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イタリア徒然
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書庫ピエモンテ・ロマネスク

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久しぶりにピエモンテです。プーリアをコンプリートしなければいけないのですが、つい浮気しました。
ピエモンテといっても、ロンバルディアと境を接する南東部で、中世から都市国家時代は、領土的闘争の舞台でした。文化的にも、いろいろと混ざっています。
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といっても、ロマネスクを見る上では、とてもマイナーな場所ばかりで、日本語では、ほとんど情報もない場所だと思います。それでも、改めて写真を見ていると、なんだか楽しい。
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誰も知らないかもしれない、というのは、きっと自分だけが知っているかも、ということだから、楽しいんですね。そんなわけもないのに。でも、そういう誰も知らない、というレベルなのに、大切にされているものというのは、とてもよいものです。
よろしかったら、ピエモンテ南東部のマイナー・ロマネスク、おなじみのサイトで見てやってください。
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前回訪ねたクローネ谷を、またトルトーナの方に戻って、ちょっと西よりの道を南下、リヴァルタの町に向かう幹線道路を、左に入る長い並木道があります。
その突き当たりにあるのが、かつてサンタ・マリア修道院だった建物群の名残。
Abbazia di Santa Maria - Rivalta Scrivia

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ここは、起源は古いようですが、今残っているたたずまいは、フランス・ゴシックの影響をたっぷり受けたシトー派建築です。実は、少しはロマネスク時代の名残があるかな、と思って訪ねたのですが、ほぼ完全に、何もなかったです。

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教会は、ここも残念ながらクローズ。でもこの状態では、中も何もないと思われます。
ただ、ここの全体のたたずまいが面白かったのです。
というのも、修道院の全体構造というのを、とてもよく残していると思われたからです。
建物群の周囲は、一部崩れているとはいえ、今でもぐるりと壁で取り囲まれており、入り口は並木道からたどり着く一箇所。

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入ると広いスペースがあり、正面に、トップに置いた教会のファサード、右手に修道院の住居部分、左には、農場、入り口近くには、一般住居が並んでいます。修道院が活動をしていた当時と、ほぼ同じ造りと思われます。
一般住居には、今でも人が住んでいるようでしたし、農場も活動中でした。

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農場は、教会裏手に広がる畑を持っているようで、また敷地内にはガチョウだかアヒルだかが自由に徘徊していました。フランス・ゴシックだし、もしかしてフォアグラ?ってことはないか。
起源が修道院の付属教会、という教会は、数多く訪ねていますけれど、今では教会の建物しかのこっていないというケースがほとんど。だから、こうやって、全体構造を、今もなお生きている状態で見ることって、イメージを抱くには、結構楽しいことです。
以前友人にもらってファンになった、中世の修道院を中心にしたミステリー小説「修道士カドフェル・シリーズ」というのがあるのですが、こういう場所を見ると、小説世界を実感できるものがあります。

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町から離れた緑の中で、今でもこういう美しい独立したたたずまいです。わざわざ足を延ばしたのですけれど、行ってよかったです。

ピエモンテ東部、以前訪ねたいくつかと合わせて、サイトにアップする予定にしていますので、お楽しみに。

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あるところには、いろいろあるもんですよね〜。こんなところ、今までまったく知らなかったんですよ。このあたり、行ってみようと思ってちょっと調べると、次々と出てくるんですから、びっくりです。
Fabbrica Curone、Pieve di Santa Maria

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ゆったり幅広のクローネ谷をかなり先まで進んで、そろそろ道も狭く山道になるかな、というあたりにあるのが、このファッブリカ・クローネの村。道沿いにあるのが、この教会です。びっくりするくらいに、本当に道沿いで、迷いようがありません。
全体のたたずまいは、地味ながら美しくて、あ、来てよかったな、と思える様子です。
とはいえ、ここも、バロック期にはやられちゃってたらしいです。
教会の中に展示してあった写真。

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あ、これはたまらん。遥々訪ねてきて、この姿だったら、完全に脱力します。近代の修復で、中世の姿が取り戻されたのでしょうけれど、本当に心から感謝します。

今回の田舎めぐりでは、想定内ではありましたけれども、どこもクローズで、やはり中に入れないというのはさびしいものだったんですが、ここは、お昼の時間だったにもかかわらず、当たり前のようにあいておりました。中は、残念ながら、かなりバロック期の装飾が幅を利かせていたんですけれども、それでも、構造から、オリジナルの姿をそれなりに想像できるわけで、やはり見られるものなら見たいものです。

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こんな感じなので、ロマネスク的にはちょっと、ですけれども、意外と側廊の方とかはバロック装飾がはがされていて、むき出しの石が見えるようになっている場所も多いのです。で、翼廊の上の方に。

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ああ〜!中世そのままの二連窓!
かわいらしいです!
なんだかとっても嬉しくなりました。
実はこの教会、ここまで無理して中世の名残を探さなくても、正面扉タンパンに、美しく修復された中世の浅浮き彫りがあるんですよ。

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ちょっと粘っこい感じで、個人的には、かわいい〜!とめろめろになるような浮き彫りではないのですが、かなり古いものであるのは確かなようです。なんだろう、表現方法が、ちょっと好みではないというのか。
ただ実際、相当磨耗が激しく、良くぞここまで修復したよね、という代物でもあるので、それはそれで素晴らしいものです。

いやはや、クローネ谷、景色も美しいし、そこここにお宝もあり、また春、桃の季節に訪ねようと今から考えてしまいます。

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ピエモンテ、田舎ドライブ、ヴィグッツォロの後は初めての道を進み、ヴォルペードへ向かいます。トルトーネから幹線道路を来て、クローネ谷へと分け入る、ちょっとした田舎の細道に入ります。
沿道は桃の花盛りで、うっとりする景色が続くのですが、大変狭い道なので、途中で停止できないのが辛いところでした。
そして、ヴォルペードの村に入ります。
村のとっつきにあるのが、ロマネスク教会、サン・ピエトロでした。
Volpedo - Pieve di San Pietro

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起源は10世紀とか11世紀とか古いのですが、今ある建物のほとんどの部分は、残念ながら15世紀の再建です。
再建ですが、ゼロからなされたわけではないので、それなりにオリジナルのテイストは残されています。たとえば、こういう軒送りの盲アーチとか。

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後陣の、こういうロンバルディア風のアーチと付け柱とか。でも確かに、これは再建だな、って言うのが分かりますよね。さびしい。

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「イタリアで最も美しい村」という、観光局とかが作ったカテゴリーがあるんですが、それは、中世の景観をきちんと残しているとかそういうことが基準になって登録されるんですけれど、このヴォルペード、実はそのカテゴリーに登録されている村のひとつでした。
そういうわけで、村はずれの教会外観を見学した後、一応、村の方にも行ってみました。

もうひとつ、この何の変哲もない村が有名なのは、前世紀に有名だった画家の出身地だったこともあります。ペッリッツァという画家で、好悪はともかくとして、彼の出世作は、ミラノにありますし(確認してないですが、確かミラノの近代美術館にあるはずで、オリジナルを見た記憶あり)、何かにつけて出てくるので、作品そのものは私でも知っているものです。これ。

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村の中心広場に、この絵の複製が飾られていたし、村全体が野外美術館となっていて、あちこちに様々な美術作品が展示されているのでした。そういうのは、有名人が出ているからですね。なるほどね、有名人、文化的にはそれなりに役に立つって言うか。でも残念ながら、飾られている作品は、どれもこれも、うーん、というような。ごめんなさい。

村も、さすがに「美しい村」に登録されているだけあって、こぎれいではあるのですが、特に味があるわけでもなくて、少々がっかりでした。

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それなりに金持ちの村なのでしょう。教会にしても住居にしても、かなりこぎれいにきれいにされていて、中世の朽ちた感じはなし。町並みそのものは、おそらく中世当時と思いますが、全体のたたずまいはかなり新しくて。

それでも一応ぐるぐると歩いてみましたが、辻ごとに、反対周りでぐるぐるしているらしい、乳母車で散歩している若いお父さんと会ってしまうので、なんだかうっとうしくてさっさと切り上げましたとさ。
そういう村です、ヴォルペード。

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ヴィグッツォロ

ピエモンテ、田舎ドライブで、まず訪ねたのは、トルトーナ。結構な町で、目指す教会にたどりつくより何より駐車場が見つからず、あえなく敗退…。
目指した教会は、おそらくファサードに、ほんの少しロマネスクの名残が残っている程度で、特に期待もしていなかったので、帰り道に寄れれば寄ろう、とすぐ気持ちを切り替えて、次に向かいました。一応、鉄道駅のすぐ近くに、公共の駐車場がありましたので、旧市街は住人以外の車は進入禁止らしいことを考えると、次回行くとしたら、ここを目指すとよさそうです。

で、向かったのはクローネ谷ですが、まずは通り道ということで、ヴィグッツォロViguzzoloのサンタ・マリア・アッスンタ教会Pieve di Santa Maria Assunta。

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ここは数年前、他の教会やら友人宅を訪ねる途中に立ち寄った場所で、すごく懐かしい。ほんの3年くらい前の話ですが、当時は、カーナビもなかったので、たどり着くまで相当苦労した記憶があります。今回は、実はこの先にある教会を目指していたのですが、通り道に出会いましたので、立ち寄った次第。
それにしても、かわいいですよね。珠玉の、という形容詞がありますが、まさにそういうたたずまいです。

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ここ、以前訪ねたときは、ちょうど教会の中で展覧会をやっていたので、中に入ることができたんです。素敵なクリプタがあるんですよ。今回は、当然のごとく、クローズ。でもそのときの思い出があるので、全然問題ないです。

そのとき、展覧会の管理をやっているおじさんが、実は教会守の人だったようで、その素晴らしいクリプタをみせてくれたのでした。そして、そのときおじさんがうっとりと「後陣の上の方に十字架型の開口部があるだろう?朝日を受けて、あそこから光が入ると、本当に教会の中が荘厳で美しく照らし出されるんだよ。私は何度それに感動したことか。」というようなことを言っていたことが、忘れられないです。
そういうことを言いたくなるような、教会のたたずまいだったからかもしれません。

これまでよりも、変に要求の多い私。隅々までチェックをして、あ、こういうのは、以前はチェックしてなかったかもな、という小さな中世の名残を発見。

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この、正面扉の両脇にある灰色の石。かなり摩滅激しいのですが、当時のものらしい浮き彫りがあるのでした。そしてまた、ファサード上部にも、ちょっとそういう当時の名残系の石がありました。ちょいと、化石探し状態ですね、これって。

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渦巻き模様。なんだかね。こういうのに過剰に反応しちゃうんですよね〜。

しかし、二度目の今回、最も感動したのは、教会の近くにあった大木かも。

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この教会、今では町外れという場所に建っていて、町外れとはいえ、幹線道路の脇なので、一人さびしくたたずむ、というようなロケーションではないのですが、おそらく、かつては、何もない草原に一人建っていたものと思います。
大木は、教会の両脇に二本。どちらも、直径で言えば3メートル以上はありそう。とにかくすごく長く生きていそうなたたずまいのお二人だったのですよ。
教会がほぼ千年として、あなたたちはいつからここにいらっしゃるのでしょう、と尋ねました。心の中で。だって、千年杉、とか考えると、もしかすると、教会と同じような年齢なのかもしれないですよね。だとすると、この土地の歴史を、全部見てきたんですよねぇ。石の建築よりも、生きている樹木により歴史を感じます。だって、生き証人ですもんね。

いやはや、ここは本当に素敵な場所です。

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