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明治憲法に復元せよ
昭和42年
社会党(民主党)或いは共産党の人達が現憲法を護る、即ち、護憲派に廻っておりますのは、決して永遠に現憲法を維持したいというのでないのは明かであります。今の憲法は、革命運動をどんなに推し進めてもそれを止めることが出来ないように作られていて思想の自由、表現の白由及び団体でいくら争議してもよいという団体争議権というものを認めている。だから国民政府を樹立する迄、現憲法を護って.おくということは、結局革命準傭の為の憲法を保存しておくということになるので運動するのに大変便利である。だから革命が成就するまでそれを保存しておきたいというのであって、彼らは実際に何時までもそれを保存したい、いつまでも象徴としてだけの天皇でも保存したいというような気持は決してないのであります。
社会党の奉ずる杜会主義理論から言っても社会主義政権のもとにおいては天皇制は両立しないといことになるのであります。ですから結局今の国会の議席が半数以上を社会党或いは共産党その他革新派の政党の人達によって占められるという事になりましたならば、国民の総意によって天皇の地位というものは廃せられてしまい、そして天皇制なき新たなる杜会主義憲法がそこに作られるということになる危険を著しく孕んでいるのであります。
共産党にせよ社会党にせよ、一九七〇年の安保改定か継続かというあの境目の年を契機として日本を革命に持って行くことを計画しているということは、誰も皆知っていることであると思うのであります。ですからそれ迄に私は現憲法を明治憲法に復元しておかなければ、これは大変なことになると思うのであります。革命と云うものは、そんなに大勢の
革命の闘士を必要としないのであります。私はソ連の革命の映画を見たことがありますが、ごく僅かの人間が武器を持って蜂起して、それがもとになって革命が成就している。例えば日本でももし、一九七〇年にこれはもしでありますけれども、或る外国からこの革命を企画する或る団体のメンバーに何千挺かの武器が供給されて、そして革命の闘士が立ち上って内閣を占領し大臣を軟禁して、放送局、新聞社を占領して「革命政権は樹立された。今迄の政府が革命政府に政権を譲り渡した」と云うことを、新聞、ラジオ、テレビ等によって報道すれば忽ち革命がそこに成就してしまう惧れがある。
特に日本の国では思想的に、今の天皇制に対して反撥を感ずるような教育が日教組の教育によって行われているのであります。「あの恥ずべき大東亜戦争を起こしたそんな天皇制は無くなる方がいいじゃないか」と云うようなことがもう準備教育として日教組によって行われ、多くの若い層の国民は革命を悦んで素直に受け入れる精神的素地が出来ているのでありますから僅かな人数が武器を持って蜂起したら自由に革命は成就してしまう慎れがあると私は思うのであります。
その場合に、現憲法では自衛隊と云うものは総理大臣の指揮下にありますから、革命新政府が出来てその総理大臣が出来たら、自衛隊は革命軍の指揮下にある軍隊になる訳でありまして非常な危険を孕んでいる。ですからどうしても安保改定の一九七〇年が来るまでに明治憲法に復元して、日本国の軍隊は天皇陛下の統師権のもとにあるとして、はっきり天皇の軍隊であると云うようにしておかなければならないのです。時の政府の支配下にあると云うことになれば、共産党政府になったり社会党政府になったらその支配下に自衛隊は入ってしまいますから、日本を護る軍隊ではなくて革命軍に味方する軍隊になると云う恐れが非常にあると思うのであります。そう云う場合に、もう東京都内は新政府の出現した中心地なのですから都内の自衛隊はすぐに革命政府の指揮下に入ってしまう。地方の自衛隊の中には天皇制に憧れ、天皇国家に郷愁を持っていて、新政府の革命軍と戦おうと思って上京して来ると致しましても、総評の命令一下、国鉄(JR)は止まっている、私鉄総連の委員長の命令一下、私鉄も止まっているとしますと、徒歩の部隊は間に合わないで僅かに戦車が上京して来るぐらいである。
つづく
谷口雅春著 「私の日本憲法論」より
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2012年11月06日
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