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この頃の日本の若い人たちはどうかしてしまったのでしょうね。自分たちの父や祖父たちが、命をかけ、血と汗を流して、ともに興したアジアのことを少しも知ろうとしませんね。
私たちアジアの多くの国は、日本があの大東亜戦争を戦ってくれたから独立できたのです。日本軍は、永い間アジア各国を植民地として支配していた西欧の勢力を追い払い、とても白人には勝てないとあきらめていたアジアの民族に、驚異の感動と自信とを与えてくれました。永い間眠っていた“自分たちの祖国を自分たちの国にしよう”というこころを目醒めさせてくれたのです。
私たちは、マレー半島を進撃してゆく日本軍に歓呼の声をあげました。敗れて逃げてゆく英軍を見たときに、今まで感じたことのない興奮を覚えました。しかも、マレーシアを占領した日本軍は、日本の植民地としないで、将来のそれぞれの国の独立と発展のために、それぞれの民族の国語を普及させ、青少年の教育をおこなってくれたのです。
私もあの時にマラヤの一少年として、アジア民族の戦勝に興奮し、日本人から教育と訓練を受けた一人です。私は、今の日本人にアジアへの心が失われつつあるのを残念に思っています。これからもアジアは、日本を兄貴分として共に協力しながら発展してゆかねばならないのです。ですから今の若い日本人たちに、本当のアジアの歴史を知ってもらいたいと思っているのです。
先日、この国に来られた日本のある学校の教師は、『日本軍はマレー人を虐殺したに違いない。その事実を調べに来たのだ』と言っていました。私は驚きました。『日本軍はマレー人を一人も殺していません』と私は答えてやりました。日本軍が殺したのは、戦闘で戦った英軍や、その英軍に協力した中国系の抗日ゲリラだけでした。そして日本の将兵も血を流しました。
どうしてこのように今の日本人は、自分たちの父や兄たちが遺した正しい遺産を見ようとしないで、悪いことばかりしていたような先入観を持つようになってしまったのでしょう。これは本当に残念なことです。
ハジ・ハブさん。あなたが取材された私の人生の記録、私と一緒に戦った友人たちの真実の姿を、ぜひ日本語で書きつづってください。そしてできれば、現在の日本人たちに読んでもらってほしいのです。ぜひ、このことを、あなたにお願いしたい。
私が、今、お世話になった日本と日本人に、何かお返しすることができるとすれば、このことが残されていました。これは神(アッラー)にかけて、私の心からの願いです。
マレーシア元上院議員 ラジャー・ダト・ノンチック
(クアラルンプールの邸にて)
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