全体表示

[ リスト ]

Don't Answer Me



イメージ 1

「ちょっと君、授業中に居眠りなんてしちゃいかんだろ」

「すみません、ちょっと考え事していたらついつい・・・」

「まあ、よい。授業後に私のオフィスに来るように」

「はい、わかりました・・」

・・・そして授業後・・・

「それで君、いったい何を考えていたんだね?何だか私も気になってしまってね」

「はぁ、でも教授に言うにはちょっと。。たいしたことでもないんで」

「まあいいから、遠慮せずに言ってみたまえ。私でよければ力になろうじゃないか」

「ええとですね。。最近よくみる夢について考えてたんですよ。そしたらつい、うとうとして眠ってしまいました。別に教授の講義が退屈だったわけではないです」

「ふむふむ。それでいったいどんな夢なの?」

「気絶しそうなくらい美しい、一人の女性が毎回出てくるんですよ。しかも、僕と頻繁に会話までしちゃってるんです」

「ふむ。それでその女性はどれくらい美しいのかね?加賀まりこくらい美しいの?」

「誰ですか、それ?」

「なんと!日本のブリジット・バルドーとまで呼ばれた大女優を知らんのかね。絶世の美女とは、まさに彼女のことをいうんだな」

「すみません、、時代がちょっと違うもので・・」

「まあ、よい。続けたまえ。誰に似ているのかね、、その人は?」

「そうですねぇ。。ちょっと例えるのが難しいです。カクテルになら例えられますよ。シンガポールスリングが一番しっくりくるかな。赤い服がこれまた似合うんですよ、素敵でしょ?」

「抽象的で分かりづらいなあ。それで、どんな雰囲気の人なんだい?」

「ええとですね。すごく姿勢がいい人なんです。立ち居振る舞いとか、すべての動作が優雅なんです」

「ちょっと君、それじゃ説明になっていないじゃないか。それでは、その人の魅力がちっとも伝わってこないよ」

「うーん、感覚的なものなので」

「他になにか特徴はないの?」

「身長はそんなに高くないです。でも、鼻は高いです。僕と同じで鼻炎もちで、、、そうだ!、バレーボールを昔やっていて、セッターをやっていたそうです」

「うーん、ますますわからん。もうちょっとわかりすく解説してくれたまえ。私の講義のようにね」

「はぁ。。とにかく美しいんですよ。夢の中なのに、彼女をまっすぐ見れないくらいです。どうも照れくさくて」

「なにをニヤけているんだね、君は。だいたいその人は、君の彼女でも奥さんでもないだろう。まあ、夢の中の話だから細かいことはどうでもいいけど」

「そこなんですよ。夢の中だから細かいことは気にしなくていいはずなんだけど、彼女にたいして過剰に気を遣ってしまうんです。デートに誘いたいな、とか」

「君もスケールが小さいねぇ。私が君くらいのときなんて、もっとガンガン押していたもんだよ。だいたいね、君は女心というものがまったくわかっとらん」

「じゃあ説明してくださいよ、その女心ってものを」

「手短にいうとな、女なんてみんな一緒なんだよ」

「随分とおおざっぱですね。僕にはそうは思えませんが。あんな優雅で美しい人、今まで出会ったことありませんから。あの人と、他の女性を一緒にして欲しくないですね」

「ほんとに青いなぁ、君は。女はな、みんな男に押して欲しいと思っているんだよ。ほれ、日本の女子なんてみな、淑女たれって教育を受けてきただろ?だから男からのアクションを待っているんだよ」

「うーん、なんかイマイチですよ、教授の説は」

「これは私の説ではなく、経験を重ねた男なら誰もが知っている自明の理だ。だいたいね、君、夢の中なんだから好きにやればいいじゃないか。なんで強引に押さないのか、わけわからん」

「いやあ、彼女が目の前にいるとそんなことできないんですよ。声も素敵なんだな、これが」

「またニヤついてる。気持ちが悪いからやめたまえ。ともかく、カラオケにでも誘ってみなさい。そしたら君も満足だろ?」

「いやあ、実はね、教授。カラオケはもう数回行っちゃったんですよ。誘うのにはとっても勇気が要りましたが、楽しかったなぁ。彼女のバラードも素敵だったし。僕も選曲がいいって褒められちゃいましたよ」

「アホかね、君は。まあ、よい。それも立派なデートだ。もう悩みはないな?」

「教授は男心ってやつがわかってないですね。カラオケだけじゃダメなんですよ。もっとね、二人で食事したり、お洒落なバーとか行って、いろんな話をしたいんです。彼女のことをもっとよく知りたいんですよ、僕は」

「君はほんとにウブだねぇ。ともあれ、男は直球勝負が一番だ。正面からドーンぶつかってきなさい。それでダメなら仕方がない。諦めも早くつくしね。どうせ夢の中の話なんだし」

「僕は、この夢を終わらせたくないんです。もっと彼女と二人だけの時間を過ごしたいんです。わかんないだろうなぁ、教授には。この僕の揺れる繊細な気持ちが」

「全然揺れとらんじゃないか。そんなにぞっこんになっちゃって。ともかく、夢の中であろうと直球勝負だ。それだけは忘れないようにな」

「はい・・・」

「君の夢が醒めずに、願いが叶うことを祈ってるよ。私の講義中以外でね」







プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事