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今回の一回の選挙で強い野党などできるわけがない。自民党に対抗できる強い野党を作るには10年スパンで考えなければならない。そのような意味で、今回は二大政党制に向けて強い野党を誕生させるために、野党を整理する選挙だ。
これからの強い野党は、「希望・維新」の枠組みか、「共産・立憲民主」の枠組みか。どちらの方が野党としてよりましか、の選択だ。このときに公約の詳細比較をやっても仕方がない。野党なんて、そもそも公約を実現できる立場にない。実現できない公約を詳細に検証しても意味がない。政党の大括りの色、政党の政治の方向性を掴めればそれで十分だ。
この点、政権与党の今回の公約を検証することは、後に公約をきちんと実行したかどうかの検証に役立つから必要だと、付け焼刃の知識をもって語る者がいる。しかし、こういう連中はPDCA(PLAN→DO→CHECK→ACTION)サイクルというものを分かっていない。実行力の検証は次の選挙における検証だ。つまり今回の公約は、次回の選挙において「どれだけ実行されたか」を検証することになる。今回の選挙において政権与党の公約の実行力を検証するためには、「前回の」選挙において出された公約が検証の対象であり、今回の公約は検証する対象ではない。これがPDCAサイクルとういもの。前回のPLAN(公約)を今回CHECK(検証)する。今回のPLAN(公約)は次回の選挙でCHECK(検証)する。この理屈分かります?
まずは安倍政権のこれまでの実績評価をしっかり行う。そのためには今回の公約ではなく、「前回の」選挙で打ち出した公約をどれだけ実行したかをしっかりと検証する。そのことによって政権与党の実行力を測ることができる。このような理屈を理解していないから、メディアや自称インテリは、自民党が「今回」打ち出した公約を吟味しちゃうんだよね。
安倍政権与党が前回の選挙で打ち出した公約を覚えています? 忘れちゃってるでしょ? だからこそメディアは政権与党の「前回の」公約をしっかりと報じるべきなんだ。そんなメディは皆無。メディアや自称インテリは口を開けば、政党間の「今回の」公約の比較、検証しか言わないからね。
もうこんなバカげた意味のない政策議論は止めなきゃいけない。まずは政権与党の実績評価。そのために前回の公約がどれだけ実行されたかきちんと評価する。その上で野党はどちらの枠組みでいくべきか。その際も野党の公約比較というよりも、政党の色、政治の方向性、端的に言えば政権与党との違いの「程度」で判断せざるを得ない。安倍政権与党と「違う」野党(希望・維新)か、「全然」違う野党(共産・立憲民主)か。この判断で十分だ。その野党の整理の際に、自民党・公明党のポンコツガラクタ議員もふるい落とされることを期待する。(ここまで約3400字、メルマガ本文は約1万4800字です)
※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.76(10月17日配信)を一部抜粋し簡略にまとめ直したものです。もっと読みたい方はメールマガジンで。今号は総選挙特集《【2017総選挙(4)直前号】今回の選挙は二大政党制への第一歩!公約なんかで選ぶな=後編》です!!
(前大阪市長・元大阪府知事 橋下 徹)