就職できないうつ病人間

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ネットで人気を博しているTPP芸人、中野剛志さんの講演会に行ってきました。
 
動画で拝見した通りの(私好みの素敵な)方で、親父ギャグがさえまくり、面白かったです。
休憩時間の雑談が聞こえたのですが(私の席のすぐ近くにいました)、すごく面白かったです。勝手に耳に入ってきた話なのに、笑いをこらえることができませんでした。
 
面白いだけでなく、とても勉強になりました。
動画で見るのと、実物を生で見るのとの違いなのか、ちょっと痩せたんじゃないかと思いましたが、講演に引っ張りだこなのでしょう、ご本人が、とても忙しくて痩せたと言っていました。
 
動画で既に聞いた話が主でしたが、今回は農業に関する問題点について説明してくださいました。
 
資料のアジェンダに沿って、講演の内容を紹介します。
 
青字がアジェンダ、ピンクが私の感想です。赤字は、資料の赤字のまま。
 
 
(1)世界経済の構造問題と米国の戦略
 
2000年代の世界経済や東アジアの成長は、米国の住宅バブルによる過剰消費と欧州の好景気に依存(グローバル・インバランス問題)
 
リーマンショックにより、世界的な経済成長は持続不可能で、アジアもEUもアメリカの過剰消費に引っ張られていただけなので、世界的な不況だそうです。
中国の成長は、財政出動、金融緩和によってインフレになっているだけですが、中国発で、第2のリーマンショックが来るかもと言われているそうです。
 
今、グローバル・インバランスの是正が、世界的な課題だそうです。
 
国連貿易開発会議も、グローバル・インバランス是正のため、日本の内需拡大が必要との認識
 
国連貿易開発会議の報告によれば、
 
りバランスする(グローバル・インバランスの是正)ためには、アメリカが過剰消費を改め、貿易黒字国(日独中)が内需を拡大することが必要だが、日独中は輸出で景気回復を図ろうとしているため、世界経済は不安定なまま。
中国の消費需要では世界をけん引できないため、日本かドイツがアメリカに代わるけん引役となることができるが、特に、日本はドイツ以上の貢献ができるはず。
 
つまり、世界経済の安定のためには、アメリカの貿易黒字拡大と、日本の内需拡大が必要だとの結論になっているそうです。
 
なのに、政治家も官僚も、この報告を知らないのでしょうか?TPPで輸出拡大を図ろうとするなんて。
日本一国だけで見ても、日本は輸出依存国ではないので、わざわざ自由貿易など考えなくとも、内需拡大を考えればいいだけのことではないのかと思うのですが。
しかも、最もリスキーなTPPだなんて。
 
米国の貿易戦略(輸出拡大・ドル安戦略)
 
グローバル・インバランスの原因である過剰消費、貿易黒字拡大の是正のためと、自国の雇用拡大のため、輸出拡大路線を推進しています。
 
貿易黒字拡大は、世界経済安定のためという、互恵的な理由ですが、輸出拡大で雇用拡大というのは、他国の雇用を盗んで自国の雇用にするという利己的な理由から。 (今、狙われているのが日本)
 
(2)TPPにおける米国の狙い
 
米国はTPPで輸出拡大による雇用拡大を目指している。
 
これは、陰謀論でもなんでもなく、オバマは横浜のAPECで、はっきりと「この地域で、輸出を増やす。輸出するたびに、国内に5000人の職が維持される」と言っています。
支持率が低下したため、横浜での演説だけど、アメリカの有権者に向けて言っていたのだそうです。
 
「巨額の貿易黒字がある国は輸出への不健全な依存をやめ、内需拡大を取るべきだ。いかなる国も、アメリカに輸出さえすれば経済的に繁栄できると考えるべきではない
とはっきりと言っています。
 
貿易黒字のある国とは、日本、中国のこと。そして、アメリカへの輸出を考えても経済的に繁栄できないよとはっきり言っているのに、TPPに参加して輸出を拡大しようだなんて、英語がわからなかったんだろうと、中野先生は仰っていました。
 
「TPPに参加しても輸出拡大するのはオレだから」と、オバマは親切に言ってくれていると私は思うのですが・・・。何故、参加したがる日本人がいるのでしょう?
しかも、「内需拡大すべき」と言っているのは、「世界経済安定のために、日本は内需拡大をするべきだ」って言っているんですよね。それをくみ取る人がいなかったことに、オバマは失望しているのではないのでしょうか?
(TPP参加しようとしてるのはほくそ笑んでるかもしれないけど)
 
TPPに参加しても、日本の輸出先は米国しかない。
米国の狙いは、日本市場しかない。
 
交渉3カ国+日本のGDPシェアは、日米で90%以上。
日本の輸出先はアメリカしかありませんが、アメリカは、アメリカへの輸出に依存した成長を拒否しています。
アメリカの輸出先は日本しかありません。
中韓が入らない協定が、アジア太平洋地域の貿易の基本ルールになるわけがない。
 
米国の貿易黒字拡大の手段は、関税ではなく、為替
 
①米国は、ドル安を誘導することによって、日本企業の競争力を減殺したり、米国での現地生産比率を高めたりする能力を有している。
 
②為替リスク回避等の理由により、既に日本の製造業の海外生産(グローバル化)は進んでおり、米国の関税撤廃による利益は少ない。
 
③関税撤廃、ドル安、さらに不況で実質賃金が低下した米国の大規模農業の安価な農産品に、日本農業はどうやって対抗できるというのか。
 (略)
 
【ポイント】
 米国は、ドル安戦略とTPPの組み合わせによって、自国の市場や雇用を日本企業に奪われることなく、日本の農業市場を獲得することができる。
 だから、日本のTPPへの参加は、米国の輸出を増やしうる(しかし、日本の輸出は毫も増えない。)
 
(資料の内容を、ほぼそのまま写しました)
 
TPPのルール交渉は、日本に有利には絶対に進まない
 
多国間交渉におけるルール策定は、利害の一致する国々と連携し、多数派工作を行わなければ、自国に有利にならないというのは、外交戦略の初歩。
 
しかし、日本と利害の一致しそうな国はありません。
日本は、
内需が大きい大国
工業製品輸出国
・農業競争力は脆弱
高賃金労働国かつデフレ
 
TPP参加交渉国は、
外需依存の小国:米国以外すべて
農産品輸出国:シンガポール以外すべて
低賃金労働国:シンガポール、米国、豪州等の移民国家以外すべて
 
しかも、中露との領土問題、北朝鮮問題等で、安全保障において米国に依存せざるを得ない状況であり、どうやって日本に有利なルールを作れるのか。
 
その上、「開国」宣言で、日本は閉鎖的というイメージを流布。
日本は十分に開かれています。
日本の平均関税率は11.7%。アメリカより高いが、EUより低く、韓国なんか62.2%。
(管総理も2年前、「自民党政権のおかげで日本は世界で最も開かれた国となった」と言っていたそうな)
 
「我が国は閉鎖的だ」などと国際社会で発言すれば、「じゃぁ、もっと開け」と、カモにされます。
「開国」発言で、交渉する前に負けが決まってしまいました。
 
アメリカの元USTR・農業ロビイストと日本の首相が、同じ台詞で、TPPへの参加を正当化している奇怪さ
 
「日本の若者は内向き」だの「世界の潮流から取り残される」だの、「TPPで農業改革」だの「日本の青果物は高い収益が得られる輸出品になり、農業は成長産業として再生できる」だの、同じことを言っているのが不気味ですね。
 
クレイトン・ヤイタ―は、米加自由貿易協定の締結に従事し、後に、「カナダ国民は、何に調印したのかを分かっていない。彼らは、二十年以内にアメリカ経済に吸収されるだろう」などと言っていたそうです。
日本も言われるのでしょうね。
 
日本の穀物の輸入の現状は以下の通りです。(2007年)
小麦     :  輸入が86%、輸入先はアメリカが60.4%
とうもろこし :  輸入が100%、輸入先はアメリカが96.5%
大豆     :  輸入が94.8%、輸入先はアメリカが71.2%
 
今、世界的な水不足で、世界各地で農産物の生産条件が悪化し、食料が高騰しています。
食料は、自国民を食わすのに十分な量を確保し、余った分を輸出に向けるというのが当たり前であり、いざというときは、自国内の供給が優先されます。
TPP参加で、日本の食料自給率は14%にまで落ちると言われていますが、いざというとき、たった14%では、日本国民は生きていけません。
しかも、穀物は安いアメリカ産にとって代わり、高くても海外で売れるという青果物(宮崎マンゴーとか、夕張メロンとか、あまおうとか)が日本の農産物の主流となり、予想以上に大人気で、日本の農業がウハウハになったとしても、世界的な不況に陥った時、バカ高い青果物を買ってくれる国などあるでしょうか?自国民に優先で供給するため、日本へ穀物を輸出してくれなくなります。
日本の稲作文化が破壊されるだけでなく、食の安全保障も破壊されます。
 
(中野さんの説明だけでなく、私の感想が加わった私の意見なので、ピンクの部分は、中野さんが言ったことではありません)
 
しかも、問題は、農業だけではない。
 
①TPPの作業部会の主な議題
 工業製品・農産物の関税撤廃
 金融、電子取引、電気通信などのサービス
 公共事業や物品などの政府調達方法
 技術の特許
 商標などの知的財産権
 投資のルール
 衛星・検疫、労働規制や環境規制の調和
 貿易の技術的障害の解決、貿易紛争の解決
 
②管総理が、かっこつけて「平成の開国」などと言ってしまったがために、主なターゲットは以下のものになるだろう。
 1)非関税障壁(社会的規制、特に食の安全、慣行、規格、文化)
 2)外資の導入促進
 3)労働移動の自由化
 
③日本医師会の見解
 「日本の医療に市場原理主義が持ち込まれ、最終的には国民皆保険の崩壊につながりかねない面もある」
 
④ノーベル経済学者受賞者スティグリッツら257人の有識者が連盟で、米国の進める貿易・投資協定における資本移動の自由化を懸念する意見書をクリントン国務長官やガイtナー財務長官に発出(2011年1月31日)
 
結論
TPP交渉への参加は、
 
論外、論外、論論外!!
論論外外、論外外!!!
 
 
(↑中野さんギャグ)
 
私は、TPPはアメリカからの圧力だと思っていましたが、そうではないだろうというのが中野さんの推測です。
外圧はあっただろうが、断られたらそれはそれで諦めるというのがアメリカのスタンスだったのではないか。
TPPが突如出てきた理由のひとつは、領土問題でペケばかりの菅内閣が、APECで議長国として、何のメッセージも発することができないわけにはいかんと、APECで成果を上げたいというだけの理由でTPPに飛びついたのではないかと、推測しています。
 
自分の事しか考えない管のことですから、あり得ますね。
 

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