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左翼に占領された言論界
昭和三十一年 しかもこの教育ニ法案のうち教科書法案は暴力を以ってその通過を阻止されたのであります。多くの日本人は教育ニ法案の内容を深く知らず、ただ新聞などが「この悪法には反対だと社会党(現民主党)がいっている」などという記事だけを大きくかかげているのを見て、「言葉の力」に誤魔化されて「教育ニ法案は悪法だ」とバク然と思ってしまったかも知れませんが、現在のラジオや新聞は公正ではなく「勝手なことをいい得るのは左翼の人ばかりで、学界も言論界も教育界も、彼らの網がくまなくめぐらされ、それに対決しようとする中正穏健な言説は一切遮断されている」のであります。
これは私だけの意見ではなく東京新聞編輯局の渡辺康人氏がいっているのです。同氏はまた次のようにもいっています。「国会における教育ニ法案の公聴会など、新聞は南原氏や矢内原氏などが堂堂と自民党議員の蒙をひらいた如く報道するが、この人達が議員から問い詰められて立往生したり、ある程度非を認めたいうような場面には一向ふれない。反対側の証言をほとんど全ページを割いて報道しているのに賛成側はほんの数行で片づけてしまっている。教育委員会法案の衆議院通過の報道など、自民党が多数で違法に押し切ったという面だけが強く報道されるが、委員長である社会党代議士が、隠れ回って正式の会議をわざと開かなかったという事実の報道は行わない。
日教組のニ法案反対声明は殆んど黙殺され、市町村長は一般国民に何が故に支持するかを知らせることができない。そこで新聞広告によって告知しようとしたところ新聞社は記事報道の面のみならず、本来の商業ジャーナリズムの建前をも破って末端まである勢力に媚態を呈するという傾向になって来ていることの一つの証佐でもある。今や新聞に限らず、雑誌、放送に至る日本のマス・コミュニケーションは、左翼的潮流に押し流されているというも過言ではない……」 これが新聞人である東京新聞編輯局渡辺康人氏の実情暴露であります。私が「今や日本は危機に立っている」といいますと、世界の情勢は段々平和的になって来ているのにいたずらに危機感をあおるのはいかんと投書して来た人もありますが、こうして左翼の思想言論マスコミは将に殆んど日本の全部を占領して中道実相の正しい発言は完全に封鎖せられている現状であります。正しい言論の自由はこうして議会外においても完全に失われんとしている際、議会内においては暴力行使によって「言論無用」が実行せられるに至っては、当に日本は左翼革命前夜の観があるではありませんか。皆さんはこれで日本の現状は可いと思いますか。日本を愛する真の日本人よ、これからは日和見主義では可けません。評論家鴨井清光氏の次の言葉をもって私達の反省としたいと思います。
「われわれの祖国が、こうまで乱れているのを見て、いいかえれば、祖国の危機を前にして利己主義、ご都合主義から、これ以上沈黙しておられるでしょうか。教育者なるがゆえに、発言できぬというのはなんという、祖国忘却、の態度だろう。ドイツのフィヒテが祖国のために教壇から叫んだ例を引くまでもあるまい。祖国愛をただちに、逆戻り、だというのですか。もし大真面目でいうものがあるのでしたら、そういう人びとは、自国否定の国際主義者と同じことになります。・・・もっと高い立場にたって、祖国への奉仕ということをハッキリいい切ることをなぜ躊躇するのですか。祖国を守るためにわれわれはもっと大胆でなければいけない段階にきたと信じます……」読者よ、私たち日本人はもっと勇敢に祖国を守るために何をなすべきかを考えて、直ちに実行しようではありませんか。
谷口雅春著「私の日本憲法論」
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