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太郎坊のそよ風
NPO法人 富士山測候所を活用する会 スタッフブログ

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21日(水)早朝、加藤准教授(首都大学東京)からメールが飛び込んだ。SO2の観測データに桜島噴火の影響がでているらしいとの第一報である。鹿児島市・桜島(1117㍍)で爆発的噴火があったのは、18日(日)午後4時31分。報道によれば、噴煙は火口から約5000㍍まで上昇したという。


2013年8月21日 水曜日 午前5:41
首都大学東京の加藤です。
8月20日の21時ごろから21日の3時ごろにかけて
SO2(*1)濃度が上昇しており、暫定的なデータですが4ppbぐらいにまであがっています。桜島の噴火の影響を捉えているのかもしれません。CO、O3はこのときかなり低濃度で、海洋性の大気のはずです。太平洋からの空気が桜島の影響をうけて富士山に到達したのでしょうか。

イメージ 1
SO2濃度が8月20日の21時ごろから21日の3時ごろまで高くなっているのがわかる



加藤先生は毎夏、富士山頂でCO、O3SO2を数年間継続して観測しておられる。観測データは無線LAN−インターネットを経由して大学で監視できるようになっており、毎日準リアルタイムでホームページ上で配信している。

10時頃、こんどは
バックワードトラジェクトリーの計算結果を添付した続報が届く。

2013年8月21日 水曜日 午前10:00

8月20日21時〜21日3時(JST)でのSO2高濃度ですが、バックワードトラジェクトリー(*2)でみるとちょうど桜島のあたりを通過しており火山ガスをひっかけている可能性が高いです。(添付ファイルはUTで20日15時、JSTで21日0時のものです)昨夜のSO2高濃度ですが、バックワードトラジェクトリーから桜島の影響だと判断してよいかと思います。

イメージ 2
バックワードトラジェクトリーの計算結果。
このときの空気は桜島のあたりを通過して富士山頂に到達している。


まるで絵にかいたようなぴったりの結果である。
最近、名古屋大学の長田先生から土器屋理事宛に「紙つぶて」の感想(中日新聞連載中)と合わせてつぎのようなメールをいただいていたという。

ところで、今年の夏は、ヘンテコな空気の流れになっているみたいですが、富士山でのSO2やCOなど、例年とくらべてどうでしょうか?
一つは、桜島噴煙の影響があるのではないかと思いますが、いかがでしょう?
もう一つは、西日本の下界では、大陸方面から大気汚染物質がひっきりなしにやってきているようなのですが、富士山の高度ではどうでしょう?
続けてきたからこそわかる「おもしろそうな結果」が得られていることを楽しみにしております。


まさに、続けてきたからこそわかる「おもしろそうな結果」が得られたことになる。これまでに苦労して 
SO2を測定されたことが報われたといえよう。

それにしても、観測が本日21日で終わるのはとても残念。それとも、終了前に間に合って幸運だったというべきか。

イメージ 3
SO2測定は今年から3号庁舎のインレットを使用している。


(*1) SO2 二酸化硫黄(亜硫酸ガスとも言った)。人体に有害な刺激性の微量気体で、人為的には石炭燃焼など工業活動で発生するが、火山ガス、温泉などにも高濃度ふくまれる。
(*2)バックワードトラジェクトリー(後方流跡線):どこから空気が流れてきたを計算でもとめたもの。空気塊がどこから来たのかを時間をさかのぼって追跡する方法で、その場その場の風速と風向や気温などの気象データから計算される。

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