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私もこの記事を見る前から、JALの西松社長の倹約ぶりの話を聞いていて、アメリカのビック3の救済のニュースを聞くたびに、どうして同じ大企業でもこう違うんだろうと思っていました。 この記事はまさに、私の思っていたことを書いている記事だったので、驚きました。 あまり詳しいことを書くのは控えますが、JALという会社は、社内での権力争いが強いことは知られています。主流派が2つくらいあり、そこでポスト争いが長年繰り広げられているといわれています。 先々代の兼子元社長や新町前社長は比較的主流派に近い派閥(非主流派ではあるが)の経歴を持っていたのですが、これらの経営陣の下で、赤字が続いたため、いわゆる主流派+パイロット出身者によるクーデターがあったなどとANAの大株主である朝日新聞を筆頭にメディアで報じられ、批判されたことは、記憶に新しいと思います。 西松さんは、当時末席の取締役だったと記憶しているのですが、非主流派の中でもとりわけ少数の派閥の経歴を持っていました。なので、率先して赤字体質の改革をする上でも、こうした謙虚な姿勢を社員に示す必要があるのだと思われます。 いずれにしても、クーデターだと報じられた当時は批判ばかりが目立ちましたが、あの事件を今評価しなおせば、JALの業績も回復基調にあり、JAL社員による自浄作用だったとむしろ肯定的に評価できるのではないでしょうか。そして、末席の取締役の西松氏がCEOに選ばれたことは、JAL取締役会の健全な選択だったといえると思います。 そういう意味で、今から思えば、当時の毎日新聞の記事ではありますが、節操のないタブロイド新聞と変わらないようなセンセーショナルな書きっぷりは目に余る気もします。マスコミはもう少し、節操のある報道をすべきと思うのは私だけでしょうか。 なお、安全性についても、西松さんがCEOになってからは、トラブルが減っています。 当時はクーデターを起こした人物と報道された、パイロット出身の岸田代表取締役副社長が担当していることによる影響が大きく、改善されているのかもしれません。 「年収960万円」「都バスで出勤」 西松社長「倹約動画」アクセス急増 12月3日19時55分配信 J-CASTニュース JALの経営再建の取り組みが注目されている 経営再建中の日本航空(JAL)が、思わぬ形で海外からの注目を集めている。米CNNがJALの西松遙社長兼CEOの「倹約ぶり」を取材、その様子が放送されて、反響を呼んでいる。レポートでは、西松社長が報酬をパイロット以下にカットしたことや、都営バスで通勤している様子が紹介され、「ユーチューブ」に転載された動画のコメント欄に「米国のCEOはJALを見習うべきだ」との声が相次いでいるのだ。 ■社員食堂の列に並んで会計し、昼食 CNNが東京発でJALについてのレポートを放送したのは2008年11月。西松社長が都バスで出勤したり、社員食堂の列に並んで会計し、昼食をとったりする様子が映し出されている。さらに、ナレーションでは、人件費削減の取り組みを説明する際に、「07年には、西松社長は自分の年収を9万ドルまで減らした。これは、パイロットの稼ぎよりも少ない額だ」などと紹介。 これは、JALが07年2月、07年度から4年間の中期経営計画を発表したのと同時に「社長の年収は960万円(08年3月まで)」「社長室の廃止」「社長は電車通勤」といった取り組みが始まったのを受けてのもの。JAL広報部によると、スケジュール上無理がある時や来客時以外は、原則「電車通勤と社食での昼食」なのだという。 この取り組みに対して、CNNの記者が 「世界でトップ10に入る航空会社のCEOの生活としては奇妙なのでは」 と疑問を投げかけると、西松社長は 「そんなおかしいですかね? I don't think so strange.(そんなにおかしいとは思わない) だと思うんですけど」 と、「至って当然」という様子。 さらに、レポートでは「米国のCEOは、これとは対照的だ」と続く。記者が、米議会で財政支援を求めている企業のCEOの年収が2億『ドル』 (約186億円) にのぼるケースがあることを伝えると、西松社長は 「ドル? In terms of US dollar? (米ドルで?) はぁー。ハハハ」 と、あきれた様子だった。 ■「この人はすごい」といった西松社長を賞賛する声が多い レポートが、いわば「米国の高給CEOと日本の質素なCEO」という視点で作られていたということもあり、この動画は11月23日には「JALのCEOは給料をパイロットの給料以下に減らした。他のCEOも彼から学ぶべき!」とのタイトルでユーチューブに転載され、注目を集めているのだ。12月3日19時現在で6万9000回以上が再生され、120以上のコメントが付いている。内容はというと、 「この人はすごい」 「米国では、このような強欲と富にまみれていないCEOは珍しい」 といった、西松社長を賞賛する声が多い一方、 「日本ではCEOは、それほど価値あるものだとは認識されていないので、今回の件も、それほど驚かない」 と、冷ややかな声も散見される。 経営再建に向けての取り組みが思わぬ形で海外で注目された形だが、JALは11月7日に、09年3月期の業績予想(連結)を下方修正したばかり。営業利益は前期比69%減の280億円になりそうだとみられており、「再建は道半ば」といったところ。当分は、この「倹約ぶり」は続くことになりそうだ。この記事のいう動画はこちら↓ 私は、この「日本ではCEOは、それほど価値あるものだとは認識されていないので、今回の件も、それほど驚かない」というコメントは的外れだと思う。CEOに価値があるというのは、CEOとして会社の業務執行権限を有し、会社との関係では委任契約に基づき善管注意義務を負うという点にあるとすれば、それは日本のCEO(つまり、代表取締役)であっても同じである。 自分たちの経営の失敗を、顧みないで、公的資金を求めるアメリカのCEOは、そうした責任を果たしているのだろうか。不思議なのは、アメリカのような訴訟社会で、いわゆる日本のような株主代表訴訟を提起し、取締役の任務懈怠責任を問うみたいな話が聞かれない点である。 アメリカの法律制度が異なるにしても、会社、ひいては株主との関係で、なんらかの法的責任(忠実義務)は負っているはずだと思うのだが、それを追及した訴訟の話は聞かない。株主も、訴訟をするより、救済してもらえればいいやということで、監視機能が働いていないのか、もしくは、株主代表訴訟のような訴えが困難な制度となっているのか気になるところである。
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興味深い記事でした。
2008/12/4(木) 午前 9:10 [ ぽんせ ]
そういっていただけると嬉しいです。
2008/12/5(金) 午前 7:20 [ ESQ ]
本体からのお給料は960万でしょうが、その他子会社からの分を含めると3000万くらいもらっているとのことですが、、、どうでしょう?本当だと思いますか?日本航空は天下り社長と子会社でだめになっちゃったのでは?ビジネスのオツマミ一袋のコスト1000円近いとのことですが?これも本当でしょうか?
2009/9/15(火) 午後 1:53 [ Matt ]
Mattさん、
はじめまして。コメント有難うございます。
基本的にこちらのブログからココログに移転したので、基本的にチェックしていないので、今後コメントがあれば、ココログの方にコメントいただければと思います。
さて、JALの件ですが、私の知る限り、西松社長の給与に関しては、1000万円前後だと理解しています。
JALの問題は、職業別労組であるため、とりわけパイロットの労組がかなりの強権で、賃金引き下げに応じないことが問題の1つだと思います。これにより人件費がかなり高くなっていることが問題です。パイロットの組合は、賃金低下は安全性に問題が生じるといいますが、ただでさえ高い給与を多少カットしたところで、安全性の問題につながるかは疑問です。
2009/9/18(金) 午前 3:07 [ ESQ ]
次に、社員の意識の低さも問題のようです。
会社がつぶれることはないという意識があり、効率化を図れてないこともあります。
また、しわ寄せが若い世代に来ており、自由闊達な活動を阻害しているという話も聞きます。
いずれにしても、JALの財務の問題は、今の西松社長以前に蓄積された問題ということもあり、私は西松社長はかなり努力していると評価しています。
2009/9/18(金) 午前 3:07 [ ESQ ]