広田行政書士事務所&合同会社広田事務所のブログ

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妥当な結論だと思う。
1審との違いがよく理解できないけど・・・。物件の明け渡しと登記の抹消は代金返還と同時でいいと思ったけど。引き換えにっていうことはそういうことだと理解するけど、でもそれって当然じゃないかな。
1審では明け渡しや登記に触れていなかったのかな???
後で判決文を読んでみよう。
 

マンション売買代金全額返還命令…住友不動産に

 札幌市の元2級建築士による耐震偽装問題を巡り、耐震強度不足が発覚した同市中央区の分譲マンションを所有する11世帯14人が、分譲した住友不動産(東京)を相手取り、売買契約は無効だとして代金の返還などを求めた訴訟の控訴審判決が26日、札幌高裁であった。
 井上哲男裁判長は、1審・札幌地裁判決を一部変更し、原告らが住友不動産に物件を明け渡し、登記を抹消することを引き換えに、1審と同様、売買代金の全額計3億7220万円の返還を同社に命じた。
 判決によると、原告らは2003〜04年、同社とマンション売買契約を結んだが、06年になって元建築士の耐震偽装が発覚。同市の調査では耐震強度が基準の86%だった。
 1審判決は、「原告らは、建築基準法が定める基本的性能が備わった建物であることを前提として物件を購入しており、購入の意思表示は無効」と判断。控訴審も、「構造の 瑕疵 ( かし ) は容易に補修でき、契約無効には当たらない」とする同社側の主張を退けた。
2011年5月26日13時44分  読売新聞)
個人的には、家主からすればたっまったもんじゃない。
 
[2011年5月:公表]国民生活センター
http://www.kokusen.go.jp/hanrei/data/201105_1.html

[2011年5月:公表]

洗濯物を干そうとして2階窓から転落死した事故についての賃貸人の損害賠償責任

 本件は、アパートの窓から転落し死亡した事故につき、夫ら遺族が窓に手すり等がなかったことが事故の原因であったとして債務不履行責任ないし土地工作物責任(所有者の責任)に基づいて、賃貸人に対して損害賠償を求めた事案である。
 裁判所は、竿(さお)受け金具がさび付いて伸縮できなかったことから、窓から身を乗り出し、転落する危険性があり、手すりを備えるべきであったとして被告の責任を認めた(ただし、過失相殺9割)。(福岡高裁平成19年3月20日判決)
  • 『判例タイムズ』1251号217ページ
  • 『判例時報』1986号58ページ
  • 確定

事件の概要
原告:
Xら(被害者Aの夫Xおよび子ども)
被告:
Y(アパートの所有者・賃貸人であり、Bの相続人)
関係者:
A(死亡した被害者)
B(Yの被相続人)
  1. (1) Xは、平成12年10月1日、Bより木造セメント瓦葺(かわらぶき)2階建て建物(本件建物)を賃料4万5000円、賃貸借期間2年間の約定で賃借し、XらおよびAと居住していた。
     本件建物は、昭和48年2月に建築され、1棟の建物の内部が中央部で2つに区分されている1棟2戸の構造で各戸には1階と2階をつなぐ階段が設置されていた。本件居室は、正面向かって右側部分の1階および2階部分で、1階には玄関のほか、浴室、トイレ、台所、居室1間が、2階には居室2間があった。
  2. (2) A(身長約157cm)は、准看護師として勤務しながら、家事を取り仕切っていた。
     洗濯物を干す時は、2階の南東側の窓(本件窓)の外に取り付けてあった竿受け金具(本件竿受け)に物干し竿を渡し、その竿に干していた。
     Aは、平成14年11月6日午前8時50分頃、本件窓の外に洗濯物を干している際に、本件窓から玄関前のコンクリート舗装の駐車スペースに転落し(本件事故)、救急車で病院に搬送されたが、脳死状態であり、同月16日、急性硬膜下血腫により死亡した。
     本件窓は、床(畳)面から約73cmの位置に窓枠下部があり、2枚の窓ガラスを交互にスライドさせて開閉する構造となっており、手すりや柵(さく)等は設置されていなかった。
     本件竿受けは、本件窓の両脇の外壁に設置された蛇腹式(伸縮式)のもので、竿を受ける位置が遠近2カ所に設けられており、本件事故時には既にさび付いて伸縮できない状態であり、外壁面から本件竿受けの先端までの距離は47cm、2階床面を基準とした本件竿受けの高さは、138.5cmである。
  3. (3) Xらは、窓に手すりがないことが建物の欠陥であると主張し、Bの相続人であるYに対して、債務不履行責任ないし土地工作物責任(所有者の責任)に基づいて損害賠償を求めた。
     これに対し、Yは、本件建物は法規に則(のっと)り、適法に建築されたものであり、賃借人より危険性の指摘があったこともなく、また、本件窓は、工作物に当たらないなどと反論した。
     原判決は、アパートができてから30年近くになるが、これまでも無事故であること、入居者から特に危険であるとの指摘もなかったこと、A自身も入居後2年以上生活をしていて、洗濯物を干してきたことなどの理由により、本件窓には欠陥はなかったとして、Xらの請求を棄却したので、Xらが控訴した。


 

理由

  1. (1) XらおよびAが本件居室に入居した際には既に本件竿受けは存在していたものであり、Aは、本件居室に入居して以来、本件竿受けに物干し竿を設置し、これを使用して洗濯物を干していたものである。
     そして、本件竿受けが蛇腹式(伸縮式)であることからすると、本件窓の外に洗濯物を干す際には、片方の窓ガラスを開け、蛇腹部分を移動させて本件竿受けを手前に引き寄せ、洗濯物を物干し竿に直接掛けるか、あるいは、物干し用品(ハンガー類等)に洗濯物を干し、これを物干し竿に掛けた後、蛇腹部分を移動させて本件竿受けを必要な位置まで伸ばすかすることが予定されていたものと考えられる。しかし、実際には、蛇腹部分がさびているために伸縮させることができなかった。
     本件窓が床(畳)面からの高さ(腰高)約73cmの位置に窓枠下部があって、2枚の窓ガラスを交互にスライドさせて開閉する構造となっていたこと、本件窓には手すりや柵等は設けられていなかったこと、Aは身長約157cmであったことからすると、本件窓から身を乗り出した場合、窓下に転落することもないとはいえない。特に、本件竿受けの蛇腹部分がさび付いて本来の伸縮機能を失っていたことからすると、洗濯物を干すためには、手に洗濯物を持ったままの状態で、本件窓からある程度外に身を乗り出さなければならないことが考えられるのであって、万一身体のバランスを失ったような場合には、そのまま下に転落する危険性がなくはなかったものである。
     そうであれば、本件窓に手すりや柵等を設置して、転落防止に備えるべきであり、本件窓の腰高に瑕疵(かし)がないからといって、本件窓が十分な安全性を備えていたということにはならない。
  2. (2) 本件窓の腰高自体は相当性の範囲内にあったこと、本件竿受けの蛇腹部分が有効に機能していれば、洗濯物を干す際にも、通常の注意を払えば転落することはないと考えられること、本件建物と別棟は、本件事故発生まで30年近く転落事故の発生がないこと、XらやAは2年以上、本件居室で生活を続けてきたが、AおよびXが、本件竿受けの修理・調整をすることもなく、また、Bにその不具合や危険性を訴えなかったことなどの事情によるとAの過失も極めて大きく、90%の過失相殺をするのが相当である(損害合計4827万余円のうち、482万余円と弁護士費用30万円を認めた)。


 

解説

  1. (1) 本件は、洗濯物を干そうと身を乗り出し居室の窓から転落し、家庭の主婦が死亡した事故につき、本件窓の腰高自体は瑕疵とはいえないが、本件窓の外に手すり等を設置して転落防止に備えるべきであったのであり、本件窓は十分な安全性を備えていなかったとして、アパート賃貸人の損害賠償責任を認めた事案である。
     建築基準法などの建築法規には、建物の窓の腰高について、これを直接規制する規定はなく、建築業界では、一般に幼児が足をかけてよじ登ることができる高さ65cmと、幼児の転落を防止するに足りる高さ85cmを参考にするのが相当であるとされている。しかし、本判決は、そのことだけで窓の通常有すべき安全性が決まるわけではないとして、その窓の利用方法などを考慮して安全性が欠けていると判断したものである。
     土地工作物の設置保存の瑕疵の主張に対して、行政法規に違反していないという反論だけでは適切な抗弁とはならないことを明らかにしたものである。
  2. (2) 窓からの転落事故に対する建物所有者の損害賠償責任については、肯定、否定の判例がある。
     肯定した判例としては、男性が賃貸マンション4階の友人宅の窓から転落死亡したことにつき、窓に手すりがなく、腰高が約40cmしかなかったことについて、賃貸人である所有者の工作物責任を認めた事例(過失相殺7割、参考判例(1))、居室の窓枠から手すりが外れたため居住者が窓から転落して頭蓋骨(ずがいこつ)骨折等の傷害を負ったことにつき、建物所有者の工作物責任を認めた事例(過失相殺2割、参考判例(2))、男性の入院患者が病室の窓から外に転落して死亡したことにつき、入院患者が両下肢麻痺(まひ)で入院しているのに、ベッドをこれと高低差があまりない窓の下に接して配置し、ベッドにも窓にも手すりを設置していなかったとし、病室の物的設備に設置保存の瑕疵があるとして病院の工作物責任を認めた事例(過失相殺なし、参考判例(3))などがある。
     否定した判決としては、新婚旅行中の女性がホテルの窓から転落し死亡した事故につき、ホテル経営会社の工作物責任を否定した事例(参考判例(4))などがある。


 

参考判例 窓からの転落事故の判例

責任を肯定した事例

  1. (1)東京地裁平成9年12月24日判決、『判例タイムズ』991号209ページ
  2. (2)東京地裁平成9年4月15日判決、『判例時報』1631号96ページ
  3. (3)高知地裁平成7年3月28日判決、『判例タイムズ』881号183ページ

責任を否定した事例

  1. (4)大阪地裁昭和63年2月26日判決、『判例タイムズ』680号195ページ、『判例時報』1288号108ページなど

 
平成21()1260
事件名 土地建物共有持分権確認請求事件
裁判年月日 平成230222
法廷名 最高裁判所第三小法廷
裁判種別 判決
結果 棄却
 
原審裁判所名 東京高等裁判所   
原審事件番号 平成20()6006
原審裁判年月日 平成210415

 
最高裁判所第三小法廷平成23年02月22日判決
 

主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理 由
上告代理人岡田進,同中西祐一の上告受理申立て理由(ただし,排除されたもの
を除く。)について
1 本件は,被相続人Aの子である被上告人が,遺産の全部をAのもう一人の子
であるBに相続させる旨のAの遺言は,BがAより先に死亡したことにより効力を
生ぜず,被上告人がAの遺産につき法定相続分に相当する持分を取得したと主張し
て,Bの子である上告人らに対し,Aが持分を有していた不動産につき被上告人が
上記法定相続分に相当する持分等を有することの確認を求める事案である。
2 原審の適法に確定した事実関係の概要は,次のとおりである。
(1) B及び被上告人は,いずれもAの子であり,上告人らは,いずれもBの子
である。
(2) Aは,平成5年2月17日,Aの所有に係る財産全部をBに相続させる旨
を記載した条項及び遺言執行者の指定に係る条項の2か条から成る公正証書遺言を
した(以下,この遺言を「本件遺言」といい,本件遺言に係る公正証書を「本件遺
言書」という。)。本件遺言は,Aの遺産全部をBに単独で相続させる旨の遺産分
割の方法を指定するもので,当該遺産がAの死亡の時に直ちに相続によりBに承継
される効力を有するものである。
(3) Bは,平成18年6月21日に死亡し,その後,Aが同年9月23日に死
亡した。

- 2 -
(4) Aは,その死亡時において,第1審判決別紙目録1及び2記載の各不動産
につき持分を有していた。
3 原審は,本件遺言は,BがAより先に死亡したことによって効力を生じない
こととなったというべきであると判断して,被上告人の請求を認容した。
4 所論は,本件遺言においてAの遺産を相続させるとされたBがAより先に死
亡した場合であっても,Bの代襲者である上告人らが本件遺言に基づきAの遺産を
代襲相続することとなり,本件遺言は効力を失うものではない旨主張するものであ
る。
5 被相続人の遺産の承継に関する遺言をする者は,一般に,各推定相続人との
関係においては,その者と各推定相続人との身分関係及び生活関係,各推定相続人
の現在及び将来の生活状況及び資産その他の経済力,特定の不動産その他の遺産に
ついての特定の推定相続人の関わりあいの有無,程度等諸般の事情を考慮して遺言
をするものである。このことは,遺産を特定の推定相続人に単独で相続させる旨の
遺産分割の方法を指定し,当該遺産が遺言者の死亡の時に直ちに相続により当該推
定相続人に承継される効力を有する「相続させる」旨の遺言がされる場合であって
も異なるものではなく,このような「相続させる」旨の遺言をした遺言者は,通
常,遺言時における特定の推定相続人に当該遺産を取得させる意思を有するにとど
まるものと解される。
したがって,上記のような「相続させる」旨の遺言は,当該遺言により遺産を相
続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には,当該
「相続させる」旨の遺言に係る条項と遺言書の他の記載との関係,遺言書作成当時
の事情及び遺言者の置かれていた状況などから,遺言者が,上記の場合には,当該
- 3 -
推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべ
き特段の事情のない限り,その効力を生ずることはないと解するのが相当である。
前記事実関係によれば,BはAの死亡以前に死亡したものであり,本件遺言書に
は,Aの遺産全部をBに相続させる旨を記載した条項及び遺言執行者の指定に係る
条項のわずか2か条しかなく,BがAの死亡以前に死亡した場合にBが承継すべき
であった遺産をB以外の者に承継させる意思を推知させる条項はない上,本件遺言
書作成当時,Aが上記の場合に遺産を承継する者についての考慮をしていなかった
ことは所論も前提としているところであるから,上記特段の事情があるとはいえ
ず,本件遺言は,その効力を生ずることはないというべきである。
6 以上と同旨の原審の判断は,正当として是認することができる。論旨は採用
することができない。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官田原睦夫裁判官那須弘平裁判官岡部喜代子裁判官
大谷剛彦裁判官寺田逸郎)
 
国民生活センターHPより 2月公表

隣地住人による建築妨害が宅地の隠れた瑕疵に当たるとされた事例

 本件は、購入した土地に建物を建築することを脅迫的言辞をもって妨害する者が隣地に居住しており、今後も妨害の継続が予想される場合、本件売買土地は、宅地として通常保有すべき品質・性能を欠いているとして、民法570条の瑕疵(かし)担保責任に基づく損害賠償請求を認めた事例である。(東京高裁平成20年5月29日判決)
  • 『判例時報』2033号15ページ
  • 確定

 

事件の概要

原告(被控訴人):
X(消費者)
被告(控訴人):
Y(売主)
関係者:
A(隣地の住人)
B(本件工事を請け負った会社の代表者)
 Xらは、平成17年3月23日、Yらから、住宅を建築する目的で、本件売買土地を代金5170万円で買った。
 物件目録記載一の土地(本件敷地部分)は、建物の敷地として使用できる部分であり、同二の土地(本件セットバック*部分)は、本件敷地部分の北西側に接し、建築基準法42条2項の規定により道路とみなされる部分であり、同三の土地は、本件セットバック部分の北西側に接する私道(本件私道)の共有持分である。
 本件私道を挟んで本件敷地部分および本件セットバック部分の反対側(北西側)の宅地(本件隣地)の上の建物にAが居住している。
 Xらは、平成17年11月15日に本件敷地部分に建築する予定の建物について建築確認を受け、同月24日に地鎮祭を行い、建築工事を請け負ったBと一緒に近隣に挨拶(あいさつ)回りをした。
 Bは、その日の夜、Aから電話を受け、脅迫的な口調で、「事前に施工者として、図面を持って説明に来るのが筋だろう。明日の午前9時30分までに来い」という趣旨の申入れを受けた。
 BとXらは、同月26、27日にA宅を訪れ、建築確認を受けた建物の設計図面を示すなどして説明をした。しかし、Aは、Bにその建物を本件敷地部分に建てた場合に生じる日影の状況を実験させるなどしたうえ、その日影がA宅の建物の縁側に届くなどとして怒り、BとXらに対して「ばか野郎」などと繰り返し怒鳴りつけながら、「法律も区の判断もどうでもいい。自分の家の縁側に影がかからないことがすべてだ」「この図面はインチキだろう。俺(おれ)をだまそうとしているのだろう。若いやつらが動くぞ」「俺は有名な右翼だ」「俺はおまえのようなやつを殺したことがある」などと脅迫的で威圧的な暴言を並べ立て、設計の変更を強く迫った。
 Aからこのような要求を受けたXらは、警察署、近隣住民、建築会社などからAに関する情報を入手し、Aが暴力団関係者である可能性があり、その意向を無視して本件敷地部分に建物の建築を強行すれば、Aやその意を受けた者から、どのような危害を加えられるかも知れないと考えて畏怖(いふ)し、その建築を中断した。
 このような状況で、Xらは、Yらに対し、このような住人が隣地に居住していることは同宅地の隠れた瑕疵に当たる、または、Yらがそのような住人が隣地に居住していることをXらに説明しなかったのは説明義務違反に当たると主張して、瑕疵担保または債務不履行による損害賠償請求権に基づき、損害金5630万1360円の支払いを求めた。
 原審が1551万円を限度にXらの請求を認容したところ、Yらはこれを不服として控訴した。
* 土地に接する道路の幅員が4m未満の場合、道路の中心から道路境界線を2m後退させること。


 

理由

 売買の目的物に民法570条の瑕疵があるというのは、その目的物が通常保有すべき品質・性能を欠いていることをいい、目的物に物理的欠陥がある場合だけでなく、目的物の通常の用途に照らし、一般人であれば誰もがその使用の際に心理的に十全な使用を著しく妨げられるという欠陥、すなわち一般人に共通の重大な心理的欠陥がある場合も含むと解するのが相当である。
 これを本件についてみると、Aは、本件売買契約前から、Yらに対しても、脅迫的な言辞をもって、本件セットバック部分だけでなく、Aによる建築禁止要求部分にも建物を建築してはならないという、誠に理不尽な要求を突きつけている。このような脅迫罪や強要罪等の犯罪にも当たり得る行為をいとわずに行う者が本件私道のみを隔てた隣地に居住していることは、その上に建物を建築、所有して平穏な生活を営むという本件売買土地の宅地としての効用を物理的または心理的に著しく減退させ、その価値を減ずるであろうことは、社会通念に照らして容易に推測されるところである。
 しかも、Aは、妻の所有する本件隣地上の建物に居住しているから、そのようなAによる要求は、一時的なものではあり得ず、今後も継続することが予想されるところである。
 そうすると、本件売買土地は、宅地として、通常保有すべき品質・性能を欠いているものといわざるを得ず、本件売買土地には、本件瑕疵、すなわち、脅迫的言辞をもって本件敷地部分における建物の建築を妨害する者が本件隣地に居住しているという瑕疵があるというべきである(裁判所は、本件瑕疵の存在による本件売買土地の減価率を15%と認定し、Yらに775万5000円の支払いを命じた)。


 

解説

 瑕疵担保責任(民法570条)が認められるには、売買の目的物に「隠れた瑕疵」があることが必要である。瑕疵とは、売買の目的物が通常備えている品質を備えていないことである。
 参考判例(1)は、マンションを家族で居住するため買い受けたところ、売主の妻が約6年前に首吊(つ)り自殺をしていた事実が判明したという事例である。裁判所は、目的物が建物である場合、建物として通常有すべき設備を有しない等の物理的欠陥としての瑕疵のほか、建物は、継続的に生活する場であるから、建物にまつわる嫌悪すべき歴史的背景などに原因する心理的欠陥も瑕疵と解することができるとした。そして、解除しうる瑕疵であるためには、単に買主が上記の事由がある建物の居住を好まないだけでは足りず、それが、通常一般人において、買主の立場に置かれた場合に、上記の事由があれば、住み心地の良さを欠き、居住の用に適さないと感ずることに合理性があると判断される程度に至ったものであることを必要とするとし、本件建物は、通常人において、子供も含めた家族で永続的な居住の用に供することには妥当性を欠くことは明らかであるとして、瑕疵担保責任に基づく契約の解除を認めた。
 他にも、売買の目的土地のすぐ近くに暴力団事務所が存在することが目的土地の隠れた瑕疵に当たるとして、売主に損害賠償を命じた事例(参考判例(2))、中古マンションの売買につき、暴力団組員が居住しており組員による迷惑行為が一時的ではなく通常人にとって明らかに住み心地の良さを欠く状態に至っているとして、買主の売主に対する瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求を認めた事例(参考判例(3))がある。
 また、居住用不動産の売買において、隣人とのトラブルについて、売主および売主側の仲介業者に説明義務違反があったとして損害賠償請求を認めた事例(参考判例(4))がある。
 本件被告は個人であり、事業者ではないが、心理的瑕疵についての本判決の判断は、消費者判例にとっても有用である。


 

参考判例

  1. (1)横浜地裁平成元年9月7日判決、『判例タイムズ』729号174ページ、『判例時報』1352号126ページ
  2. (2)東京地裁平成7年8月29日判決、『判例時報』1560号107ページ、『判例タイムズ』926号200ページ、『金融・商事判例』1012号27ページ
  3. (3)東京地裁平成9年7月7日判決、『判例時報』1605号71ページ、『判例タイムズ』946号282ページ
  4. (4)大阪高裁平成16年12月2日判決、『判例時報』1898号64ページ、『判例タイムズ』1189号275ページ、『金融・商事判例』1223号15ページ


 
 
昨年の4月頃に鳥取の行政書士が非弁で大阪弁護士会から告発されて、逮捕なんていう毎日新聞の
記事もあったんですが・・・
いまだ、起訴なのか不起訴か処分も出ていません。
弁護士も検察ももとはといえば同窓生なんですけど、こんなところで同窓意識てか仲間意識出さないで
、早く結論は出してもらいたいものです。
 
その行政書士氏の奥さんがその辺のことを本にしたそうです。
紹介します。
 

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