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太郎坊のそよ風
NPO法人 富士山測候所を活用する会 スタッフブログ

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富士山頂のミステリー

2006年から職場の筑波大学農林技術センター八ヶ岳演習林でヤマネの巣箱調査を行っている杉山さん。
ヤマネは夜行性で日中に目撃できることは極めて少なく、また一年の約半分を冬眠するので、さらに人目につかない動物だそうだが、ヤマネの目撃情報をこれまで500例ほど収集。その中で最も驚く発見事例の一つが「富士山頂のヤマネ」だったという。

これまで富士山頂では、気象庁富士山測候所の観測員の方がヤマネを度々目撃されていたそうだが、関連書籍の中でも記述のみ。しかし、昨年(2010年)、富士山測候所を活用する会の村上祐資さん(東京大学)がヤマネを数日間にわたり目撃・写真撮影し、ご自身のブログ「富士山日記」に載せたのがきっかけで、村上さんに富士山測候所を活用する会の紹介を受け、今夏の観測研究に公募参加されました。

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昨年(2010年)8月に富士山測候所で目撃されたヤマネ(村上さんのWebアルバムより)

「樹木等が無い富士山頂でヤマネが目撃されるのは本当に不思議なこと。人為的にヤマネが山頂に運ばれるのか?荷揚げ時にヤマネが紛れ込むのか?ヤマネ自身が移動したのか?山頂に生息しているのか?本当にミステリー。工業内視鏡でヤマネが潜んでいそうな岩場の隙間を覗いたり、暗視鏡による測候所周辺・内部の夜間観察、ヤマネの餌となる昆虫類のライトトラップや富士開山期間の山頂滞在者(山小屋管理者他)の聞き取り調査を行ってみたい」ということです。

そんな杉山さんの第2回の登山レポートが届きました。果たして謎は解けたでしょうか?それとも・・・
杉山さんは8月中にさらに2回の登山を予定されています。



7月26日〜28日にかけて再び測候所の何箇所かにヤマネの餌(油揚げ・イモケンピ)を仕掛け様子を見ましたが、残念ながら食べた様子はありませんでした。滞在期間中は富士山のアメダスデータを見ましても最高気温5.8最低気温0.8℃と気温が低く、ネズミの気配すらない状況でした。測候所外回りも天候に恵まれず探査できずにいます。

今回の山頂滞在でわかったことはつぎのとおりです。
1.ブルの荷揚げの様子から、振動が激しくヤマネが荷に潜り込むのは難しい。
2.登山者のリュックもファスナー開閉がしっかりしていて潜り込む隙間がない。
3.山頂はガスがかかることが多く、建物や岩場が結露で濡れて水分が確保できる。
4.山頂で見かけた昆虫類は少ないが、クモ・ハエ・アブ・テントウムシ等は見られる。
5.登山者の食べこぼしも余りない。

上記の事を考えますと、村上さんが目撃したヤマネは「何らかの目的」でヤマネが一時滞在した可能性が強いのではないかと感じました。しかしながらヤマネの行動範囲はオスで2haメスで1ha弱とされていますので、砂礫斜面をヤマネが登ってきたのかは不明です。

ますます謎が深まる感じですが、次回8月15日・16日再度餌を仕掛けて、ヤマネの痕跡を見つけてみたいと期待しているところです。

[関連プロジェクト]
富士山頂のヤマネ
富士山頂部では度々「ヤマネ」が目撃されている。これは山頂の山小屋への物資搬入時や登山者が関与した人為的移動が考えられる。富士山頂の過酷な環境では事実上ヤマネの定着が難しいと思われ、翌春まで生存できなかったヤマネの死骸が富士山頂に残っている可能性が高く、これまでどのくらいのヤマネが人為的に運ばれたか調査をする。


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赤外線センサーがヤマネをキャッチすると自動的にデジカメのシャッターが降りる仕掛け。手前はオトリの油揚げ・イモケンピ。

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杉山さんのブログ「ヤマネ生息調査」
ヤマネの文献調査として全国のヤマネ発見事例を収集し、ヤマネ生息確認情報・発見事例をGoogleマップ上に転載、ヤマネ生息分布地図として情報公開している。偶然にも貴重なヤマネ目撃事例を持っている方に、ヤマネの調査研究に携われる場、情報を共有できる場を提供するのが目的。



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