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三井物産は9月、中国への過去最大の投資を決めた。西部大開発への足がかりとして、内陸・内モンゴル自治区の有力企業に約180億円を出資。将来の石炭などエネルギー資源開発や、発電・鉄道など都市インフラ整備のためのプロジェクト受注を狙う。中国でも「仕入れて売る」が中心の流通事業から、事業主体としてビジネスを担う方向への戦略転換が始まっている。中国総代表の副島利宏氏は「中国への事業投資はまだまだ小さい」とし、今後の投資への意気込みを語った。(インターネット総部 重森泰平)

――中国で大型の投資案件をまとめた

 合金鉄事業を手がける「オルドス電力冶金」に約180億円を出資する。三井物産の中国投資のなかでは過去最大の投資額だ。当面、中国製の合金鉄を日本企業向けに輸出するが、石炭採掘の権益や電力ビジネスへの関与も狙う。

 オルドスは中国内陸部、内モンゴルの有力企業グループで、カシミア製品の貿易などで30年以上の付き合いがある。現地で石炭の採掘権益を多数抱えており、それをもとに発電事業も手がけている。現地では都市インフラが急速に整備され、電力需要も膨らんでいるが、日本の企業は単独で石炭権益を手にしたり、発電プラントがらみの仕事に関わったりすることは難しい。出資を通じて足がかりをつくるのが最善と考えた。将来的には鉄道、送電線などのインフラ関連事業の受注にもつながると期待している。

――今後も大型投資を検討するのか

 これまでの中国ビジネスは「モノを仕入れて売りさばく」が中心だったが、投資を通じて収益や配当を得るというスタイルも確立したい。中国への投資残高は508億円。まだまだ伸ばせると思っている。オルドスのような有望案件があれば、積極的に投資していきたい。


中国内蒙古オルドス電力冶金への出資参画調印式(9月)
――中国ビジネスの売上高見通しは

 三井物産の2006年3月期の中国売上高(香港を含む)は1兆500億円。このうち現地法人の売上高は15%程度だが、ビジネス自体は年率換算で10%ほどの伸びが続いている。しばらくは同じペースで推移するだろう。

――期待している事業分野は

 環境関連だろう。日本がノウハウを積み重ねた分野で、中国政府が省エネ対策に努めていることも追い風になる。

具体的には、松下電工と組んでビルの省エネ対策事業に乗り出した。照明や空調を総合的に管理し、ビル全体のエネルギー効率を高める仕組みを提案中だ。荏原製作所や東京ガス・エンジニアリングとも歩調を合わせ、プラント関連の環境対策事業を推進している。温暖化ガス削減につながる排出権事業にも取り組んでいる。


上海に設置した通信販売「ベルメゾン」のアンテナショップ
――消費者に近いビジネスは展開しないのか

 千趣会と組んで、現地企業を通じたカタログ通信販売「BELLE MAISON(ベルメゾン)」を9月に立ち上げた。上海の働く女性にターゲット絞り込み、既に2万人以上の会員が集まった。

――中国と東南アジアの拠点の連携にも気を配っているようだが……

 今年4月、「域内商品本部制」を採用した。アジア全域を1つの単位とし、その中で鉄鋼や繊維など商品分野ごとに収益を管理する仕組み。これまでは国単位で収益に責任を持たせていたが、それでは連携が不十分と考えたためだ。



 アジア経済は「日本けん引型」から、中国をはじめとする複数の国が連携をとる「ネットワーク型」に移行している。中国の存在感が大きくなるなか、わざわざ東京を介さなくても中国とアジア諸国のビジネスがダイレクトにつながることは大きな進歩だ。


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