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イタリア徒然
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フオリサローネFUORISALONE 2019 その7

王宮を出ると、ドゥオモ広場となるわけですが、数年前から、なぜか、ヤシなど、南の植物の植わっているスペースがあります。そのあたりに、とっても変なオブジェ。

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Maesta' sofferente by Gaetano Pesce

ガエターノ・ペッシェというのは、私でもうっすらと名前を知っているくらい有名な、イタリアのインダストリアル・デザイナーさん。かつて彼がデザインした椅子が、今年50周年ということで、その記念のインスタレーションというような説明が置かれていました。その椅子をデザインした同じコンセプトで作られたものだそうです。

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男性や時代に虐げられている女性の身体をかたどったシェープを採用した椅子だったようで、このオブジェのシェープも、見まごうことなく女性の身体です。そして、身体中に矢が刺さり、どう猛な動物の頭部に囲まれています。
50年たっても、状況はあまり変わっていないが、ただ、少なくとも、黙っているだけではなくて、声があげられる世の中にはなってきたとかそういう。

好き嫌いで言えば、嫌いな範疇でしたけれど、インダストリアルデザインにも、そういう思想が込められたりするのは、面白いと思いました。

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そして、こういう作品を、ミラノの顔であるドゥオモ広場にどかん!と置いてしまうミラノは、やはりインダストリアル優先なんだ、と感心しました。

ヴィットリオ・エマヌエレIIのアーケードを抜けますが、この時期は、各ショップのウィンドウも、フオリサローネ仕様で、デザイン的になっています。

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一見普通ですが、これ、巨人用のシャツです。普通の人が5人くらいは入りそうな大きさなんです。それを、実際に作っちゃってるのがすごいですね。近くから観察しなかったのを、残念に思いますが、ちゃんと布で作られたものと見えました。
ヴィトンも、凝ったウィンドウが複数並んでいました。

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アーケードのガラスドームの屋根が写り込んでしまいましたが、かえって不思議な雰囲気の面白い写真になりましたね。

スカラ座広場も、サローネ一色。

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もともと世界のトップレベルのイベントであったと認識していますが、わたしが見るようになってからの10年ほどで、さらに大きなイベントに成長したと感じます。

さて、この地域で、これは見ておきたいと思った場所へ移動します。

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ポルディ・ペッツォーリ美術館Museo Poldi Pezzoliが、その会場となります。

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The Nature of Time by Grand Seiko (Seiko Watch Corporation)
Design by Hikaru Mori, Created by Shingo Abe

去年は、トリエンナーレ美術館で、印象的な展示をしていたGrand Seikoですが、今年は、この美術館での展示。
一見すると、昨年ほどのインパクトはなくて、脱力しましたが、お話を聞いたら、なかなか面白いことをやっていることがわかりました。

まず、この最初のスペースで、スクリーンを使いながら、光と音の短いショーがあります。すべてがぼんやりとした様子で、それでちょっとインパクトがね。

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肝は、正面のスクリーンよりも、おそらく、手前の床部分の仕掛けなんです。

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光が落ちた後、いろんな形でぼーっと光るんです。円筒形の上に、時計の小さな部品がオブジェのように置かれていて、美しいのですが、それが、ぼーっとした光に浮かび上がるような仕掛け。

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お隣の部屋に入ると、机の上に、小さなガラス球が置かれていて、暗闇の中で光っています。これを手に取ると、電源が切れて、光がスーッと消えるのですが、ぼんやりとしたうっすらとした光が、結構いつまでも残るんです。
ガラス球の中には、蓄光性の砂が入っていて、蓄光性なので、つまり電源が入ると、光をためるんです。
その残光のようなものが、しばらく残るということで、砂は、セイコーではなく、あるIT企業の発明だそうですが、それをこういう風に使うというのは面白いですね。
で、メインの展示の床部分には、それを液体状にしたものが敷き詰められていて、さらに残光のあり方がいろいろで、波紋も色々できて、面白いものになるということです。

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テーマとしては、人それぞれ、感じ方の異なる時間という抽象を、何とか視覚化できないか、ということ。うん、地味だけど、これは結構面白いテーマだよね。

ありがちでしたが、せっかくスタッフさんが結構いるのに、積極的に話しかけてないんですよね。日本人の、おそらく社員さんもデザイン関係者も結構いらしたと思うのに、お互い同士で話したりしていて、見学者に寄っていかないのは、残念だと思いました。こういう技術的なことは、お話を聞いて初めて、なるほど!と思うことが多いですし、この展示は、見た目が意外と地味だったので、地味だなぁ、と終わっちゃうんですよね。
わたしは幸いお話を聞いて面白いと思ったので、メインの展示も2回ほど見ちゃいました。

もう一つ、大抵いつも何かしらの展示をやっている美術館へ。

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ファッション・ディストリクトの真っただ中にあるバガッティ・ヴァルセッキ美術館Museo Bagatti Valsecchiです。

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Golden Ladies, Metallic Portraits

細いメタルの糸で、タペストリーのように作られた肖像画が、並べられていました。光に反射したりして、コンセプトは面白いんですが、絵が、結構古典的な肖像を使っているのが、残念だったかな。いっそ、ウォーホルのマリリンとかの方が、インパクトがあったのでは。

なんかよくわかりませんでしたが、このメタルでできていて、文鎮のように重みのありそうな金色のキノコも、おそらく作品。

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ちょっと驚いたのは、この、なんの変哲もないミニマリズム的な家具。

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Tadaoブランド。もちろん、あの忠雄にささげられたラインなんですって。すごいですねぇ、あのおっさん。とうとう自分にささげられる家具まで作らせちゃったよ、と感心するというかあきれるというか。っていうか、なんだかつまらない家具で、本人満足するのかなぁ、とか思ったり、笑。

この美術館は、展示の際は、内部を自由に見学できるので、ついつい見てしまいます。数百年前の建物に内装、そして歴史のある家具類は、下手な現代家具よりも、好きなものがたくさんあったりしますしね。

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美しい床のタイル。中世起源の意匠も使ったりしながら、モダンな幾何学モチーフを合わせるなんざ、なかなかですよねぇ。

年代物のピアノに、このごてごてした壁面装飾。

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これでもか、という時代だったんでしょうねぇ。
最後に、これは以前はなかった、という部屋がありました。

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サイン帳が置かれています。
何でも、ファウストとジュゼッペというバガッティ・ヴァルセッキ家の当主が、1880年ごろから、この歴史的建造物である住居の公開を始めたそうなんです。そして当時の習慣として、見学者は見学後に、サインをしたそうなんですよ。
この建物は、1994年に美術館になったそうですが、その後も、この習慣が続いたそうです。
ということで、当世のサイン長も置かれていたので、しっかりと日本語でサインしてきました!

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