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日本人はほとんど知らないと思いますが、いまの中国のマスメディアでは、「反日」ではなく「仇日」という言葉を使います。
仇日には、日本を恨んで復仇を誓うという強い意味合いが込められています。中国の反日インターネットサイトで「日本人の肉を食らい、日本人の血をすするときが来た」などと書き込まれていましたが、なぜ日本についてほとんど知らない若者がそんな発言をするのでしょう。それは、反日教育の成果としか考えられません。
私もいろいろと戦前の文献をあたりましたが、抗日運動がもっともさかんだったとされる満州事変以降、日中戦争の時代においてすら、中国人はそれほど反日的ではなかったんですよ。たしかに抗日運動はありましたが、日中戦争の実態は汪兆銘政権、蒋介石政権、毛沢東政権の三つ巴の内戦でした。
ところが、日本軍がやってくると、治安が回復し、平和がもたらされたので、一部では歓迎されていたんです。
現代中国史も調べてみると、決して反日だけの歴史ではありません。中華人民共和国が成立した当時の中国は、世界革命と人類の解放に主眼が置かれていましたから、日本についてはあまり関心が払われませんでした。文化大革命までは、ジャパンバッシングではなく、ジャパンナッシングの時代。とくに胡耀邦は、孫文以上の親日国家指導者でした。
ところが、胡耀邦が失脚し、天安門事件が起きて、ソ連も崩壊。社会主義体制が大きく揺らぐと、90年代から政権を維持していくために反日が持ち出されました。
共産党政権を守っていくためには、反日というキーワードしか選択肢はありません。中国の武器の多くはロシア製ですから、反ロシアは難しい。外貨はほとんど対米輸出で稼いでいますから、反米も無理。だから、反日しかない。
さらに、日本政府は弱腰ですから、中国が反日の態度を示すだけで、日本は反省、謝罪したうえにODAもあげてしまう。圧力をかければかけるほど屈してしまう日本人の態度は、中国人民にも説得力があります。
中国の反日は、当分続くと思います。政情が不安定になりやすい中国では、日本を仮想敵国として民族意識を煽らなければ、政権を維持できなくなってしまうんですね。

中華民国の学者 黄文雄

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