ここから本文です
侍達の夜明 のべるわんでいのお部屋
地道にコツコツと 先天下之憂而憂、後天下之楽而楽

書庫全体表示

感覚と論理

■感覚と論理


 感覚は考えという論理でもなく想いでもない。感覚とは考えや論理や想いが生じるための基礎になる気づきである。

 そこで鈍感になると考えや論理や想いは生じない。生じなければ無知のままであり、無知を馬鹿という。鈍感は馬鹿になることを意味しているのはこういうわけである。知るという意識は感覚が生じさせているものである。

 ではなぜ感覚という気づきを人間は持っているのだろうか。これは生まれつきであり、誰しもが持っているものであって、それは楕円の視覚、旨い不味いの味覚、軽い重たいの触覚、周波数の音の聴覚、香しい臭いの嗅覚という「感」という心の動きである。

 人間は心が動かなければ、考えを生じることもなく、論理を生じることもなく、想いすらも生じることはない。

 では心が動くとな何か。

 そもそも心とは何かをこれから書いておく。

 一言でいうと、心とは「感」そのものである。五覚を通さねば生じることがない「感」。五覚から生じるものが心というものである。


 人間は五覚により心という「感」が生じ「感」が論理をつくりだしている。

 ここに論理的な人間や感覚的な人間という物の見方がある。そもそも論理的とは論理そのものではないし、感覚的というのも感覚そのものではない。論理的とは人間がとある思考回路を論理と呼んでいるレッテルにいちいち当てはめているだけにすぎないのである。また感覚的とは人間がとある思考回路を感覚と呼んでいるレッテルにいちいち当てはめているだけにすぎないのである。


 本来「感」という気づきはレッテル以前のつまり論理以前のものであり、見た目が不味そうな食べ物はきっと不味いに違いないという視覚から生じる感想や、臭い匂いに眉をひそめる嗅覚から生じる嫌な思いは、ともに生来の人体に関わる危機と察知した人間の気づきから行動する防御反応そのものである。

 実はここで本当のことを書いておこう。気づきというのは、意識よりも速い。人間ほど意識を過剰に考えたりする動物は地上に存在しないので、他の動物が意識を持つことさえも考えてしまうのである。たとえば犬の気持ちとか猫の気持ちという犬や猫の意識をも考えてしまうことが可能である。


 気づくのが遅い人は、自分の顕在意識ばかりに気づきを求めようとするため、本来の気づきになかなか気がつかない。


■手ごたえ

 人間、自分が選んだものでなければ努力しない。じぶんが選んだものには常に問題がつぎつぎと生まれてくる。それを解消してゆくことが目標であり達成感となる。人間、自分が選んだものでなければ達成感は得られない。手ごたえは必ず自分が選んだものから得られるものだ。


 自分が望んだものはいつも手元にない。だからいつも望むほうへ突き進んでゆくのである。突き進むと多くの問題が生じる。それを楽しむことが手ごたえにつながっているのである。

 だから、手ごたえを求めている人はいつも謙虚である。解決が喜びになることを知っている人だから。

 宿題が現れるとそれを解決するためにさまざまな手段を考えたり調べたりしながら、それを解決するとステージアップした問題があらわれる。ひとつの問題が解決しなければもうひとつの問題は決してやってこない。むしろ宿題を喜んで解決してゆくと、より難しい問題がやってくるのである。それをオホホと笑って手放しで受け止めて考えてゆくと、必ずつぎの宿題が与えられるのである。

 人生はその宿題を数多く解決するためにそれぞれが与えられている。それぞれの人生にはそれぞれの宿題がある。

 毎日反省すると毎日進歩してゆく。反省しない人は死ぬまで進歩しない。

 いかなる人であっても、進歩を求めない者には決して手ごたえはないのである。


 清々しく謙虚な人は、常に進歩を求め実践している。感謝の気持ちをいつも持っているのである。


 発見は発明の母であり、発見なくして発明はありえない。

 自分は常々これを意識している。

 素直な驚きがアイディアを生むのである。

 それから計画と実践が待っている。


■歴史

 ポール・セザンヌは誠に絵画の正統を追求しようとした。絵画の正統とは、情報不足を持たず、慢心せず、思い込みをしないという心構えが基本となっているが、これは絵画だけの話ではあるまい。

 セザンヌを落選させ続けていたサロンは、当時の時代の流れという情報を知らず、自らの過去の遺産と歴史に慢心し、正統な絵画とはこういうものであるという思い込みをしていた。だから時代に取り残されたのである。

 セザンヌの苦悩は、画学生が初めに習う基本に対する深い洞察から生じてきたものである。タブローとして壁画から絵画が自由になったあと、絵画の存在意義を深く考える必要性がある。どこに手がかりを求めれば、正統を主張できるか。そこに着眼しはじめたとき、セザンヌの苦悩は始まり、歴史の徹底研究と情報の確保、取捨選択に邁進し、かつ、自己のスタイルに慢心することなく、当時のスタイルに対して思い込みをしないように努めたのである。ガスケの著作やベルナールの著作を読めば、直接彼の言葉にはなくとも彼の姿勢から伺えるのである。

 対象物が放つ感性を優先するか、それとも表現者の感性を優先するか。いずれにおいて引き出しを求めるかである。たとえば写真にもこのパターンがあてはまる。花を笑わせることはできないが、人間に笑みを浮かべさせることはできる。これが対象物が放つ感性を写真を撮影する者が引き出している。この場合には撮影者は撮影者本人の感性を抑圧する必要がある。主体はあくまで被写体である。だが、撮影者本人の感性を引き出すことを選択した場合には、こんどは対象物の感性を抑圧せねばならない。言い換えれば対象物の感性を完全に抑圧したとき、そこに初めて撮影者の感性を出すことができるのである。
 ポールセザンヌの作品には多くの人物画がある。一様に無表情であり、モデルに表情を作らせようとしなかった。眉毛ひとつ動かすこともさせない。少しでも表情を変えると、「リンゴが動くか!」といって怒鳴り散らした。これはセザンヌの感性が自ら解放されるのをセザンヌ自身が待っているときに、モデルがそれを邪魔したからである。アンリ・マティスもまたセザンヌの姿勢を真似た。モデルに少しも表情をつくらせない。表情を作ってしまうと、マティスがマティス自身の内側から出てくる自らの感性を捉えることができなくなるためである。けっきょくは無茶苦茶な作品に仕上がるものだとモデルは予想しているので、モデルは自由に会話を求めようとする。表情を変えなくとも、作品はむちゃくちゃな福笑いの絵になるだろ?だったら笑顔になろうと関係ないじゃないとモデルは思ってしまうのである。
だがマティスはそれをされてしまうと自分の感性と相手の感性との対決において必ず自分が負けてしまうことを知っていたため、あえてセザンヌと同様に「リンゴが動くか!」理論に基づいて相手の動きを封じていたのである。
 人物画の場合はモデルとの闘いでもある。モデルの感性と作者の感性との。
 いっぽう、セザンヌとマティスに影響を受けたパブロ・ピカソはモデルとのコミュニケーションを楽しみつつ、モデルの作品を描いた。ピカソには常に自己の感性の優位性を自覚していたため、モデルの表情の変化に惑わされなかったのである。ピカソの作品はマティスよりもはるかに福笑いのむちゃくちゃな絵画である。こんな絵を描いてもらったら、モデルは大笑いするしかないだろう。だが、ピカソは現実に存在するものだけに着眼していたため、10万点を超す膨大な作品群を後世に残した。ピカソにとって、シュールレアリスムは理解しがたいものである。人間の心や深層心理は存在していない。具体的に存在していないものを描けば、必ず行き詰ることになる。抽象表現は人間の心理を追求したものにすぎない。現実に存在しているもに比べれば、圧倒的に少ない量となる。だから、寡作にならざるをえない。これは省略する技術が心理において自在にできるため、省略技法を通じて数多くの思念を封じ込めることができるためである。だが現実にあるものは、簡単に省略できるものではない。だから大量の作品をつくることができるのである。
なお、シュールレアリスムで著名なサルバドール・ダリは妻ガラの要望から、頭の上にフランスパンを載せたり、潜水服のなかに大量の水を入れて水死しそうになったりして世間を驚かせた。ガラの要望である。ガラがシュールレアリスムを好んだ。だからサルバドールはさまざまな超現実主義の作品を描いた。
 空想の世界は作品化する前にさまざまな情報をまとめることができるために、作品数は必ず少なくなる。100の要素を1つに盛り込むことも可能である。だから作品数は少なくてすむ。星新一はSF作家であるが、1000篇を超える短編を残した。なぜこれだけ数多くの空想小説を作りえたのかというと、彼が短編を作る際に利用していたのは、現実に存在している小物ばかりだからである。スプーン、フォーク、皿、セロテープ、こうした道具を組み合わせるのだから、世の中にはこうした道具のみならず、無数に現実にある具体物が存在している。これらを組み合わせれば、それこそ無数の空想小説が作りえたのだろう。彼がもっと長生きしておれば。中川一政はバラの絵だけでも800枚の油彩画を残している。現実にあるものをモチーフにすると、とめどなく尽きることのない作品をつくることができるのである。

novel1day
novel1day
男性 / A型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

最新のコメント最新のコメント

すべて表示

検索 検索
友だち(18)
  • 鬼ノ目発進号
  • tokinosekai
  • Hamputmann A
  • konannsi206
友だち一覧

過去の記事一覧

よしもとブログランキング

もっと見る
本文はここまでですこのページの先頭へ

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!
いまならもらえる!ウィスパーうすさら
薄いしモレを防ぐ尿ケアパッド
話題の新製品を10,000名様にプレゼント
いまならもらえる!ウィスパーWガード
薄いしモレを防ぐパンティライナー
話題の新製品を10,000名様にプレゼント

その他のキャンペーン

みんなの更新記事