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Something Missing---タンゴってステップをするだけですか?
最近、東京のミロンガに出歩いていると、ブエノスアイレスでのミロンガとの
ギャップが目につき、いろいろ葛藤することがあります。
今日は、そんな日常の出来事から、
ある人のエピソードを思い出したので、それを紹介しましょう。
彼をフランクさんと呼びましょう。
その男性は、カリフォルニアでタンゴを踊って何年か経つ人で、
エレガントなステップを魅せるのが好きで、
ミロンガのフロアで幅をきかせて熱心に何とかステップ
を女性とやってみせるのでした。
最近ブエノスアイレス旅行から戻ってきたそうで、
あちらのミロンガへ行って踊ってきた、と自慢げにその話を披露していたのでした。
もう一人、私が知り合った、チェさんという、もう一人の男性がいまして、
フランクさんともよく話をしていたカリフォルニアのタンゴコミュニティの中の要人でした。
そのチェさんは、タンゴをはじめてかなりたつベテランの方で、
毎年最低2回ブエノスアイレスへタンゴ修行旅行へ出かける、
そう、アメリカにたくさんいるタンゴマニアのひとりで、典型的な人でした。
ですから、よ〜くブエノスアイレスの事情は知っているらしく、
ある時、チェさんが、フランクさんに、どのミロンガに行って、どんなふうに過ごしてきたかを尋ねたそうです。
ここからは私とそのチェさんの話の内容です。
「フランクさんって人に会ったんだけど、チェさんはご存じですか?」
「ああ、フランクさんね、知ってますよ。よく会いますね。」
「そうですか、彼はこの間ブエノスアイレスに旅行して、ミロンガで踊ってきたそうですね」
「ああ、そうらしいが、踊ってきた、というより・・・・・・」
「なんか問題あるんですか?」
「・・・・・・ここだけの話だけどね、”踊れなかった”んだよ、実は。」
「?何でですか?あれだけ自慢してるじゃないですか。」
「実はね、僕が尋ねたんだけど、ここだけの話、
踊ってきた、のだけでなく、ミロンガから追い出されたんだって。」
「追い出された????」
「いや・・・その・・・だから、彼が、ああいう踊りをしているから、
それをそのまま現地のミロンガでやったら、追い出されたんだよ。」
この話を聞いたときは私はブエノスアイレスに行ったこともなく、
タンゴを初めて一ヶ月!超初心者でしたので、
この話が何を意味するか、よくわかりませんでした。
しかし、その後、私がブエノスアイレスへ行き、
伝統ミロンガへ通う常連になったとき、
チェさんが言わんとしたこと、
その時何がフランクさんの身に起こったのか、がわかりました。
彼が、現地のミロンガへ行ったことは、事実なのですが、
彼の踊り方が現地のフロアで通用しなかったのです。
現地の儲かっている人気ミロンガへは、一晩で150人を越える人がきます。
会場の大きいところならもっと人が集まります。
しかし、反対に、踊るスペースはアメリカなどのたいていのスタジオと同じサイズか、やや狭めで、幅を利かせているのが、
テーブル席のスペースです(以前から投稿しているとおり、現地ミロンガは座席指定制です)。
そんな狭い場所で、大人数が一緒に踊ります。
各カップルに与えられたスペースは非常に限られていて、
フロアにはダンスの列が、円を作り、二重三重になり、
それに沿ってぶつかることなく、フロア全体と一緒に
徐々に進みながら、踊っていきます。
一曲踊っても、元の位置から2メーターも進んだか?というくらい進みません。
そんな狭い場所で有効にスペースを使って周りに迷惑かけないように、
それでいて楽しめる、そんな踊り方を現地のミロンゲーロたちはするのです。(ミロンゲーロスタイルの特徴)
現地のミロンゲーロがミロンガで踊るということを、
フロアにいる全員が一つになって踊る、と表現したことがあります。
彼らにとって、タンゴをミロンガにて踊るということは、
決して単独でガラガラのフロアで好き勝手に踊ることでなく、
周りにぶつからないように女性を守りながら、
それでいて、上手なダンサーがたくさんいるような大混雑の
大繁盛のミロンガのフロアの活気を味わいながら、
ダンスの流れに沿って、与えられたスペースのなかで、
自分の音楽の解釈を体の動きに変換し、
パートナーとのコミュニケーションを楽しむことなのです。
ですから、混んでいる=すばらしい人混み(ダンスの)=活気のあるいいミロンガ、であって、そこで踊るのを楽しみます。
決して、混んでいる=踊りにくい=楽しくない、
ではないのです。
彼らにとって、一番腹が立つのが、一人でスペースを占領し、
流れを遮り乱して、周りに迷惑をかけながら踊っている人です。
そういったフロア状況はミロンガの質をあらわしています。
非常に上手な人がたくさん集まるミロンガでは、
非常にスムースで流れのいいフロア状況になることは当然です。
タンゴが上手である、という判断をするチェック項目の中に
混んでるスペースでも上手に踊ることができる、というものがあります。
ナビゲーション、と表現されるこの能力はとくに大切で、
特にこれ、といって、ブエノスアイレスでのタンゴレッスンで
教えられている内容ではないですが、
現地のレッスンは非常に混んでいるクラスもあり、
そういったレッスン内で練習することによって、
自然と身につけていくものかもしれませんし、
ミロンガへいって、他人が大混雑の中で踊っているのを見て学び、
いずれできるようになってから、ミロンガのフロアで
踊れるようになるのでしょう。
なぜ、フランクさんが現地ミロンガで踊っているときに
追い出されることになったかわかりますか?
そう、フランクさんはフロアの流れを乱して踊っていたので、
現地人のミロンガ規範から外れており、
周りの人の迷惑・安全上、これ以上は無理、と
判断されて追い出されてしまったのです。
以前投稿しましたが、現地のミロンガでは、
ミロンガの主催者がお客が座る席を、
踊りの能力と質で判断して、エスコートします。
現地のミロンガ主催者はそうやって、ミロンガの
フロアの質も守り、コントロールしているのです。
タンゴを踊ることは、タダ単にステップをやることでしょうか?
すくなくとも、ミロンゲーロたちにとっては、ステップをうまくできるかだけが大事なのではありません。
このフロアで、この質の高い人混みで、
この活気の中で、
この音楽で、このパートナーと、タンダのひとときを
楽しむのが目的なのですから。
これらすべての条件がマッチしてはじめて、
満足げに楽しそうな顔をみせ、
”ここのミロンガはすばらしい!”
と言うのです。
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関西でも2.3年前のミロンガではステージで踊られるようなアクロバット的なステップを使うペアが見られましたが最近は見かけなくなってきました私自身もそれが普通だと思っていたのですが。
2007/7/23(月) 午後 10:10
hattangoさん、こんにちは。関西のミロンガはどんな感じですか? 東京はまだまだブエノスアイレスには遠いです・・・。がらがらなのに、隣の人のヒールで蹴られたり、ぶつかったり・・・・(涙)。
2007/7/23(月) 午後 10:38 [ nue*o*ilo*guero ]
六本木のあるタンゴスタジオがるよね。そこの常連さんたちは、普通のスタイル(トラディショナルスタイル)の2・3倍のスペースを使って はでに 踊るよね。それも ミロンガも タンゴも まったく同じ ステップで 踊っているよね。これって トウキョウ・スタイルの ミロンガでの踊り方になっているよね。
2007/7/30(月) 午前 4:35 [ クレヨンしんちゃん ]
クレヨンしんちゃんさん、こんにちは。どこのミロンガでもあまり大差ない気がしますよ。東京では十分スペースがあり、踊っている人数が現地の10分の1以下なのに・・・といつも不思議です。確かに、東京には東京スタイル、というものがあるように見えます。土地が違うと、踊りも変わりますよ〜、アメリカでも、都市によって、ステップの傾向が変わったりします。
2007/7/31(火) 午前 1:30 [ nue*o*ilo*guero ]
つまり世界中通用するタンゴでも、周りの空気を読むって言うことが大切ということですね。郷に入れば郷にしたがえですね。
2009/1/18(日) 午前 10:34 [ ona*ap*co*oco ]