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久しぶりのヴェローナ・バッサその4、最終回 ヴェローナ方向へ戻りながらの途中、以前立ち寄って、かわいらしかった記憶のある礼拝堂のような、小さな教会に立ち寄りました。 イソラ・デッラ・スカらIsola della Scalaという小さな村にある、バスティア教会Chiesa della Bastiaです。 あれ?ここでもまた、ちょっとした違和感を感じました。 絶対、あったよ、木が!撮影しようとしても、どうしても全体像、撮れなかったんだよ! というわけで、ここも、昔の写真を確認。 やっぱり〜!わさわさじゃないですか!側面も正面も!そうだったよ〜! それにしても、よく伐採したよねぇ、立派な木を何本も。おそらく同時期に、同じ発想で整備したんでしょう。見えるのはいいんだけど、樹木に囲まれている方が、神社的な聖域感があったようにも思います。 ここは、前回もクローズ、今回もクローズだったけど、たたずまいだけで、なんかうれしい教会なんで、別にいいかなって感じ。緑が実に美しくて、のんびりした気分になります。 一帯に、サイクリングで回るコースが整備されたようで、その地図が貼ってあったり、実際、見学中にも、自転車でやってきたカップルがいたり、どこまでものどかな日曜日でした。 どんどん北上して、ホテルに戻る前に、ヴァルポリチェッラへ。 相変わらず美しいブドウ畑の広がる風景。特にこの教会のある村は、遠くガルダ湖まで見晴らせる高台にあるので、絶景が楽しめます。 サン・ジョルジョ・イン・ヴァルポリチェッラSan Giorgio in Valpolicella。 ここは、比較的最近、2年ほど前に来たばかりなので、さすがに記憶も鮮明です。 教会前にたどり着くと、やたら人が多くて、はっとしました。結婚式! すでに参列者が集まりつつあるところで、教会の中に、座っている人多数。幸い、当事者はまだいないようでしたので、素早く入り込みます。 そういえば、2年前に来た時も、結婚式で、その時は式の最中だったため、相当の時間を待たなければなりませんでした。それを思えば、ラッキーだったと思います。 それに、お葬式と違って、みなさん幸せいっぱいムードなので、無粋な観光客が入り込んで、写真撮りまくりでも、まったく気にしていませんしね。 それにしても、やはり美しい教会です。 結婚式が多いのも、うなずけますね。 同行のお師匠さんたちは、あちこち撮影に余念がありませんでしたが、私は、なんとなく参列者たちを眺めて過ごしました。 市役所結婚や事実婚が増えたとはいえ、いまだにいろいろ縛られるとはいえ、教会結婚にあこがれる人が多いのも、ちょっとわかる気がしますね〜。 さて、こちらの教会は、見どころが、本堂のみならず、外にもあります。外から直接もアクセスできますが、教会内陣からも、アクセス可能。 実に小さな回廊ですが、雰囲気は大変良いです。 こういう美しい場所は、二度目でも、やはり楽しめます。 素朴な柱頭の彫り物も、好み。 相当修復されているのですが、やり方がスマートで、程よい具合です。 併設の博物館も開いていて、そこで、お気に入りの古い彫り物にも再開。 しょぼい博物館ではあるのですが、地域をまとめた本が充実していて、そういえば、2年前に、一冊購入していました。それっきり、ちゃんと読んでないなぁ、と思いながら、眺めると、なんと、また新しい本がありました。尋ねると、最近出版されたということでした。地域に、研究されている人がいて、きちんとそれを形にしているんですね。すばらしいことです。前買った本も読めていないので、さすがに購入は遠慮しましたが、ちょっとお尻をたたかれた気分になりました。 すっかり満足して、この後、ワイン農家さんでさらに満足して、庶民レストランで夕食して、という楽しい夕べを持って、師匠夫婦との遠足が終了しました。 たまには、同行の士と歩くというのも、楽しいものだとつくづく思いました。程よく同じレベルの同好の士と出会うのって、難しいんですよねぇ。 イタリア人って、やるかやらないか、っていうのか、オタク系の人か、まったくの素人か、みたいなところがあって、ほどほどのミーハー的なレベルの人って、出会いが難しいところがあるんです。 オタクの人のオタク度は結構激しいから、私もたまに講演会に行く、その主催の中世の会の人たちとは、ちょっと無理、みたいな感じで…。特に、歴史オタクが多いので、ロマネスク美術だけやっている人は、中世の会でも、いない感じだし、難しいものです。 ミラノへの帰り道に、以前クローズだった場所に立ち寄ってみることにしました。日曜日だけは開いているという情報を得ていたため。 ソンマカンパーニャSommacampagnaの墓地教会であるサンタンドレア教会Pieve di Sant'Andrea。 11世紀の教会で、当時のフレスコ画があるということなので、一度は入ってみたいと思っていたんです。 ところが、日曜日開くのは、午後だけでした!情報のチェック、甘かった! 仕方ないので、今回も、外観をゆっくり見学。 そして、前回に続いて、また鍵穴撮影に挑戦…。 これまた、前回とほとんど同じ。ちょっとは違うところが撮れないか? また来い、ということですね。あまり残ってはいないようですが。 ということで、ヴェローナの週末、楽しく終わりました。 次回からは、直近のスペインとなりますので、お楽しみに。 |
ヴェネト・ロマネスク
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久しぶりのヴェローナ・バッサその3 次に訪ねたのは、サン・ピエトロ・ディ・レニャーゴSan Pietro di Legnagoにあるサン・サルヴァロ教会Chiesa di San Salvaroです。 ここも、以前訪ねたことがありますが、すっかり道の様子を忘れていて、目の前にたどり着いて初めて、「あれか〜!」と思い出しました。 前のときも完全にクローズだったのですが、お隣にある関係者のお宅のベルを鳴らしたところ、なんと神父さんが出てきてくれたのですが、「いや、今日は教会守がいないから、開けられないんだよ」、と消え入るような声で告げられて、なんだか拍子抜けというか、こんなことならお留守の方がましだったと、二重に裏切られたような気がしたものでした。 教会のたたずまいよりも、そういったどうでもいいようなことの方が、記憶に残ったりするもんで、我ながらあきれます。 今回もクローズだったもので、やはり念のためベルを鳴らしてみたのですが、今回は、うんでもすんでもありませんでした。一部窓が開いていたりしたし、若干、いる様子もあったんですけれどね〜、まさか、東洋人が見えたから、わざと無視だったのでしょうか。いやいや、そんなことはないでしょうよ。 仕方ありませんので、以前同様、周囲を見学。 ここの残念なことは、ファサード部分以外は、塀で囲われていて、教会本体に近寄ることもできないのですよね。美しい建物だというのに。 上の写真は、一部鉄柵になっている場所の、柵の間から撮影しています。 後ろの方に回り込んで、あれ?と気づいたことが。 後陣近くの外壁に、白いプレート状のもの、見えるでしょうか。 拡大します。 カノッサのマチルダの碑文。 以前調べた時に、「北東角に、マチルダの碑文あり」とメモしてあったのですが、当時の写真に、これは見当たらなかったし、実際、訪問時に見た記憶がないんですよね。 なんでだろう?と、不思議な気持ちになりながら、さらに後ろに回り込みます。 ああ、美しい後陣です。 塀や生け垣がなければ、完璧なのにね。この場所が、空き地になっているのも、ありがたいことです。 しかし、ここでも、何か違和感がありました。 帰宅してから、以前の写真をひっくり返して、違和感の理由がわかりました。 2011年春、今から5年前は、こんな状態だったんです。 横からの写真でも、緑がわっさわさで、マチルダの碑文なんて、端っこすら見えない状態でした。裏側の空き地はおんなじだけど、どんなに頑張っても、全体は見えなかったんですね。だから、教会姿、記憶にとどめようがなかったんです(ちょっと言い訳)。 それにしても、結構立派な木を、よく思い切って、伐採したものです。 サクサクと進みまして、次は、今回初めてだった場所です。当時も行こうと思っていたけれど、いけなかった場所だったので、嬉しかったな。 ガッツォGazzoのサンタ・マリア・マッジョーレ教会Chiesa di Santa Maria Maggiore。 後陣からのアクセスとなりますが、これまた美しいたたずまいの教会です。二つ後陣のうち、オリジナルは真ん中の大きい後陣だけとのことですが、修復の様子も感じがいいですね。 白石と混じるほかの教会と比べると、ここは、レンガ割合がとても高いです。 真後ろからは、こういう感じになっています。 本来もう一つ小さな後陣があるべき場所に、鐘楼。これは、ちょっと新しそうですね。 教会そのものの起源は古いようで、内部に、その痕跡があります。 何かというと、これです。 床モザイク。今の床面より、1メートル弱下がった位置に、現在の教会が建つ以前にあったであろう教会の床が残っているんです。中世初期、初期キリスト教後期とかそういう時代でしょうか。グラードの教会を思い出しました。このモザイクのモチーフのせいかも、だけど。 床がこれだけ立派にあるということは、この床面を持っていた当時の教会は、後陣や壁が、美しいモザイクで覆われていた可能性もあるわけです。ロケーションも素敵なので、想像するだにうっとりトリップしてしまいそうです。 さて、現在の教会は、かなり後代の手が入ってしまっていますが、全体のたたずまいは、内部も美しいものです。 柱頭もシンプル、すべてシンプルですが、それがよい雰囲気をもたらしています。とはいえ、実は、ところどころにフレスコ画が残っていますので、本当は、シンプル装飾だったとも言えないはずなんです。 絵柄から言って、かなり後のものだと思うのですが、すごくかわいらしい絵だと思います。 このフレスコ画は、向かって左側の後陣部分となりますが、ここって、外からは鐘楼になっている場所です。やはり後陣構造だったのを、鐘楼にしているんですね。 実はこのとき、教会が開いていたのは、結婚式準備のためでした。内部見学を終えたころ、ちょうど花屋さんがやってきて、花を大量に持ち込んでいましたので、外観も見終えてから、もう一度中をのぞいてみました。 教会にもふさわしい、シンプルだけど清楚で美しい花飾り。 花屋さんの手際の良さに感心していると、正時だったんでしょうか。先ほどのフレスコ画のある場所で、何やら複雑な動きをしているおやじが。 なんと、ここの鐘はマニュアル操作で、この何本ものロープを複雑に引っ張って、おじさん、妙なる響きを醸し出していました。 電動でスイッチ一つで鳴らしている教会がほとんどになっている中、こんな教会の鐘って、すっごく珍しいと思いますし、おじさんの腕も貴重です。 ちょいと前後してしまいましたが、ファサード。 全体がレンガで、緑に映えます。 角が、石になっているのは、やはり強度の問題なんでしょうかね。それにしての、その石のランダムな入り方が、芸術的!これはおそらく、修復のたまものだと思うんですが、他でも見たように、違う種類の素材の交わり方が、全体にランダムでアシンメトリーであることは、ここでもそうだったんだろうと思います。 レンガも、よく見ると面白い積み方や、形。 角角が出ているスタイルはよくありますが、まるまる連続は、珍しい!っていうか、角のないレンガってこと? 同じ側壁で、大好物発見しました。 床モザイクと同時代の装飾物ですね、きっと。いくつか掲げられていました。かわいい! 教会の北側は、芝生のサッカー場になっているので、広々とした気持ちの良い空間です。 |
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久しぶりのヴェローナ・バッサその2 訪ねるルートも、5年前と、ほぼ同じだったかもしれません。次は、ベルフィオーレですが、しかし、ここにはびっくり。記憶が完全に欠落していたんです! こんなに美しくて印象的な教会だというのに。 ベルフィオーレのサン・ミケーレ教会San Michele di Belfiore。 この後陣側にある駐車にちょうど良いスペースとか、全体のロケーションにかかわる部分が、きっと当時と変わっているに違いない、とすがるように、5年前の写真を見たのですが、違いは見当たらず…。本当に、ただ忘れ去っただけのようです。 もしかすると、すごく簡単にするするとアクセスできちゃったとか、そういうことですかねぇ。 ま、何はともあれ、美しいたたずまいの教会であるうえに、全体が、とても清潔にケアされているんです。 ここもまた、塔の縮尺が、本堂と比べると、おかしいくらいに大きいですが、その塔の右側が、入り口となっています。こういう風に鉄柵で囲われていると、開いてない場合、悲惨なことになるっていう典型的なたたずまい。開いててよかった! 北側壁に、入り口があったので、すぐ入場します。 すっきりと地味な本堂。やはり清潔感がびんびんです。お、柱頭が、ヴィッラノーバのクリプタと同じモチーフです。 ヴィッラノーヴァの方でも、オリジナルと再建が混じっていたように思いますが、こちらも同様です。これは、再建でも比較的簡単そう。 それにしても、この、ラングドシャっていうか、リングア・ディ・ガットというか、サヴォイアルディっていうか、その種のビスケットの縦置き並べ。 これは、他で見た記憶がないんですが、何を基にしたモチーフなんですかねぇ。イタリアだし、やはりサヴォイアルディ…のわけないか。 ちなみに、柱に刻まれた碑文、これは、覚えていました。 なんでこんなに忘れちゃったかというと、やはり、他の場所と違って、ヴェローナおよびその周辺部は、いまだにきちんとサイトにまとめていない、つまり、後付けで勉強していないせいもあるかと思います。もう半分すぎちゃったけど、今年の目標にします。 この碑文は、石工さんが、自分の仕事が相当誇らしかったのか、名前入りで刻んでしまったものらしい、12世紀のもの。もとは、彫ってはみたけれど、ちゃんと、漆喰で塗りこめたりしたのかもしれませんね。というのも、ここの柱には、フレスコ画が施されているので、本人が塗りこめなくても、塗りこめられちゃった可能性大。 いや、まさか、内陣に最も近い柱に、こんなもん、残せるわけないですよね。 フレスコ画は、ちょっと時代が下りますが、一部きれいに修復されていて、かわいいです。 こういった修復のお金も集めて、キチンと再建や修復をするだけあって、この教会って、地域で愛されているんだと思うんです。 実は、我々が見学している最中に、一人、ふらりと入ってきて、しばらく隅の方の椅子に腰かけて、頭を垂れている男性がおりました。比較的若い方でした。それで、思い出したのは、5年前に訪ねた際にも、見学中に、一人、二人と、信者さんがふらりとやってきては、頭を垂れて祈っていく姿を見ていたのです。 教会って、夏は涼しいから、もしかして、ジョギング最中に一休み、程度のことだったかもしれないんですが、実際に、そういうスタイルでしたし。でもそれでも、一休みに教会に立ち寄るっていうことが、生きている教会ということですよね。 そういう立ち位置の教会って、いいなって思います。 いきなり教会の本質と関係ないところに話が言ってしまうんですが、一つ、前回は確実に気づかなかった、またはなかったものがありました。ファサード脇、一段下がった場所です。 まさか開いてないよね?と扉を押すと、きちんと開いているうえに、トイレも、手前にある洗面所も、汚れ一つないピカピカの清潔ぶりで、手拭き用のペーパータオルまで完備! 愛される教会ならではの設備ですよ。 これには、本当にびっくりしました。こんな教会、めったにないです。 さて、本題に戻りまして、ファサード。 例によって、城石とレンガの縞々。 ここでもやはり、微妙にシンメトリーを崩している部分があるんですよねぇ。 以前は、修復しすぎ感が強くて、どうもな、と思ったんですが、全体にこういうのがこのあたりのスタイルだと思うと、これはこれかな、という風に、受け止め方もこなれてきました。 よく見ると、細部には、かわいいものもあるし。 ファサードのトップ。 やんちゃ坊主みたいな顔がポツン。 下に開けられた丸は、お皿がはめ込まれていたっぽいですね。ヴェローナらしくない装飾と言いながら、結構あちこちにあるということは、この装飾が流行った時代があったのかしらん。 縁取りになっている、三角の石を置いた帯が、好みです。光の陰影とかで、面白い効果を出すし、モダンですよね。 内陣近くの柱に、堂々と「俺が彫ったもんね!」と刻んだ石工さんの作品もあるのかと思うと、ちょっとにんまりしちゃいます。 鉄柵で囲われている中は、きれいに芝生。 午前中なので、ファサード側は逆光になってしまいます。午後の方が、きれいなはず。 それにしても、縞々のずれ、なんででしょうねぇ。単にそこまで神経質に計算してないのか、それとも、若干の高低差とかのずれがあるのを、わからなくするためとか。さて。 それにしても、やはりきれいでいい教会だなぁ、とすっかり満足して、改めて後陣。 やっぱり、塔、でかいですね。 そういえば、この石積み部分がオリジナルで、上の方は、相当再建が入っているという話だったような気がします。 ということは、塔の方が、オリジナルの姿で残っているということ。平地だから、物見の役目も担っていた塔なのかもしれません。 どっから見ても美しい後陣。 左側の、無粋なコンクリートの部分が邪魔ですが、これはトイレのお掃除とかしてくれる教会関係者の住まいと思うので、仕方ありません。祭具室とかを拡大した結果なのでしょうが、ちょっと無粋です、確かに。 すっかり満足して、次に向かう途上、果物畑の向こうに佇む姿を車窓から。 今でこそ、畑や人家が点在する土地ですが、当時は、本当に何もないところにぽつりとあったのでしょうね。ヴァルポリチェッラに続く山を背景に、美しい土地、そして愛される教会。優しい気持ちになれます。 |
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久しぶりのヴェローナ・バッサその1 前回、ヴェローナ近郊での素敵なお食事を記事にしましたが、ヴェローナに滞在した主目的は、ロマネスク巡りです。今回は、私が勝手に師と仰ぐ方とご一緒だったので、一人で回るのとは違った楽しさがありましたが、やはり若干修行が入っていたかな。 師匠のサイトは、以下となります(うまくリンクが貼れてなかったらごめんなさい)。 ヴェローナ・バッサ地域は、数年に一度ペースで、少しずつ回っているのですが、いまだちゃんとページにまとめていない、つまりきちんと勉強していないこともあって、記憶からいろいろ抜け落ちてしまっていましたので、今回、ちょうどよい復習のチャンスとなりました。 最初に訪ねたのは、後陣の美しいこちらです。 サン・ボニファチオの、サン・ピエトロ・ディ・ヴィッラノーヴァ教会San Pietro di Villanova di San Bonifacio。 高速降りてすぐ、という立地にも関わらず、まるで何もない草原に佇むような雰囲気ですが、これ、後陣側に広がっている、この緑のスペースのおかげで、周囲は、高速に通じる幹線道路が走っているので、全然孤高でもなんでもないんですよねぇ。 以前訪ねたのは、5年ほど前のことですが、この教会については、ロケーション、そして、この印象的にでかい塔が、よく記憶にありました。 ファサードは、この地域によくある、白い石とレンガの縞々模様となっています。 これまた、この地域ではありがちですが、いろいろと後代に付け足された装飾がごちゃごちゃとしていて、パッと見、ロマネスクのテイストが薄まっているんですよね。 そしてまた、どこもその傾向が強いんですが、石とレンガの組み合わせが、微妙にきっちりとシンメトリックじゃないのは、果たしてどうしてなのか、不明です。 結婚式の準備中で、歌のリハーサルなどもしていたので、人の出入りが激しく、おかげさまで気楽に観光できました。後から気づいたのですが、撮影禁止だったようなのですが、まったく気にせずに、撮影しまくり。 ちなみにこの内装。オリジナルの建物は、イタリアらしい木製の天井だったのを、後代に、このようにヴォルトとして、漆喰を塗りまくったようです。今でも、高い部分で、オリジナルの木組み屋根を見ることができる場所があるとのことです。 高い内陣を見て、すぐ気づかれると思いますが、クリプタがあり、ロマネスク的には、この教会で最も素敵なスペースとなっています。 修復もされていますが、構造はオリジナルのまま、美しいクリプタです。 そして、ここには、私の大好きな、あれが…。 初めて訪ねた時、このロンドバルド彫り物については道だったので、出会ったときは興奮しました。やはりかわいいですよ。そして、非常によく残っています。なんとも言えない素朴なぐるぐる、クジャクも、足がおかしいのがまた、愛らしいです。 最近はまっている、消しゴムハンコのモチーフに最適です。 この祭壇わきに、かわいらしい紙製のハトがおかれていました。 これ作った人、すごいですね。めちゃめちゃかわいい! 本堂をじっくり見た後、教会右手の扉を出ると、そこはかつての回廊部分。この場所は、以前来たときは気づかなかったので、おそらくクローズされていたんだと思います。 回廊の、柱頭部分は、壁に埋め込まれて、建物の壁となっていますが、埋め込まれた柱を露出させているのが、面白いですね。 柱の部分は、きっと後付けでそこだけ見せるようにしたんだと思いますが、それにしても、柱をそのままに壁にするっていう発想は、乱暴というか、すごいです。確かに壊して作るより、簡単だし、強度も保てるみたいな合理性があるんでしょうけれど。 かつての修道院の雰囲気を生かして、ここは薬草園となっています。 おばさんが熱心に世話をしていました。どの株も小さいし、おそらく、比較的最近、こういう形にしたんだと思います。かわいいですし、様々なハーブを実際に見られるのは、楽しい。 すると、奥から出てきたおじさんが、せっかくだから、博物館も見ていきなさい、といきなりガイド・ツアーが始まりました。やはり、一人より三人でいる方が、向こうにもインパクトがあるのでしょうねぇ。 連れて行ってくれたのは、かつてあった修道院の、居住部分です。 おじさん、かなりの速足ですたすたと先導。撮影しながらの我々は、つい遅れがちで、慌ててついていかねばなりませんでした。 この廊下、木製天井には、びっしりと絵がありますが、相当傷んでいます。 もちろん、ロマネスクよりはずいぶん後の時代のもの。修復するべきだけど、お金がない、ということでした。 一方、台所だった場所の壁には、美しいフレスコ画が残されています。14世紀ごろのものらしいですが、漆喰に覆われていたために、このように美しい色のまま、残っているようです。 かつての、修道士たちのドミトリーでは、床の一部と、壁にくりぬかれたランプ用の棚だけがオリジナルということで、少し床フェチのケがある私としては、床。 古いといっても、14,5世紀でしょうかね。レンガなんですよ。この地域は、レンガ生産が盛んだったんでしょうね。 歩きながらいろいろと説明してくださるのですが、どうにも速足で、自分の説明が終わると、すぐに電気をぱちぱちと消して回って、どんどん先に進まれるので、ちょっと大変でした。 これが、かつての姿。 ここまでは、教会に関するスペースで、ありがたいと思ったのですが、最後に、いよいよ、ここが博物館だから、と鍵で開けていざなわれたスペースは、なんと、 化石の博物館でした! イタリアのあちらこちらで発掘された化石が、ずらずらとガラスケースの中に並べられていて、しかし、それが、なんだかすごいんで、あきれながらも、食いついちゃいました。おそらく、地域に研究者がいらして、コレクションが寄付されたとかそういうことなんでしょうけれど、それにしても、この巨大まき貝らしい化石は、どうですか?? こんなの初めて見ました。50センチくらい巻いているんですよ。 こっちは、葉っぱの化石。 これなんか、1.5メートルくらい?びっくりですよ。 いやはや、ロマネスクを見に行って、化石に終わるっていうのは、初めての経験でした。先史時代の遺跡ものまでは、結構ありますけれどもね。 続きます。 |
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ベネト・ロマネスク5 やっとの思いで山を下って、次に訪ねたのは、サン・ジョルジョからヴェローナ方面への途上にある、こちら、サン・フロリアーノ教会Pieve di San Floriano。 ここは、検索したら、珍しく住所が出てきました。Via delle Pieve 49で、グーグル・ストリート・ビューでもばっちりと全景を見ることができます。 しかし、マイ・ナビは、ピエーヴェ通りの手前で村に入り込み、結局、一方通行だらけの村の道で立ち往生する羽目に…。半分気付きながらも、抜けようがなくなって、一方通行の逆送を、10メートルくらいしてしまいました…。どうしてトムトムってこういうことになるんだろう?(多分買って以来、データ更新していない自分のせいですが…)。 最近修復が終わったばかりらしい、立派な鐘楼が堂々とそびえたっています。 でも、修復しすぎ感が漂う。 教会も、起源は古いようなのですが、保存状態がいまひとつだったのか、または、ある意味常に現役のせいなのか、半端に新しくなってしまっています。こういうのって、わたしの場合はキリスト教信者じゃないので、微妙…。 すっかり新しい建造物となっている、後陣側。 おっと、鐘楼、縮尺が変。ということは、本堂と時代が違うか、または本堂が、もっと巨大だったのか。で、南側に回ると。 回廊の名残。ということは、ここ、元は修道院だったのですね。構造的には13世紀以降の感じですが、いずれにしても、大きな修道院だったのでしょう。 今は、周辺が居住地になっていますが、昔は何もない山間の修道院だったのかな。ヴェローナにはずいぶん近いから、繁栄した場所ではないかと思われます。周囲は、畑などに向く平地も広がっているし、湖も近い穏やかな気候で、収穫も期待されそうな土地だし。 回廊部分に、若干古い時代の名残がみられます。 ずいぶんと傷んでいますが、教会のほかの場所にあったであろう装飾彫り物を、回廊の壁にかけてあります。 壁は漆喰塗りと思いますが、石も黄色がかっています。凝灰岩かな。 ここは、日曜日のミサのときしか開かない教会のようで、中は見られませんでした。まぁ、外がこういう感じって言うことは、中はどうせピカピカきらきらの可能性が高いし、どうでもよかったんですけどね。でも、何かないと、せっかく来た甲斐がないと思う貧乏性なもので、せいぜい外観をよく観察しました。 新しくなっている中にも、そこそこ古い部分を残しています。 そして、サン・ジョルジョ同様に、ここでも、ローマ系らしい、それも墓石系っぽい石の再利用が。 ファサードの扉両脇にある付け柱の根元。堂々と。それも逆さま。 「異教(ローマ)のものだから逆さまに使った」という円柱をヴェローナで見たことがありますが、同じ発想なのか、それとも、職人さんの単なる横着か。いや、ファサードですから、横着って言うことはないですね。それにしても、こういう場所に、何も再利用品を使わなくても、と思ってしまいますけれどもね。 ということで、ヴァルポリチェッラの小さな旅、終了です。 ヴェローナおよびその周辺の重要な中世は、かなり見てきたようなので、そろそろきっちりとまとめたいものです。という思いは大いにあるんですが、なかなか出来ないまま、今年も、暮れようとしていますねぇ。 |







