゃねーか…?

 そう思ったとき、右腕に鋭い痛みを感じた。そのまま勢いよく仰向けに倒れ、後頭部を強打する。視界に花火が弾け、右腕に真っ赤な薔薇が咲き誇る。

「……ッ?!」

 何が起こったのか分からなかった。視界いっぱいに広がる青空がぐにゃりと歪み、脳裏に走馬灯が浮かび上がる。

 小学5年のとき、ひらひら飛んでたアゲハチョウに似た蛾を追っかけて車に轢かれかけたなぁ…中2の時、好きな人に告ってフられたなぁ…校庭で、公衆の面前で、そりゃもう全力で頬をぶん殴られて…ガチホモの野郎に掘られかけたのは高3の夏だったっけ…そうだ、助けを呼んでも誰も助けてくれなくて、ガチで掘られかけて…それがトラウマになって、俺は強くなろうと思った、そして軍に入隊…今日が初めての実戦で……

 あぁ、そうか。俺は薄れ逝く意識の中で、あることを思い出していた。

 この戦闘が始まる一瞬前まで、自分は何を考えていたか。

「もしこの戦闘で生き延びたら、取り敢えず首都に戻って女の子をナンパするんだ――」

終☆焉


はいっ、という訳でこんばんわ。
もういくつ寝るとお正月だよ本当。年末でいろいろとお忙しい方も多いとは思いますが、みなさん如何お過ごしでしょうか?みんなのアイドル、のすけ。です。

昨年の文芸部誌に投稿させてもらった、「死亡フラグって何なの?死ぬの?」という小説を無駄に掲載してみたり。
「文芸部誌用に小説書いてくれ!」→「おk!戦争モノでもいい?」→「いいぜ!あ、でもコメディー要素も欲しい!」→「戦争コメディー…だと…」→「そ れ だ」という流れで書き上げた駄文でございます。
ネタに走りすぎて逆にまとまりが無くなっちゃったよメルツェル。

今年も文芸部誌に小説を載せてもらえることになりました。「AID」という軽いヤンデレ小説です。
そいつもまた気が向いたら掲載しますね。

今宵はこのあたりで。

「会長!俺とポッキーゲーm」

「だが断る」

 これでもう19人目だ、ポッキーゲームをしてくれと詰め寄ってくる男子生徒は。このみはため息をつきながらその哀れな男子生徒を追い払い、机に肘をつく。

 どこの菓子屋の陰謀か、11月11日は某チョコレート菓子の日と大々的に宣伝されていた。そして、2人がそのチョコレート菓子を端から食べ進んで行き、最終的にはキスをするとかしないとかいうゲームまで考案されている。

 そのゲームをしてくれと言い寄る男子生徒が朝から後を絶たず、このみは正直だいぶ苛立っていた。男子生徒だけではない、数人の女子生徒からもそんなことを言われているのだから始末が悪い。

「なぁ会長、ポッキーやろうぜ!ポッキー!」

 そんなイライラ感からか、半ば諦めのようなものもあったのか。能天気にもチョコレート菓子を口に咥えたまま近寄ってきた同じクラスの男子生徒がそう言ってきたので、このみは大きなため息をつくと、その男子生徒が咥えるチョコレート菓子の反対側を噛み、次の瞬間には真ん中あたりからぼっきり折ってやった。

 ぼりぼりぼりぼり…チョコレート菓子を噛み砕きながら睨むように周りを見れば、「会長がポッキーゲームしてる!」「マジか!ポッキー!」「俺も!会長、俺もっ!」と無駄にテンションが上がっている男子生徒たち。

「あぁもう煩いお前達!面倒臭い!もう、どっかいけ!」

 ぷりぷり怒りながら席を立ち、どこかへ歩き去ろうとしたとき――教室の隅にいた悠と、目が合った。

 冷たい視線、明らかに怒りのこもった冷ややかな瞳。しまった、時既に遅し。



「あっ、ばっ、や、ごめ、あ――ッ!」

 馬鹿、やめろ、ごめんなさい…言葉にならない叫びが細切れになって喉へ殺到。言いたいことをなにひとつ伝えられないまま、このみは歯を食いしばって悠の背中にしがみつく。

 その背中に爪を立てるも、2人を包む汗ばんだ熱気にすぐに力が抜ける。熔けてひとつになってしまいそうな感覚の中、このみはぎゅううっと悠の体にしがみつく。

「…出しますよ」

 耳元で悠が喘ぐように言い、苦しそうな吐息と共にこのみの中で大きく跳ねる。

「や、もう、な…っ!」

 もう中はやめろ――そんなこのみの懇願は聞き入れられるわけも無く、本日何度目だろうか、奥深くに大量に容赦無く注ぎ込まれた。

 自分以外の男と大衆の面前でポッキーゲームをした罰。このみに突きつけられた罪状はそんなものだった。お仕置きの内容は、このみとポッキーゲームをした男子生徒の席で、着ていた服を全て剥ぎ取られ、悠が満足するまで弄ばれるというもの。「このみの匂いが染み付いた机で残念な気分に浸りながら勉強すればいい」とは悠の弁である。

「はぁ…はぁ…。悠、お前…っ」

「このみは俺のものです、そう言った筈でしょう?」

「だからって…お前は…どうする気だ、これ…」

 ぐったりと悠の胸にもたれかかりながら、恐る恐る自分の股を覗き見る。こわくなったので見るのやめる。

「…妬いてるんです」

「それはわかってるよ…悪かった」

 あぁもう、嬉しいやら怖いやら。ぺち、と悠の額を叩き、このみは悠を抱き締めた。




なにこの隔日更新…のすけ。です。
彼氏以外の男とポッキーゲームをしてお仕置きされる微えろ小説。なんかこんなのが書きたかったの…
歪んだ愛や可笑しな愛情表現が好きな僕なので、嫉妬も普通の嫉妬じゃ物足りないんだぜ。ただ妬くとか苛々するとか、その程度で終わっちゃうような嫉妬じゃつまらない!やっぱりお仕置きが必要ですよねー。
あとね、お仕置きが中出しっていうシチュエーションも好きなの…

そして今日、11月11日はポッキーの日ですよ。みんなポッキー買った?図書カード入ってた?僕は入ってませんでした。
特に今年はね、平成11年11月11日にポッキーの日を制定してから11周年なので、なんか無駄に張り切ってるみたいですね。ポッキー自体11%増量とかなんとか。
ちなみに極細ポッキーが好きです。

それにしても、なんぞこの妄想の塊小説…寝ます。

「痛…ッ」

 苦痛に顔を歪め、目を固く瞑る。こぶしを握り締め、歯を食いしばり、彼は必死に痛みに耐えていた。

 その痛みから逃げる術は、無い。その両手は手錠によってベッドの柱に縛り付けられており、ワイシャツの胸元をはだけさせられた身体の上にはもうひとつの人影がのしかかっている。

 鎖骨に自らの爪を突き立てながら、”男”は小さく笑って彼の耳元に唇を寄せた。

「…カイト、痛いのは嫌い?」

「……っ」

 今にも泣き出しそうな顔をしながら、カイトと呼ばれた彼は視線を背ける。嫌いだといってもどうせ”男”はやめてくれないだろうし、かといって好きですと言う訳にもいかない。無言の否定、というやつだ。

 カイトが返事をくれなかったので少しだけつまらなさそうな顔をし、”男”は更に深く爪を立てる。鎖骨の上の皮膚を突き破らんばかりの鋭い攻撃に、カイトは小さく悲鳴を上げた。

「ます、たぁ…っ」

 いやいや、と首を左右に振って、潤んだ瞳でやめてくれるよう懇願――その小動物のような姿に、”男”は更にそそられる。

 もっと虐めたい、もっと泣かせたい、もっと――こえが、ききたい。

 鎖骨から手を離し、”男”はカイトの頬に手を添えた。ようやく痛みから解放されたカイトが、安堵のため息を漏らして肩の力を抜いたのが解った。

 油断しているとき、力が抜けているときほど、無防備なものはない。

 カイトが反応するよりも早く、”男”はカイトの顎をつかんで更に上を向かせ、首にふんわり巻かれたマフラーを取り除ける。そして、間髪いれずにその白い首に噛み付いた。

「マ――ッ!?」

 びくっと全身が跳ね、縛られたカイトの手ががちゃがちゃ鳴る。びっくりして”男”の方を向こうとするカイトの頭を押さえつけ、”男”はもっと深くその歯を食い込ませた。あわよくば噛み千切ってしまうほどの勢いで。

「マスター、痛ッ…!痛い、やめてくださ…っ!」

 カイトがもがく、しかし”男”の前には非力。ぶち、と小さな音を立てて”男”の口内に広がる錆びた味。

 それを舌で丹念に舐めとりながら、”男”は更に歯を押し込み、吸い付く。その光景はさながら吸血鬼のよう。カイトが歯を食い縛ったまま、ぶるぶるっと震えた。

「あぁ、力んではいけないよカイト。首がうまく噛めないじゃないか」

「でもマスター…俺…っ」

 カイトの涙声が”男”の耳をくすぐる。本当にカイトはいい声をしている。ねぇ、もっと聴かせてよ――”男”は胸の内で呟きながら、また首に犬歯を突き立てた。




え、寒っ!?のすけ。です。
外の気温は相変わらず昼間でも5℃とか4℃とか、それでもプラスだからまだいいかなーというレベル。室温は17℃、体温はきっと30℃以下……それはないか。
それにしても寒いですね、11月上旬とは思えませぬ。


えー、2日ほど前に投稿した小説は首を絞めあうノーマルヤンデレカップリングでしたが、今回は首を噛まれる受けKAITO兄さんという。どんだけ首が好きなんだよ自分…
ガチなベーコンレタス小説でも書こうかなぁと思っているんですが、それはそれでほら、倫理的になんかね(いまさら
気が向いたらもっと兄さんを啼かせちゃいたいと思います。

そんな兄さん啼かせたい欲MAXな僕ですが、最近ボカロ熱が高まっておりまして。
基本的にあんまりボカロの曲は聴かないのですが、ここ何日かずっと聴いてます。年に何回かあるんですよ、唐突にボカロ聞きたくなる時期。
という訳で、最近のおすすめ曲はランキングにも載っている「鎖の少女」という奴。即マイリス→ipod余裕でした。
【初音ミク】鎖の少女【オリジナル】 http://www.nicovideo.jp/watch/sm8619805



兄さんも虐めたことですし、もう寝ますね。

「死とはどういうものなのだろうな」

 辞書というものは、なかなかいい暇つぶしになるものだ。それが紙の辞書であろうと、単4電池で駆動する電子辞書であろうとだ。適当に読みふけり、無駄な知識を少しずつ蓄えていく。

 誰もいない生徒会室、このみは分厚い紙の辞書をぺらぺら捲りながら、隣に座る悠にそう問うた。たまたま目に入ったのが、「死」というワードだったから。

「この辞書はどうかと思う。死の説明が『死ぬこと』なんだが、これってそのまんまだと思わないか?」

 このみの隣で窓の外を眺めていた悠が、ん?と首をかしげてこのみの手元を覗き込んだ。上下に軽く視線を這わせ、小さく笑う。

「『死――死ぬこと』、か。確かに不親切な辞書みたいですね」

「では『死ぬこと』とは何なんだと尋ねたくなる」

 そう言ってこのみは小さく笑った。ほんのわずかな時間、瞳を閉じてふふふっと笑った後。ゆっくりと瞳を開けると、すぐ近くに悠がいた。

「では――死んでみましょうか?」

 なにがあっても絶対守ってくれる、優しくて柔らかな悠の瞳。悠に見つめられると、何故か安心できる。気持ちが安らげる。そんな瞳に射抜かれながらそう問われ、このみの呼吸が一瞬止まった。

 いつ触れても常にほんわか温かな悠の手が、そっとこのみの細い首筋を掴む。白く、力を入れればぽきりと折れてしまいそうなその首に、悠の爪が少しだけ食い込んだ。

 その爪の先端が1ミリ食い込むごとに、このみの心拍数が上がっていく。どくん、どくん、どくんどくんどくんどくんっ…悠の爪は、正確に頚動脈に突き立てられている。自分の心音、血管がうねる感覚が、脳に直接届いた。

「……殺してくれと頼んだら、悠は殺してくれるか?」

「はい。『死ぬこと』の定義を、このみの辞書に自分で著すことができるように」

 半分冗談で言ったのに、真剣な眼差しで返答された。悠の真顔が一段と近づく。あと少しで唇が触れるか、というくらいの距離。首を絞める力が、一段と強まる。

「共に、生きよう、とか…君を死なせ、たり、しないとか…そういう、甘い言葉を、かける気は…無い…んだな」

 頚動脈と気管を同時にゆっくり押しつぶされながら、このみは困ったような笑いをこぼす。正直、笑っている場合ではなかった。この調子で行けば、本当に息ができなくなる。今でさえうまく喋れているかも危ういのだ。

 悠の唇が前触れも無くふんわりと触れ、次の瞬間にはこのみは悠の舌で口内を蹂躙されていた。更に息が詰まって息苦しさは倍増。

 だがそれ以前に、悠が口づけをする前に「ありませんよ」と言った気がして、このみの背筋は凍りついていた。

 頭に血が上って顔が真っ赤になっているのがわかる。それとは対照的に、背中はぞくぞくするし、手足の先は文字通り冷え切っている。思わずぶるっと震え、その弾みで指が更に首を締め上げた。

「――が、は」

 目に涙が滲む。あぁ、本当にこのままでは死んでしまう。そう思った瞬間、このみは反射的に、悠の首元に手をやっていた。

「――っ」

 両手でしっかりと悠の首を押さえ、力を込める。胸鎖乳突筋と喉の骨の間に親指をねじ込み、喉仏を全力で圧迫。距離が近すぎてうまく締められない。だがそれも構わずに、悠はほぼ無理矢理、歪んだ表情でこのみの唇を奪い続ける。

 沸騰しているんじゃないかと思うくらい熱い涙がこのみの目尻から流れ落ちた瞬間、悠はゆっくりと唇と手を放した。酸素、血液、その循環が徐々にもとの感覚を取り戻してゆき、このみは数瞬送れて咳き込んだ。

「げほっげほっ、がはっ…んぐ…」

 唾を飲み込み、目尻を拭う。いつ自分が悠の首から手を放したかは覚えていない。首を絞めていたのかも曖昧なくらいだ。

「…死ぬっていうのは…きっと、怖いことだと思いますよ」

 両の手をだらりと垂らしながら、悠がぽつりと擦れた声で呟いた。うつむき加減に視線を落とし、けほん、と小さくせきをする。

 それを見ながら、このみは自分の掌を見つめた。悠の首のぬくもりが、かすかに残っている。血の匂い、するはずもない。

「いや、怖いことだ、死というのは。こんな簡単に――」

 喋り終わらないうちに、悠がそっとこのみの頬に手を添えた。目が合う。あんなことをされた直後なのに、やはり何故か悠の瞳に見つめられると落ち着く。

「…私はお前の命を奪うことが出来る。私から少しでも離れてみろ、今度は死ぬまで締め続けてやる。死を運ぶことは、恐ろしいまでに容易なのだからな」

 頬に添えられた手を強く握り締め、悠の瞳を睨みつけながら、このみは低く唸るように言った。この手すら、離したくはない。離れたくはない。

「逆もまた然り、ですよ。俺はいつでもこのみの首を絞めることが可能です。だから、俺以外の男になびいたりしたら、即絞殺ですからね」

 牽制しあうような、警告文を突きつけるかのような言葉の応酬。だが、本心はそうじゃなくて――



 
歪んだ愛情表現が大好物!のすけ。です。
こういう小説、前から書きたかったんですけど上手くまとめられなくてねぇ…

はい、この小説の簡単な補足タイム入りまーす。
首を絞めあうことには、「絶対この指を離さない、貴女の身体も心も命も自分のものにしたい」という独占欲。そして、「自分の前から絶対にいなくならないで」という依存という意味がある…と思ってるんですけどどうでしょうか。
相手の首を絞め、逆に相手にも締められる。相互に依存し、首輪をつけて離さない様にしている。そんなイメージ。
自分はこういう恋愛関係にはなりたくないのですが、書くのは好きなんですよねー。
でもやっぱりうまく書けない!もう!今回も失敗作なカンジです。正に糞駄文…


そんなこんなで若干病んでる若干長い小説でした。寝ます。

「ねぇ、零人くん」

 てのひらサイズのアヒルが泳ぐ浴槽。秘湯めぐりとかいう名前の安っぽい入浴剤を流し込まれ、ほどよく白く濁った湯船に、男女が1組。

「ん、なんだ?」

「何故君の家のユニットバスは、一軒家である私の家の風呂よりも広いのかといつも疑問に思うんだ」

 ユニットバスは、浴槽や床などがあらかじめ工場で造成されていて、建物を建てるときにそれらを運び入れて現場でささっと組み立てるタイプの浴室のことを指す。この技術により、大幅に施工が短縮されたといわれている。

「何故って…おおきい風呂のほうがいいから、部屋を探すときに妥協しなかった…からかな」

 住宅向けのユニットバスは、そのサイズが規格化されている。浴室の縦と横の長さ(短辺と長辺という)が1200mm×1600mmなら「1216」、1700mm×2100mmなら「1721」といった具合に、数字で表記されているのだ。

 身体の大きい人が狭い風呂に入るのは大変なものだ。足を折り曲げ、場合によっては背を丸めて湯船につからなければならない。せっかく心と身体を休めるなら、足を伸ばしてゆっくりしたいものだ。

 別に高級でもないマンションの割にはだいぶ広い浴槽に、零人はゆったり足を伸ばして浸かっていた。彼の膝の上、というか身体の上に、双希が同じようにゆったり乗っている。

「まぁ、零人くんは背丈がおおきいからね。私の家の風呂だと、君は満足に足も伸ばせないだろうと思うよ」

「いや…まぁ、足は伸ばせなくてもそんなに問題はないけどな」

 そう微笑んで、零人は双希の頭を優しく撫でた。

「む、狭いのは苦じゃないかい?」

「お前と一緒に風呂に入れないのが苦だ」

 ぎゅう、と零人は後ろから抱きしめ、双希の長い髪に顔をうずめる。はう、と双希は顔を赤らめ、くすぐったそうに笑った。

「ふふ…嬉しいことを言ってくれる」

 双希は赤い顔をしながらくるりと振り向き、零人の方を向いた。

「なら、のぼせるまで付き合ってもらおうか」



明日から学校だぜふぉっふぉーう☆のすけ。です。
インフルエンザによる臨時の学校閉鎖も今日でおしまい、普通に学校が始まってしまう…面倒ですね。
小説も割と適当なカンジで終わってしまった…ちゃんと書きたかったけど時間無いね。
ここ最近、ずっとスカイプばっかりしててブログ書いている暇が無くてな…。

という訳で、今日はもう寝ますね。

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