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「Summer Adventure Tag League II」開幕戦となる9日のDRAGON GATE後楽園ホール大会で前代未聞の大事件が勃発。なんと、この日から使用したアメリカ製のリングが第1試合の途中で破損し、急遽リングを撤去。残りの試合を床にマットを敷いたノーリングマッチで行い、超満員札止めとなった2250人の観客も温かく見守った。
ニューリングでタッグリ−グ戦のスタートを迎えるはずだったこの日、第1試合が始まって間もなく、選手が動くたびにマットから異様な音が鳴り始め、鉄柱の1本がグラリと傾いてロープがゆるゆるにたわんでしまった状態に。エプロンまでもが沈み、客席が驚きと恐怖でざわつく中でも試合は最後まで行われたが、試合後に急遽リングチェックを行うと、衝撃の事実が発覚した。
鉄柱とリングをつなぐ支柱の溶接がはずれたため、鉄柱の1本が大きく傾き、キャンバス面を支える鉄柱が完全に下に落ちてナナメになっている状態に。もちろん、この状況では試合が続行できるはずはなく、急遽選手、スタッフ、さらには欠場中のCIMAまでもが加わってリングの撤去作業が行われた。
何もなくなった元リングの場所に立った岡村隆史社長は「アメリカからリングを発注したところ、こういう結果になってしまいすみません」とまずは謝罪すると、「このままだと試合続行はできません。しかし、皆さんがお許しいただけるなら、ノーリングでやりたいと思います」と観客に問い掛けたところ、観客も拍手で応じたため、急遽床に直接板とマットを敷き、キャンバスを重ねてガムテープで床に貼り付けた上で試合が行われることになった。
過去にFMWの地方大会でリングが会場に届かず、ノーリングで試合が行われたことはあったものの、超満員に膨れ上がった後楽園の会場でノーリングマッチが行われるのは初めて。選手たちにも最初こそ戸惑いがあったものの、ロープや鉄柱の代わりにイスや机、会場のステージを利用するひらめきを見せ、観客もいつも以上の熱意を込めて声援を送った。
試合後は選手たちが自主的に観客をお見送りして徹底したファンサービスに務め、観客もハプニングを好意的に受け止め、むしろ選手たちをねぎらいながら笑顔で帰路についた。
ノーリングマッチを決意した岡村社長は「これまで数々の団体のピンチがあったけど、それを乗り越えてきたように、今のDRAGON GATEを象徴するような出来事だった。何もないところからひらめきを見せた選手たちもすごいし、ケガもなくて良かったし、お客さんのあたたかさを感じた」と、すべてをプラスに考え、「選手たちの勢いはすごい。止められない」と選手たちをねぎらった。
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