先日 空の木さんにお邪魔したときに 『この絵本見てみますか?』と紹介していただいた絵本を
本日 ご紹介したいと思います。
RP児の親の会が 発刊している非売品『勇気をくれた虫の歌』という題の絵本です。
☆ RP児親の会とは 網膜類縁疾患のこどもを授かった親の会です ☆
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ゆきは 小学校に入った頃から 少しずつ目がみえにくくなっていきました。
そして中学生になった時 学校の先生に 白杖を持つことをすすめられました。
けれど ゆきは白杖を持つのが すごくいやでした。
そんなある日 白杖が家に届きました。
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『ゆき これから少しずつ白杖を持って歩く練習していこうね。』とお母さんがいいました。
するとゆきは『白杖持つのすごくイヤなのに どうして練習しなきゃいけないの?』といって
家を飛び出して 庭の片隅に座って 泣き出しました。
夏も終わりの夕暮れです。
あたりには リーンリーンリーン、コロコロコロと虫の声が聞こえていました。
『どうして泣いているの?』とふいに誰かが声をかけてきました。
ゆきは 泣くのをやめて ゆっくりと顔を上げました。
『今 声をかけたのは誰?どこにいるの?』
『ここだよ。ここ』
『ここって言われても 私はあまり見えないの』
『君の顔の前にある葉っぱの上だよ』
『葉っぱの上って?』
『僕たちは 鈴虫とコオロギ!!』
『えー、私 虫は苦手なの・・・刺したり かんだりしない?』
『そんなことはしないさ。僕たちはいろんな歌を演奏しているだけ。
今も練習しているところに 君が泣きながらやって来たのさ』
『それじゃあ、私 練習のじゃましちゃったんだ』
『うーん、じゃまって程ではないけれど 僕たちの歌がとても悲しそうな歌になっちゃった』
『私は 楽しい歌のほうがいいな』
『だったら 君の泣いたわけを 話してくれる?』
『うん、聞いてもらおうかな』
ゆきはゆっくりと立ち上がり 鈴虫とコオロギがいると思われる
葉っぱの上を見つめて 話はじめました。
鈴虫とコオロギは ゆきの話を聞いていました。
ゆきは 白杖をついて歩いていると 周りの人から特別な目で見られているような気がすること、
そしてそう感じながら歩くときに とても勇気がいることなど
心の奥に溜め込んでいた思いを すべて話しました。
そして ゆきが話終わると コオロギは
『でも 白杖は 君が一人で歩くのに 必要なものなんだろう?』と聞きました。
すると ゆきは
『・・・うん、そうなんだけど・・・、白杖のカンカンっていう音で
周りの人がいきなり振り向いたり じろじろ見たりするように思えて すごくいやなの』と
顔をしかめて答えました。
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『そうか 僕たちも この触覚で いろいろなものを確かめて 動いているんだ。
君の白杖も 僕たちの触覚と同じようなものだね』と鈴虫が言うと ゆきはうなずきました。
鈴虫が 続けて言いました。
『人からどう見られるかなんて どうでもいいじゃないか。
だって 一人で歩くためには必要なものだし、周りの人にも気をつけてもらえるから。
少しだけ 勇気をだしてごらん。』
ゆきは鈴虫とコオロギの言葉を聞いていると
なんだか今まで気にしていた事が たいしたことじゃないように思えてきました。
『もう泣いてないね。それじゃぁ今から 君の為に勇気の出る歌を演奏するよ』
鈴虫とコオロギは リンリン、コロコロと演奏を始めました。
ゆきはその音の美しさにうっとり。
そして歌はだんだん小さくなり、やがて聞こえなくなりました。
ゆきは はっと目を覚ましました。
そうです、いつの間にか庭の隅で ひざを抱えて眠ってしまったのです。
今までのことは 全部夢だったのでしょうか?
でも虫たちの言葉と歌は はっきりとゆきの頭の中に残っていました。
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次の日から ゆきはあんなに嫌がっていた 白杖の練習を自分からすすんで始めました。
これにはお母さんも先生もびっくりするばかりでした。
ゆきは今では 白杖をカンカンと うまく使いながら一人で歩くことができます。
そして歩きながら時々思います。
またいつか あの虫たちに会えたら 今度はあの歌に私の白杖の音も入れてもらうんだ。
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リンリン、コロコロ、カンカン
リンリン、コロコロ、カンカン
きっと楽しそうな すてきな歌になるんじゃないかしら。 ーおしまいー
作者は 出水麻依子さん。1987年 大阪生まれ。
小学校1年生の時に 網膜色素変性症が発覚 同時に病名も親から告知される。
小学校は普通校、中学、高校を盲学校で学び 中学2年生のとき この作品を執筆。
2007年現在 大学にて 福祉を勉強中・・・との事です。
最後にRP児の親の会の代表の方からの こんな言葉で〆られています。
晴眼者のご両親へ
視覚障害は決して不幸な事でも 誰のせいでもありません。
大事な事を この絵本で思い出していただければ幸いです。〜RP児の親の会代表 〜
奥深い言葉ですよね。
障害児育児・・・親の心を支えるという事は 決して安易な事ではないと感じます。
しかし 自分のお腹の中で育てた子どもである以上 特に母は 自分をせめるものです。
それは 生まれてきた『わが子の命』を否定しているわけではなく・・
自分が背負っている不安や悩みが重すぎてその現実からのがれる為ではなく・・・
ただ・・私のもとに生まれてきたから ハンディを背負わせてしまったのか・・・
他のお母さんのもとに生まれてきたら この子はもっと幸せだったのではないか・・・
そんな思いを 心の奥底にまずは抱いて そしてわが子と一緒に歩む中で
どんどん『この子が わが子でよかった』と感じる事ができるように親も心が成長するのだと・・・
だからこそ、障害が発覚した時・・親は心にもない事を口にすることもある。
でも否定するのではなくて その言葉の奥の 本当の思いを汲み取ってあげること・・・
なによりもの『親支援』だと感じます。
子どもを支援するためには 親の心を支援することも大切です。
親の心が安定すれば こどもの心は必然的に安定してきます。
大切な事の基本は 障害の種類は関係ないかな・・とも感じる今日この頃・・・。
『自分らしく生きることができる事。等身大の自分を自分が好きでいられる事』
お金だけでは解決できないことって世の中にはありますよね。
この絵本から 感じる事・・・大切にしていただければ もっと偏見なき世の中になるのかなと・・
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転載元: ☆cyokiチョキchikuチクkakiカキでご機嫌さんや☆
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