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人工頭脳という言葉はいつ作られたのだろうか。
脳の働きを人工物で、置き換える試みは長い間人類の夢である。この分野では、チューリングテストが有名である。カーテンの奥にあるものと対話し、その結果、そのものが人と区別がつかなければそのものが知能を持つと認めようというものである。コンピュータの原理的な論理を構築したアラン・チューリングの名前からとってある。
手塚治の鉄腕アトムでは、2003年には小型の人型ロボットアトムが完成している。「2001年宇宙の旅」では、HALというコンピュータが感情以外はほとんど人間の域に達していた。また、数十年前にイライザという心理学用に開発されたプログラムが、非常に単純な仕組みながら、あたかも相手が心理カウンセラーのような錯覚に陥ることに成功している。多くの人が、人工知能の実現は近いと思っていた。
だが、現実には2006年の現在でも、ロボットの知能は人間の3歳以下しかないといわれている。人工知能の技術が遅れているわけではない。以前、カーネギーメロン大学で、コンピュータサイエンスの授業を受けたことがある。全米のコンピュータサイエンスで、MITと並ぶトップの大学である。人工知能の一端に触れたが、それは天才の世界だと感じた。人工知能技術が未熟なのではなく脳がすごすぎるのだ。この、小さなたんぱく質の塊の秘密を人類が解き明かすのははるか未来になるだろう。
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