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  『 特別養護老人ホーム江戸川光照苑 施設長 』として、ようやく1年を経過しようとしています。今年度も残り1ヶ月…頑張らねば…といったところです。

  さて、昨年10月、重度の身体障害が、夕食をのどに詰まらせて死亡したのはヘルパーが注意を怠ったためだとして、介護業者などに総額4000万円の損害賠償を求めた訴訟がありました。

  業者側に賠償を命じた名古屋地裁の判決は「食物が詰まったことに気付かなかった」とする業者側に対して、「食物が詰まったことに気付かなくても、研修を受けたヘルパーなら食事との関連を疑うべきで、窒息死を防げた」とヘルパーのミスが死亡を招いたと指摘しました。

  嚥下障害者への食事介助は、窒息事故という危険が伴う。痰の吸引よりはるかに危険であり、現在介護訴訟において、食事介助時などの窒息による死亡事故として、最も多いケースといわれています。

  しかし、介護の現場では、現場経験を多く持った介護福祉士が介護人材不足により少なくなってきている中、食事介助を短期間の研修で資格を習得できる2級ヘルパーなどが行わざるをえない状況にあり、医療職が少ない特養など重度要介護者が多数入所している施設でも窒息事故が多発しているのではないかと推測できます。

  施設によっては、食事介助を介助者が立ったまま介助しているケースもあり、中には、「座ってできるスペースがないから…」や「一度に何人も介助しなければならないので、人(職員不足で…)もいないのにいちいち座ってできない」という理由で、平然と言ってのける人もいるといいます。

  高齢になって体力が落ちたり、病気のためにマヒ等が障害として残り、自分では食べることができなくなると、介助が必要になりますが、介護の基本を知らない、あるいは教えてもらっていないでは、ご利用者はもちろん、自分も施設も守れません。この期に及んで…ではありませんが、食事介助のマニュアルを見直してみましたので、少しお付き合いを。

1.食事の姿勢と座り方
  少し前屈みになるぐらいが飲み込みやすい姿勢。終日、ほとんどベッド上の方も、食事の時は体を起こす。飲み込みがよくなるばかりではなく、食事を見て楽しめる、人と顔を合わせて会話ができる、など、生きる元気も楽しみも出てくる。

(1)テーブルとイス・車椅子の方
1. 少し前屈み。
2. 背は90度。
3. 足は床(フットステップ)にぴったり。
4. 体とテーブルの間に握りこぶし1つぐらいのすき間。
5. 椅子の座面の高さは膝が90度に曲がるくらい。
6. テーブルの高さは、腕を乗せて肘が90度に曲がるくらい。

(2)リクライニングの方
1. 背もたれは45〜60度。
2. 首が後ろに反らないように頭にクッション。
3. 膝は90度。
4. 足はフットステップにぴったり。

(3)ベッドの方
1. 背もたれは45〜60度。
2. 首が後ろに反らないように頭にクッション。
3. 腰はベッドの折れ目にきっちり。
4. 膝は軽く曲げた状態。ベッドの折れ目に合わせるか、膝下にクッション。
5. 足がずり下がらないように足の裏にぴったりクッション。

2.上手な食事介助
  ゆったりとした時間と空間の中で、介助者も介助される人も余裕を持って、食事をおいしくいただく配慮・技術が必要。介護の基本を忘れないこと。

(1) 横に座る
横に座って目線は同じに(もしくはやや下に)する。立ったり、正面からの介助はしない。
※立っての介助は、高齢者が介助者を見上げるため、顎が上がってむせたり、誤嚥しやすくなる。

(2) 飲み込んだのを確認
※次々に食べ物を口に入れると、誤嚥の危険がある。嚥下障害のある場合(または、疑いがある場合は)は、飲み込んだのを確認して次の一口を食べさせる。この際、介助者の視線は高齢者の口の中を口腔より上からでは充分に確認できないことを認識する。

(3) スプーン1杯の量
※一度に口に入れる量は、ティースプーン1杯くらいの量がベスト。

(4) 箸やスプーンは下から
※食べ物を下から口へ持っていくと、自然に下を向き加減になるので、上手に飲み込め、誤嚥の予防になる。

(5) スプーンを口の奥まで入れない
※吐き気や誤嚥の危険がある。

(6) 食事に専念
※嚥下障害のある場合(または、疑いがある場合は)は、テレビや口の中に食べ物が入っているときに話しかけたりすると誤嚥の危険。

(7) 介助は健側から
※片麻痺の方には、健側の口に食べ物を入れる。麻痺がない方は、利き手側から介助する(食堂などの場合テーブルの位置を考慮する)。

  その後、食後の口腔ケアと同時に口腔内の残さ物に…などと、このような感じだろうと思いますが、「そんなこと知っている…」ということと、「こうしてやっている…」「こうして口でもきちんと説明している…」や「教えている…」などでは、いざ…という時に、まったく違う結果になるのではないでしょうか。

  嚥下障害のある(または、疑いがある)ご利用者であっても、比較的介助しやすいご利用者に、新人やボランティア、実習生などに、介護職員が目を離すことも想定される状況で食事介助を行わせることは極めて危険です。

  そして、嚥下障害のある(または、疑いがある)ご利用者の食堂の座席や介助方法などについて、ケアプラン(ミーティングでの検討の指示など)などの場などで、話し合われたり、介護職同士で議論されたりしているのでしょうか。

  冒頭の裁判は、多くの福祉関係者の関心を集めました。傍聴に訪れた福祉施設の中から、事故対応マニュアルの充実に努めたり、救急救命講習を盛んに取り入れたりする動きも出てきたといわれます。

  しかし、原告側のご家族は、判決の内容について「事業者の運営体制の不備が認められないなど納得はいかない」と話されていますし、「二度と同じ事故を起こさないために、障害者の痛みを本当に感じられる人や施設がもっと増えてほしい」と、願いは募っています。

  介護のプロフェッショナルとして、自施設で起こった事故のみならず、他施設で起こった事故などについても、自施設に置き換えて検討していく姿勢、仕組みが必要ではないでしょうか。

【健太郎の小言】失われた命はどれだけ反省しても戻ってこない…だから、表向きや表面だけでなく、しっかり是正し、再発予防を行って、「二度と同じ事故を起こさない」ことが、施設の真の反省と失われた命に対するご供養…肝に銘じて…。でもこれ見りゃ「座ってできるスペースがないから…」や「一度に何人も介助しなければならないので、人(職員不足で…)もいないのにいちいち座ってできない」なんてプロなら言えない…言わないよね。

【苑長の一日】午前 通常業務、 午後 通常業務、 。

ちょっと覗いて見て下さい。江戸川光照苑の案内や取り組みが盛り沢山ですよ?
《江戸川光照苑のホームページ》ようこそ江戸川光照苑!http://www.e-kousyoen.or.jp/

転載元転載元: 『施設長の超世代ブログ宣言』

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江戸川区は福祉が充実しているとよく耳にします。
こういう方々の支えがあってこそなんですね。。。
江戸川光照苑の取り組み、拝見しに行ってきます!!

2009/2/23(月) 午後 1:43 m*m*m*r* 返信する

私も過去に実習先で職員が介助しているのを見て恐ろしく感じた時がありました。
危険だという認識がその時の職員にあったとは思えません。
私は看護者として以前、利用者さんが誤嚥の検査をした場にいたことがあり、全く誤嚥しているように外部からは見えなくても、微量に気管に食物が流れ込んでいるのをX線上で確認してからは、細心の注意のもと食事介助をするようにしました。
そこまで介護現場の方々は理解できているのかな・・
肺炎の元にもなるわけですし、要注意ですね。

2009/2/23(月) 午後 1:55 ナナ♪ 返信する

70歳直前まで、老人医療の現場にいたババは食事介助の難しさを痛切に感じていました。誤嚥トラブルは怖いですね。

2009/2/23(月) 午後 2:47 くまばあ 返信する

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npo_barrier_freeさま:御無沙汰致して居ります。
嚥下困難に成りかけていそうな母の介助のお話 参考になります。
私のブログでも 紹介したいので 転載元様の所へ 出掛けてきます。。
いつもよい記事 有難うございます。 凸〜〜P

2009/2/23(月) 午後 11:55 春になれば・・昌子 返信する

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こんにちは。

転載…お礼が遅れてすみません。うちのケアマネがこの記事コピーして、各部署に配ってました。

「もう一度振り返ってみようね…」ということでしょう。

2009/2/26(木) 午前 11:28 社会福祉法人光照園 返信する

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