下町育ちのたかちゃん

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たかちゃん綴り

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背中で歩く芋虫

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私は10数年前、旧浦和市の東側、緑がまだたくさん残っている地区内の新しく造成されたばかりの区画整理地に引っ越してきたが、その後まもなく、同じその区画整理地内の一角にできた貸し農園の1区画(約10坪)を借り、それ以来ずっと「畑遊び」をしている。

畑を耕していると、いろいろな虫に出会う。私は東京・下町育ちなので、これまで見たことがない虫やその幼虫、これまでその実態を知らなかった虫が少なくない。そこで、野菜作りの中でその野菜に取り付く虫やその幼虫に出会うと、まるで小中学生時代にかえって「昆虫採集」をするような感じで、これらの虫やその幼虫たちを観察し、その名前や「素性」を調べる。
例えば、今年初めてヒョウタンづくりに挑戦したが、その中で、私が大事にしているヒョウタンを食害している虫が「ウリキンウワバ(瓜金上羽)」「ハスモンヨトウ」「ウリハムシ(瓜葉虫)」であることを知った。

これまで、私の畑で見つかった虫はほとんど、インターネットで調べたり友人に聞いたりすれば、その名前を知ることができた。しかし、長い間、その名前が分からなかった不思議なイモムシがいた。

そのイモムシは、体の部分が白く、太った、長さ2〜3cmほどの虫で、毎年秋、夏秋野菜を片付け、秋冬野菜の種まきの準備で畑を耕していると、見つかる。初めてそのイモムシを見つけたときは、「カブトムシやクワガタムシの幼虫に多少似ているようだが、まあ、コガネムシの幼虫あたりかな」くらいに思って、やり過ごしていた。ところがその後、その虫が何と背中で歩くのを「発見」して驚いた。8〜9年前のことだ。

とても珍しく、面白いので、その虫を小さな金魚鉢に入れて職場に持ち込み、仲間たちに披露したら、皆、面白がり、不思議がった。仲間たちの中には、昆虫類に詳しい係長もいたが、彼にとっても、背中で歩くイモムシを見るのは初めてのことで、彼にもその虫の名前は分からなかった。その虫を「子どもに」と、もらって行ってくれた女性職員がいたが、彼女はその後退職したので、その後どうなったか、分からない。

それ以来、毎年その虫に出会うにもかかわらず、私にとって、その虫は「名無しの権兵衛」だった。
先月、畑を耕していて、またその虫に出会った。8〜9年前に調べたときは分からなかったが、いつまでも「名無しの権兵衛」にしておくのも落ち着かないので、もう一度よく調べてみようと調べ始めた。そうしたら、あった、あった! その背中で歩くイモムシの名は「ハナムグリ」だった。

Wikipedia(http://ja.wikipedia.org/wiki/) の「ハナムグリ」の項には、次のように書かれていた――


◆ハナムグリ(花潜、Cetonia(Eucetonia)pilifera pilifera)は、コウチュウ目・コガネムシ上科・コガネムシ科・ハナムグリ族・ハナムグリ亜族・ハナムグリ属に属する昆虫の一種名(和名)である。春から秋にかけて各種の花に飛来し、背面は緑色で、体長は14〜20mmほど。花の受粉に深く関わっている昆虫の一つでもある。和名の由来は成虫が花に潜り、花粉や蜜を後食することによる。
◆また同時にこの名は、コガネムシ科の内、ハナムグリ亜科、トラハナムグリ亜科、ヒラタハナムグリ亜科、ヒゲブトハナムグリ亜科に属する昆虫の総称としても使用される。
   …………………………
◆カナブンもハナムグリ亜科に属する広義のハナムグリの一種であるが、この名称は金属光沢に富んだコガネムシ科の昆虫の俗称的総称でもあるので、注意を要する。
   …………………………
◆また多くのコガネムシ類が夜行性である[要出典]に対して、ハナムグリは昼行性で昼間に活発に飛翔する種類が少なくない。
   …………………………
◆幼虫は腐葉土、堆肥、朽木といった腐植質を食物として育つ。その形は、一般にジムシと呼ばれるもので、硬い頭部以外は柔らかく薄い外皮につつまれ脂肪に富んでいるため、多くの動物の餌になる。胸部、腹部の区別なく円筒形に近いが、腹面は平らになっている。胸部にある三対の歩脚は硬い外骨格があってしっかりしているが、短くて体を支えるにはほとんど役にたたない。眼は(複眼も単眼も)存在しない。
 このような形態はコガネムシ科甲虫の全種、またコガネムシ上科のクワガタムシ科ともほぼ共通である。
 ただ、興味深い特徴として、ハナムグリの名を冠する亜科群のうちハナムグリ亜科の幼虫は、前述のような近縁のグループの幼虫に比べて、著しく移動力に富む種が多い。餌に潜り込んでいる状態では他のコガネムシ上科の昆虫の幼虫と同様に体をC字形に曲げて生活しているが、地中の餌を食い尽くした場合や、潜り込んでいる餌の中から人為的に掘り出されると、地表で背面を下にして体を真っ直ぐ伸ばし、背面に密生する剛毛を地面に引っ掛けながら蠕動し、かなりの速さで歩行する。つまり、背中で歩くわけで、実際に見てみるとユーモラスな動きである。このハナムグリの幼虫の歩行は、農村地帯の道路や都市郊外の畑などで、たまに日中でも目撃されることがある。


8〜9年前、自分はどんな「調査活動」をしたのだったか、もう忘れてしまったが、今回、こんなに早く情報を見つけられるとは思わなかった。長年の懸案が解決して、すっきりした。

それにしても、背中で歩くとは、つくづく面白い虫だ。「一体、どういう神経をしているのだろう?」。
土中を這い回るのだから、背中が上でもお腹が上でも、どっちでも構わないのかも知れない。しかし、そうは言っても、例えば「重力」というものがあるだろう。それを感じないのだろうか──。
ともあれ、世の中にはこんな虫もいるのだ。



【写真1】は、ハナムグリの幼虫2匹と、それより小さな他の甲虫類の幼虫。(写真はいずれも、先月26日の朝、撮ったものだ。)

【写真2】は、腹を上にし、体を伸ばして、背中で歩くハナムグリ。【写真1】の2匹のハナムグリのうちの一方をやや土の固い部分に移し置いたら、やがて、このように仰向けになって歩き出した。

【写真3】は、【写真1】の場所にそのまま置いておいたハナムグリが、やがて動きだし、頭から土の中に潜って行ったところ。尻尾の部分がまだ見える。小さな方の虫は、まだじっとしている。
      

★ハナムグリ、コガネムシやカブトムシ、クワガタムシの幼虫の写真を見たい方は、次のサイトでそれを見ることができますよ。

   http://park7.wakwak.com/~yachi_ken/Insect/index.htm
   (やっちー研究所 / 昆虫研究棟)

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