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太郎坊のそよ風
NPO法人 富士山測候所を活用する会 スタッフブログ

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学術研究目的で設置しているライブカメラは今年から2台となり、より広範囲に山頂の様子を捉えられるようになった。1台は昨年までと同じ東方面、もう1台は西方面をそれぞれ撮影した画像データは、5分間隔でサーバーにとり込み保存している。

7月17日(水)。
研究グループの観測機材の荷上げ前日のこの日、各グループが共通で使用する設備の設置取り付けが行われた。

ライブカメラは昨年までも設置していたものの通信環境が思わしくなく、期待された品質の映像はほとんど得ることができなかった。今年は放医研さんの協力を得て、通信ルートを山梨県方面に変更。良好な画像が撮れそうだ。
大気電気、大気化学、エアロゾルの研究にとって、雲の有無は重要な情報。また、大気化学観測や気象観測データの精度向上をはかるためには、気象状態の画像情報が極めて有効であるという。

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昨年設置された3号庁舎のインレット。本格的な運用を始めるのは今夏からだ。

昨年新設された3号庁舎のインレット(大気取り入れ口)。冬季間は現状復帰のため室内に保管してあったが10ヶ月ぶりに屋外に出して再度組み立てられた。1号庁舎の従来のインレットと合わせ、増加する研究者の要望に対応できるようになった。

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気象測器は、インレット同様に3号庁舎ダクトに取り付けられた。

気象測器は、温湿度、風向風速、雨量、気圧観測など、大気化学の研究グループが共通で使用する基本的なデータである。この日からは、無線LANも使用できるようになり、山頂とのインターネット通信も可能となった。

インフラは準備万端整い、あとは研究グループの観測機材の荷上げと観測の開始を待つばかりとなった。
(写真提供:三樹工業様)



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測候所に荷上げする荷物の積み込みに集合した学生。(東京理科大にて17日午前9時頃)


開所2日目。今日から研究グループの機材・食糧などの大量の荷上げが始まる。
午前8時30分、新宿区神楽坂にある東京理科大学では学生が集合し、トラックに積み込み。

荷物が標高1400㍍の太郎坊に到着したのは昼。大学や研究機関が集積している首都圏からのアクセスがいいのは、富士山測候所の強みだ。
首都大東京、早稲田大、東京理科大、東京学芸大の都内各大学と山梨大から集まってきた荷物の総重量は1.5㌧にも上る。

大量の荷物に1台のブルで大丈夫かと心配されたが、学生を含む総勢20数名で伊倉さんらの指示に従って荷物を運び込み、2時間程度かかって何とか1台に収める。積み込みが完了したのは16時40分。

明日朝、山頂に運ばれたこれらの機材は、測候所内外に据え付けられ、8月下旬まで山頂で貴重なデータを採取し観測をつづける。この間、フィルター交換、サンプラーの回収などの人手を必要とする作業は各研究グループが交代であたるほか、山頂班も研究者と共同で作成したマニュアルに従って、運用業務を代行補助する。

今夏は、昨夏新設した3号庁舎のインレット(空気取り入れ口)も本格的な運用を開始する。従来のインレットは気象庁時代から使用してきたが、利用希望の増加に対応できなかったことなどから、昨年増設されたもの。

運用を含めて年々整備されてきた、富士山測候所の研究環境。その成果が期待される。


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ダンボールの荷物は、雨でも型くずれしないよう幾重にもラッピング

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手際よい積み込み作業でみるみる片づいていく荷物

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滋賀県立大G出発前、鈴木さん、岩崎さん

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計量を完了し、積み込みを待つばかり





イメージ 1御殿場口五合目で見かけた真新しい看板。「登山計画書」用のポストや「やめよう弾丸登山」の表示もある。
 

7月16日(火) 午前11時4分。御殿場基地から山頂讃歌MLで第2報が届く。
「山頂から電話があり、10時05分に通電成功とのことです。」

山頂の測候所へ商用電気も届き、今年の夏季観測もいよいよスタートを切った。今日から
8月30日までの46日間、山頂の富士山測候所では山頂班が常駐して研究活動のサポートにあたる。地上の御殿場基地では研究者がボランティアで交代しながらリレーする。

7回目となる今年の夏期観測では、PM2.5の越境汚染の監視に関する調査(大気化学)、大気電気現象および超高層大気の観測(大気電気)、山頂で貯蔵した農畜産物の品質変化の調査(食品科学)、歩行バランスに与える影響の調査(高所医学)などのプロジェクトで、延べ約400人の参加が見込まれている。

富士山世界遺産登録されてから初の夏期観測。登山者も多いというが、報道取材のほうも負けていない。今日一日だけで5社からの問い合わせ。登山計画の調整など、8月末までオペレーションは間断なくつづく。
 
かけがえのない富士山頂の夏。研究者、学生の皆さんには測候所を精一杯利用し、素晴らしい成果をあげていただきたいと思う。そして、ことしも無事に終了してくれることを祈っている。

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7月2日(火)夕刊に掲載された第1回目の題は「富士山測候所」。 *掲載については東京新聞の許諾を得ております。



東京新聞夕刊のコラム「紙つぶて」。このたび、土器屋由紀子・理事が7月から12月まで全26回連載でその火曜欄の執筆を担当することになった。

富士山世界遺産登録が決定し、NPO法人富士山測候所を活用する会の今年の夏期観測がスタートする7月からの連載開始。まさに「ここしかない!」という絶妙のタイミングである。

「情報発信力の強化」は、当NPO法人が掲げる重点施策のひとつ。これまでのブログやFacebookといったソーシャルメディアに加え、
7月から12月までは毎週1回のペースで、新聞紙面からも富士山や富士山測候所を活用した研究などについての情報が発信される。これ以上のメディアミックスはない。

第2回目(7月9日)のラムの題は富士山の自由な風」。大気化学の説明をするときにほとんど決まりきったように出てくる「自由対流圏」という概念を、その専門用語を使わずにわかりやすく説明された。快調なすべり出しである。夏期観測がはじまる三連休明けの16日は、はや3回目の火曜日を迎える。

紙メディアの「紙つぶて」から目が離せなくなってきた。


*なお、土器屋由紀子・理事の「紙つぶて」掲載記事バックナンバーはこちらでご覧になれます。
富士山測候所を活用する会ホームページ>バーチャル博物館>随筆・随想・評論集


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太郎坊にある第1号柱キュービクルの点検作業。見つかったネズミの巣を取り除く。

富士山測候所開所前に行われる送電線点検は、6月に行われた架空線沿線の倒木処理に引き続き、7月に入って1号柱キュービクルの設備点検、ハット、地中ケーブルの点検、山頂電気設備の点検を経て、全体の通電試験で確認してやってひと通り完了となる。

7月8日(月)は標高約1300㍍の太郎坊にある1号柱の設備点検が実施された。ここは昨年8月15日夜、入り込んだネズミがショートさせ、山頂の電気を翌朝まで12時間以上停電させたいわくつきの要注意箇所である。

昨年夏は応急処置として、キュービクルのとびらとの隙間をパッキングで塞ぎ、ネズミの侵入を防ぐことにしていた。この日、点検でとびらを開けたところ、何と枯葉を集めたネズミの巣らしき場所が上下2箇所にあり、その場所を小突いたところ親指大のネズミが2匹出てきたという。ネズミにとっては、昨年の9月からの10ヶ月間、ここは堅牢なキュービクルは他の動物からも保護され、枯葉を敷きつめた二段ベッドの安全・快適なすみかになっていたようだ。

もちろん、8月末の閉所までの応急処置としては、一応功を奏していたのであるが、9月以降は塞いだはずのパッキングが徐々に垂れ下がり再び隙間を生じさせたため、侵入したものと推測される。

今年は開所前に恒久対策を実施することとしていた。とびらの取替も検討したが高価につくため、より安価な方法を採り、パッキングも新しくやり直したうえで
キュービクルの前後のとびらをL字型金具で押さえつけるようにして固定した。

今年の夏も、ネズミとの暑い攻防が始まった。


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枯葉を敷きつめたネズミのベッドは上にも下にもあり、二段ベッドとなっている。

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昨年応急的に入れたパッキングは垂れ下がって、隙間をつくっていた。

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L字型金具をコンクリートの土台に打ち付け、とびらの隙間を生じないように固定した。


(参考 スタッフBLOG) 2013.3.20 巨大原発と富士山を止めた小動物


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