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時間の階層的な流れ


定常型社会の意味は、次の3つ。
1.物質・エネルギー消費が一定となる社会
2.経済の量的拡大を基本的な価値ないし目標としない社会
3.変化しないものにも価値をおくことができる社会
これだけを読むと、なんだか分かったような分からないような気がするが、要は、これまでのがんがん成長することこそが至上命題であった、現代の消費社会に対するアンチテーゼとも言える「持続可能な福祉国家」であり「福祉社会」をさしている。

さて、本書全体を通じて、なぜ定常型社会なのかと言った理論が展開されているのだが、興味深かったのは、「/t」(スラッシュt)の極大化というキーワード。

市場経済では、「単位時間あたりの何か(生産、消費等)」を極大化させるという方向付けであり、それが「豊かさ」の指標であった、とする。

分かる気がする。

生産性、効率性、合理性がもてはやされ、これらが共通の目標となっている社会では、時間こそ全て。

「ビジネスとはエネルギーを使って、時間の速度を速める活動」
「エネルギー → 時間 →金」に変換を行うのがビジネス

なるほど。
ちなみに、現代人の時間は昔に比べ40倍も速くなっているそうだ。

その一方で、最近はスローライフや田舎生活といった、どことなくゆるやかな時間が流れている風なライフスタイルに、衆目集まるのも無理はない。


なぜ、農村を希求するのか、原風景を求めるのか。

それは、先程の現代社会に対する振り子の反動、あるいはDNAがそうさせるくらいの漠然としたイメージだろうか。

その点、詳細は本書を眺めてもらいたいが、「時間にも様々な層がある」という説明が、妙に腑に落ちた。

海の水の流れは、表面の水はせわしなく流れ変化していても、底の方にいく程水の流れはゆるくなり(永続的)、もっとも底にはほとんど不動の層がある

本書では、表層から下層に向かって、個人/経済の時間 → コミュニティの時間 → 自然の時間と呼んでいる。

常に表層で、時間との戦いを繰り返すことに疲れたとか飽きたというだけではなく、人間として、よりゆるやかに流れる時間の層とつながりを持とうとする根源的な欲求であり本能が、農村に原風景をみ、足を運ばせている訳だ。



時には、表層の流れに逆らって、ジャック・マイヨールとまではいかないまでも、「コミュニティや自然の時間」にまで、潜ってみてはいかがだろう。


(伊藤 浩正)

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