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つづき 相馬藩仕法
 
 
高慶(こうけい)は、故郷に戻ってきました。藩主光胤公(みつたねこう)も草野正辰(くさのまさとき)、池田胤直(いけだたねなお)両家老も、この日を待ちに待っていました。
 
 
成田村、坪田村では、まず村民の記名投票によって「精励者(せいれいしゃ)」(よく働く者)を選びました。選ばれた者は、無利子で十両のお金が借りられます。その上、ごほうびとして、一票(ぴょう)につき金一分(ぶ)、十票なら二両二分(四分で一両)のお金と鋤(すき)、鍬(くわ)が貰えるのです。一票でも入っていると、十両が借りられないだけで、ごほうびは貰えます。報徳仕法では、投票によって善い人をほめることを各地でしましたが、女性も参加できる進歩的なものでした。
 
 
ある村人は、この十両のお金でまず馬を一頭買いました。よい肥料を買い、さらに息子に嫁を迎えることもできました。農耕ははかどり、家は豊かになり、彼は五年後、十両にお礼のお金を添えて返すことができたのです。このお礼のお金のことを冥加金(みょうがきん)といいます。貸す方は、お役に立ちますようにという思いで貸し、借りた方は、おかげさまで助かりますと一心に働き感謝の気持ちで返すのです。
 
 
次の年には、前年度一票も入らなかった者が最高票をもらうなど、農民の働く意欲はぐんと増したのでした。一方、困っている貧しい者、災害に遭った人たちに家を建ててやり助けの手を差し仲べました。
高慶をはじめ役人たちは朝早くから村を見回ります。
「早起きせよ」
と催促(さいそく)するわけでもなく、困っている者はいないか、壊れた橋はないかと、村人をいとおしむ心で歩くのです。村人は自然と朝早くから精出すようになり、希望を持って明るく働くのでした。
 
勤(きん)(はたらくこと)・倹(けん)(分度内で暮らすこと)・譲(じよう)(余った物を次にゆずること)がそこここで語られ、武士も農民もひとつ心で励んだのです。
安政三年(一八五六年)、金次郎が七十歳で亡くなったとき、相馬の仕法は十一年目を迎えていましたが、分度を越えた米の量は、一万三千五百九十九俵に及び、仕法に取り組んでいる村の数は五十を越えていました。
 
 
相馬仕法はつづきました。用水路は完備し、新田は年々開かれ、生産力も向上しました。文久三年(一八六三年)には、最大の難工事とされた室原用水路(むろはらようすいろ)が完成します。それから四年後、大政奉還がおこなわれ、大変な時期でしたが、一八七一年の廃藩置県まで相馬藩は永(なが)らえ、相馬藩がある限り仕法はつづいたのです。
 
 
明治の御代(みよ)となり、旧藩主が廃されたとき、高慶は四百四十戸の士族を全て帰農させました。荒れ地を開いた土地の一町歩ずつが各人に支給され、前途に光明のなかった武士に道を開いたのです。高慶の書いた『報徳記』は明治天皇もご覧になりました。
「これほどの者がいたのか」と、陛下は深く感銘され、周りの人たちにも読むことをお勧(すす)めになったということです。
 
財団法人新教育者連盟 「二宮金次郎」より
 
 
 

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