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日本民族を浮浪の民族に
昭和四十三年
アメリカはその唯物論的民主主義を押しつけ的に輸入させて、日本を歴史なき国にすることによって、日本民族を根の生えていない浮草のように、どこの国に隷属してもよいような浮浪の民族にしようとした。そして神話教育、歴史教育を系統的に教える歴史科を廃して、社会科の中に、日本の歴史中の恥部のみを選んで載せて学童を教育することによって、「伝統ある日本」を愛するところの愛国心を消滅せしめ、これによって日本を弱体化しようとしたのである。
この計画はみごとに功を秦して、日本国民の四分の一くらいは、日本の国をソ連が治めてくれようが、中共が治めてくれようが、個人の肉体的幸福と物質的福祉とが得られればそれでよい、というような、愛国心なき精神の若者が氾濫することになったのである。かつては"外国の第五列"と謂われることを恥辱とした日本の若者が、東大の学園紛争に於いては、毛沢東の肖像を高く掲げて、日本国家権力機構の手先であるとして警官隊に向って火焔瓶や石を投げて激しく戦ったのであった。国家権力に対して「毛沢東」の肖像と赤旗とをもって武装して戦っている彼らは、すでに「外国の軍隊」なのである。それに対して日本の自衛隊は沈黙している。そして警察も学園自身の要請がなければ学内に立ち入れないし、その要請も、暴動側の学生の承認がなければできないという確認書を、学校当局と学生代表とが取り交わしたというのである。
彼らは「歴史と伝統とをもつ日本の国」を愛する愛国心などは毛頭ない。アメリカの占領軍が唯物論的民主主義を輸入せしめることによって、日本を弱体化する計画はこのように成功し、しかもその弱体化は日本のあらゆる階層に癌の転移の如くひろがりつつあるのであるから、すみやかに、この唯物論的民主主義の根元である占領憲法を追放しなければ、日本には「日の丸」の国旗は消え、「赤旗」が国旗となり、日本のいたるところに、「毛沢東」の肖像写真が、あたかも中共の紅衛兵騒動の時にひろがったように、へんぽんとして翻(ひるがえ)ることになるであろう。
谷口雅春著「私の日本憲法論」
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