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つづき 殺生をなくする農業
池や沼などがなくてもビルディングの屋上を栽培池として、それにその建物に住む人の排泄物を消毒し浄化し、溝浄澄明(しょうじょうちょうめい)なる化学肥料とでもする装置を発明して、必要に応じて、階上の栽培池に配給栓一つひねればその適当量の肥料を送ることが出来るように工夫するのである。かくて人口問題、居住問題、食糧問題が解決すれば、殺人的人工流産の必要はなくなり、戦争の危険はなくなり、食糧として肉食に匹敵する緑藻の類を食するのであるから、人類相互の殺戮だけではなく、あらゆる生物を殺すと云う悪業の因を断ち切ることが出来るのである。
人間が生物を殺して生きていながら、人類だけが殺し合いの戦争をしないで平和に生活したいと考えるのは、すべての業は循環する、一点一画と雖(いえど)も、播いた種子は刈りとらなければならないと云う原因結果の法則と矛盾するのである。人類の平和は先ず生物を殺さないことから始まらなければならないのである。最近、生命の実相誌友にして万国生類愛護協会の会員たる小牧実秀君から次の様な平和愛好の感情に満ちあふれた手紙が来ているので、平和日本再建の基礎は、こう云う深い生類愛護のしみじみとした感情から生れて来るのであって、平和を戦い取るごとき好戦的な感情から来るものでないことを知って頂くために、その手紙の一部を次に再録させて頂く……筆者は京都薬科大学微生物研究室の先生である。
「農耕にも殺虫の如き殺生がつきものではないかと申される方もございましょう。しかし『黄金の土』のロデイルは『害虫の真の役目は検閲官のようなもので、不自然に肥培した作物を指摘するのである』と克明な実験と統計をあげてのべて居ります。ロデイルは又こうも申しております。『若し、ミミズが死ぬような条件(強い化学肥料)があればバクテリヤの繁殖は妨げられ不作になるから、益々焦って化肥だ消毒だと……土地を台無しにしてしまうのである』ミミズは自然の農夫だとさえいわれて居ります。よしこの愛らしいミミズを多少、私共の不明から傷つけることがあるにもせよ、詫びたい真情の片鱗でもじざいましたら、無睾(むこ)のミミズを大量殺戮など思いもよらぬこと、それ以前に何か他の道を選んだことでございましょう。……思い切りが大切だとつくづく思います。そうして思い切りは和解・和解・和解・ただ和解からのみすらすらと出てまいりますのでございますね。和解こそ決断の母でございます。拝み切った時、感謝し切った時、―まったくたくまずに決断が出来るものであることを、しみじみ解らせていただきました。母に感謝しきったとき、私は『私は菜食を好みます。なるほど世間の慣習とはすこしばかり異るかも知れない。しかし、私の使命は法施にあります。法施のためには、その方が良い筈です。とにかく殺生は好みません』とたくまずに申すことが出来ました。そこで道が開けました。私はもう誰はばかることなく自分の希望を率直に人に語ることが出来ました。洪水のようにエア・メイルが来るようになり、アメリカやスイスの新聞やラジオも私の心からの念願をとりあげてくれました。思い切って意志を表示して以来、先輩も友人も後輩も『小牧さん、小牧さん』と慕うてくれます。農耕でも同じことで、一喜一憂して生涯を過すよりも、石の上にも三年、その後、全世界の…農民の友となり、全人類の友となり、全作類の好意を受くる道を選ばれにほうが生きがいがあるかと存じます。和解(感謝)こそ、よろこびの鍵であり、よろこびそのものであることを毎日毎日通観いたして居ります。『私』と云う無口な青年が息をふきかえして、毎日毎日を楽しくすごさせていただくことになりましたのは偏えに先生の御導きの御蔭でございます:…」
【編者注】本文章をめぐって無数の讃辞や激励と共に主に青年学徒から反対論が寄せられた。著者はその間違いを数回にわたり誌上で諄々と解明したが、綾川博三氏への回答―「真に平和の基礎となるもの」『限りなく日本を愛す』の中で、次の如く占領憲法の停止を説いている。憲法問題に言及された最初である。
「……占領軍の占領政策として無理にサーベルの圧迫下に於いて定められた憲法は、日本の独立、そして占領の停止と共に停止せらるべきものであり、それを後生大事に護っている如きはまことに嗤(わら)うべき時代錯誤であり、かかるサーベルの圧迫下ですたれさせたところの法精神、法制度も自然の理に背くが故に、その圧迫がなくなると自然にそれが復興し来るのは当然であって、日本精神の復興も当然と云わなければならないのであり、ます……」
谷口雅春著「私の日本憲法論」より
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占領憲法を正して初めて日本の戦後は終わるのかもしれませんね。
ナイス
2013/3/24(日) 午前 10:50 [ 鳳山 ]