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鏡子ちゃん事件
嘗(かつ)て鏡子ちゃん事件というのがありまして、鏡子ちゃんという小学校の女生徒が授業中便意を催して便所へ行って用便していたが扉をしめるのを忘れていた。其処へ或る青年がこれも用便を催して小学校の便所を借りるために来合せた。すると女の子の用便の姿を見て変な気を起こして猥褻行為をしようとしたら鏡子ちゃんが声を立てようとしたので、声を立てさせまいとして咽喉部を押さえてついに扼殺してしまったというのであります。ただ一枚の扉でも閉めてあれば、侵入の誘惑を感じないのであります。 嘗(かっ)て「原水爆時代に日本の再軍備なんか何の役にも立たない」と言って再軍備反対論がありましたが、日本の再軍備はこの便所一枚の扉に当たるのでありまして、それを外から開いて侵入することは何でもありませんが、扉一枚あるがために侵入凌辱しようとする誘惑にかかる心を起こさせないこともできるのであります。
その点で日本の再軍備は必要であります。この点に於いて日本が自衛隊と言う名に於いて再軍備しつつあるのは適当な処置だと思うのであります。しかし現行の日本国憲法そのままで名称だけ自衛隊で、再軍備をしつつあるのは、政府みずから、法秩序を破って、多数党の圧力で、強行している感があります。政府が法秩序を破って強行するなら国民も法秩序を破ってもよいではないか。力の対決だと言うことになり、最近のような、暴徒の国会乱入のような不祥事が起こるのであります。
その点から考えても、法秩序の維持の上からも、その成立根拠が法秩序によらない現行憲法を廃して明治憲法に復元すべきものと考えるのであります。
谷口雅春著「私の日本憲法論」 |
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