コンケーブ・ショルダー (こんけーぶ・しょるだー)
Concave Shoulder
肩が弓なりにくぼみ、肩先が尖った形状の肩。
コンケーブ =くぼみのある、凹面の という意味
主にテーラード・ジャケットの肩の形状を指し、 70年代に特に強調された形で流行し、極端な形の物も現われた。
英国調と呼ばれるテーラード・ジャケットはコーンケーブした肩が基本的な仕立てとなっており、肩のつくりの重要なポイントとなる。人体は俯瞰で見た時、肩先が前面に位置して肩線は弓なりになっている。裁断された布を前身頃、後身頃を縫い合せて、ただ単に着せ付けただけではカバーできな形状である。テーラードでは、楔形に裁断された芯を 作り芯(出来上がり芯、 加工芯)の肩線に切り込みを入れて嵌め込んだものに、前身頃の肩を沿わせるように仕立てる事を推奨している。 これが、通常言われるコンケーブショルダーである。しかし、デザイン的に意図して極端な形で肩先を尖らせる事も言われるようになった。どちらも、殆どの場合、ロープド・スリーブの形状で袖付を行う。 裄綿(ゆきわた)は極端な形で芯や布を補強しなければならない。しかし、「現在の工業生産されたスーツの殆ど全部がこの仕立てが出来ていない。」といっても過言ではない。それほど難しい工程で、「前肩処理」と言われ、なにしろその肩の部分の布のみ「 癖とり」し湾曲させようというもので、他の箇所で行われる「 癖とり」とは多少異なる。仮に一時的に出来たとしても、それを工程中保持しながら、袖付けや、プレスなどに気を配って仕立て上げるのは至難の事だろうし、着用してもその形状を保たなければならない。マスコミや、販売の中では殆どこの事は語られない。 それは、上記の理由で不可能に近いと言うことが主な理由だろう。しかし、本当の意味で、着心地の殆どがこの処理にかかっている。これは、どのテーラー職人に聞いても同じ事を言うだろう。現在、コンケープショルダーの処理が出来、「ルーム」と呼ばれる肩から胸にかけて出来るゆとりを作る事が出来るのは、本格的なオーダーのみだろう。それを語ることを誰もしない事に驚きを抑えられない。
現在( 2000年頃から)トレンドを打ち出す有名メゾンの殆どがこの英国調のショルダーを意識的に採用している。コーンケーブショルダーに対して、ナチュラル・ショルダーがあり、 アイビールックのジャケットの大きな特徴になっている。(2008/03/20)
参考写真、図
被服構成学 理論編 文化女子大学被服構成学研究室(編集) 文化出版局(発行)
7-6 上半身水平断面重合図(仰観図)から外包囲を求める
7-13 肩先部と正中線位置と厚みの差(人体の石膏像を真上から見た図)
参考書籍
被服構成学 理論編 文化女子大学被服構成学研究室(編集) 文化出版局(発行)
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