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アジア諸国探訪

戦後の日本社会は、明治以降の近現代史を醜聞の色に染め上げた自虐史観に支配されてきた。しかし私が自分の足で歩き回って見聞してきたアジアには、マスコミが声高に叫ぶ反日の声も、また学校で教わるような侵略の歴史も、ついぞ目に止まらなかった。
半世紀も日本の統治下にあった台湾では、むしろ戦前の日本統治時代の善政を懐かしむ声が大勢を占め、また日本の戦争犯罪なるものの犠牲者といわれるフィリピンでも、神風特別攻撃隊の武勇が人々に讃えられていた。そしてマレーシアをはじめ東南アジア諸国では、日本軍は解放軍として歓迎されていたのである。
事実、マレーシア航空の機内誌『GOING PLACES』(二〇〇二年八月号)にも次のように記されている。「日本のイギリスに対する勝利は、長くヨーロッパの植民地でありつづけたアジア人の意識の中にあったヨーロッパ列強諸国の無敵神話を見事に粉砕したのである……」(原文は英語)
なぜか日本の学校では教わらない歴史が航空会社の機内誌に記されていたのである。
また韓国においても、冷静な眼で戦前を探訪してみると、常軌を逸した今日韓国の対日感情には疑念を抱かざるを得なくなる。
となれば、毎年八月十五日がやってくると決まってマスコミが騒ぎ立てる反日的なアジアの声とはいったい何なのか。日本軍兵士たちを恨む声や日本軍への誹謗を耳にしないのは、私の取材の仕方が悪いのだろうか。はたまた私が出会った人々は全員が偶然にも親日家だったのだろうか。
そこで日本軍の蛮行とやらを声高に訴える方々にお尋ねしたい。いったいどうすれば日本の侵略を恨みつづける人に出会えるのか。むろん戦場となった国々では、少なからぬ無辜の市民が戦闘の巻き添えとなって亡くなったことは事実である。また日本の統治下にあって屈辱を昧わった人々もいたであろう。
しかしながら、日本のマスコミが大きく取り上げるそうした声は一部の人のものでしかなく総論ではない。おまけに、ある特定の意図を持った日本人とマスコミにそそのかされて声を上げているケースもある。
むしろ東南アジア諸国では、日露戦争や大東亜戦争によって独立を勝ち取った喜びや、日本軍人に対する敬意と感謝の言葉を耳にすることが多いのだ。
本来はこうした声が取り上げられるべきであり、少なくとも併記されなければならない。にもかかわらず日本のマスコミは、大東亜戦争を絶対悪とする立場を崩さず、大東亜戦争を称賛する声や日本軍人への敬意を完全に封印してきたのだ。
加えて彼らは、国内で手詰まりとなった古典的なイデオロギー闘争の舞合を中国や韓国に移し、自らが火付け役となって反日の声を煽動してきた。そしていまや日本人は、自虐史観にすっかり汚染され、自らの歴史に誇りを待てない民族に成り下がってしまったのである。
このままでよいのだろうかという素朴な疑問とともに、この一連の取材旅行を通じて見知ったことを記しておきたい。
戦後六十年、これまで封印されてきた近現代史の真実を開封し、日本人としての自信と誇りを取り戻さなければならないと、改めてアジアの人々から教えられた。それは我々の務めであり、次代を担う日本の子供達のためでもある。日本近現代史の真実を少しでも掘り起こすことができ、アジアの解放に血と魂を傾けた日本人がいたことが伝われば満足である。

井上和彦




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