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裁判員の一時保育施設が全国で実施されることになったらしい。当然といえば当然だが、こういうサポート体制による多くの国民の意見の反映は重要である。トラックバックにある記事をアップデートしたので、参照してほしい。 さて、話は変わって、司法制度改革のもう1つ法曹人口の増加について。 以下は、民主党の司法制度改革に対する考え方の一部である。 2001年に示されており、江田五月参議院議長のHPで確認できる。 http://www.eda-jp.com/satsuki/2001/011130.html 法曹人口の増加と養成制度
「市民が主役の司法」実現の具体的処方箋の第一は、容量の点で貧弱な現状を改めることです。司法は、質の改革も重要ですが、量的にも、飛踵的に拡大された機能を担うことが求められています。まず法曹人口自体の飛躍的拡大を実現し抜く道筋を示さなければ、司法改革に説得力が伴いません。 量の拡大により、何よりもまず「身近で充実した司法」実現の基盤が整います。法曹一元や弁護士任官の実現の基盤も、量の拡大がなければ整いません。さらに事件長の増大により、裁判所の規模拡大も不可避となります。 量を拡大すると、質が落ちるとの意見がありますが、私たちはこれに与しません。競争原理が質の向上の機能を有することも認めます。 私たちの提案は、早急に制度改革を推し進め、10年後には、少なくとも法曹人口5万人を実現しようというものです。その段階になれば、そこまでの成果を検証し、新たな制度設計を行って、将来は、現在の法曹人口のほぼ5倍程度に当たる10万人体制を目指します。 さらにこの10年間に、知的財産権、税務、登記、会計等の分野の専門隣接職種につき、資格制度、業務分野等を含む総合的検討を行い、世界に誇り得る充実した力強い司法を実現します。 以上のような法曹人口の飛躍的増大を実現するためには、毎年3,000人の新しい法曹が誕生しなければなりません。そこで、法曹養成も現在の制度では間に合いませんから、司法試験に至るまでの問の養成過程としてロースクール(法科大学院)を作り、そこである程度養成をして、司法試験はその中の8割ぐらいが合格するように制度設計するという提案をしました。今回の意見書は、だいたいそういう考え方です。 今回の意見書は、ロースクールを文部科学省の所管にしています。しかし、ロースクールは教育の最終段階というよりも、法曹養成の最初の段階なのです。既存の大学にロースクールを併設するのに反対ではありませんが、文科省所管以外のものがロースクールの設置主体となることも認めるのですから、文科省が学校法人を所管するからという理由でロースクールをすべて所管するのは、適切ではないと思います。現在の司法試験管埋委員会を改組し、第三者機関にして、ロースクールの設置認可や監督のほか、新司法試験、新司法修習を含め、法曹養成過程を総合的に所管するというのが、私たちの提案です。 昨今、法曹人口の増加抑制に日弁連が方針転換などというニュースがあったが、当時、町村前官房長官が「業界の利益を守ろうとしている」と批判していたのを思い出す。 この司法制度改革について、民主党の見解が変わったということは聞かないし、新しい考えが示されていないので、上記提案のままと理解して良いと思うが、民主党も主導的に法曹人口拡大を主張していたという過去があったことには驚いた。 公約として掲げていたのだから、成熟した政党であるならば、日弁連のような方針転換をするとは思わないが、仮に、変更した場合、国民の目からはどう見えるのだろうか。 裁判員制度もそうだが、新しい制度が始まって、問題があったからすべて白紙撤回し、自分たちが主張してきたことを翻すなら、やはり政治不信を招くとは思う。 私は、法曹人口増加で質の悪い弁護士が増えるという批判はまだ実証できていないと思う。ロースクール1期生が修習から実務についてやっと1年。2期生がこれから実務に就く。そんな中で懲戒処分にあたるような問題を起こしているのは、ベテランの弁護士が圧倒的に多い。つまり、現在に質の低下があるとすれば、それはロースクール以前の弁護士の問題だろう。 いずれにしても、日弁連の懲戒制度は甘く、機能していないという批判もあるので、懲戒制度そのものの見直しも必要かもしれない。 弁護士懲戒歴3年分を公開、日弁連提案へ…選ぶ手がかりに 12月4日14時36分配信 読売新聞 日本弁護士連合会(日弁連)執行部は、弁護士の懲戒処分歴を過去3年分開示できるようにする会則改正案を、5日開かれる臨時総会に提案する。 これまでは弁護士のプライバシーへの配慮から、同様の開示制度は札幌、奈良、熊本の各弁護士会を除いてなかったが、司法制度改革が進む中、「弁護士選びの材料の一つとして、開示が必要」と判断した。出席会員の3分の2以上の賛成を得て可決されれば、来年7月から開示制度がスタートする。 弁護士の懲戒処分は、弁護士法に基づき、全国の弁護士会が、弁護士倫理に反する行為で被害を受けた市民からの請求を受けて審査する。処分は、「戒告」「業務停止」「退会命令」「除名」の4段階。機関誌に全件を掲載し、主な処分は報道発表もしているが、過去の処分をさかのぼって開示する制度はなかった。 こうした状況に、弁護士を選ぶ手がかりが少ない利用者から一層の開示を求める声が上がり、政府の司法制度改革審議会も2001年、処分の公表を拡充するよう提言。日弁連は03年から開示制度の検討を始め、各弁護士会に意見を求めたが、「開示されると、収入減につながる」といった反対意見も出た。しかし、最終的には「弁護士は自分の処分歴に一定の責任を負うべき」として、開示制度の創設に踏み切ることにした。 改正案などでは、過去3年間に行われた処分で、業務停止以上は全件、戒告については報道発表されたケースが開示対象。依頼者か、これから弁護士を頼もうとする人が対象で、日弁連に請求すれば開示される。 阿南久・全国消費者団体連絡会事務局長は「もともと弁護士選びの材料が少ない中で、せめて過去に処分を受けたかどうかぐらいは知りたい」と話している。 与野党はこの司法制度改革には問題はあまり関心がないのか、裁判員制度を含め、あまり大きく議論されているところを見ない。したがって、民主党も自民党もこの問題については小泉内閣の閣議決定通りと考えているのだろう。 弁護士を中心にやはり人口増加には批判的な声が多いが、どちらかというと自分の収入が失われるという悲鳴に近い気がする。弁護士=高収入・安定という時代は、教師が聖職でなくなったのと同じように終わったのだろう。他の業界でも、新規参入で苦しいところはあるのだから、弁護士業界だけ特別というわけにはいかない時代なのかもしれない。 最近、いろいろなところから、こんな労働問題に遭遇しているという声を聞くが、どうしても訴訟となると尻込みしてしまうし、弁護士依頼をするのは敷居が高いという。労働審判など色々な仕組みがあるわけだが、やはり一般人が一人で利用することはなかなか難しい。こういう声は法曹人口が増えれば解決できるのかどうかも検証する必要があるだろう。
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うーん、懲戒制度はむしろ日弁連内部の対立に濫用されかねないですから、アメリカのように裁判所や独立行政委員会による公平な制度が必要ではないかと思います。
業界団体が懲戒権まで持ってるのは日本だけですよ。GHQがつくった特殊な制度です。
2009/9/7(月) 午後 11:49 [ ハッシー ]