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仏典・聖書より観たる宇宙の実相
 
一切の存在はコトバにて成る
 
聖書の「ヨハネ伝」の冒頭に「太初(はじめ)に言(ことば)あり、言(ことば)は神と偕(とも)にあり、言は神なりき。この言は太初に神とともに在り、万(よろず)の物これに由(よ)りて成(な)り、成りたる物に一つとして之によらで成りたるはなし。之に生命(いのち)あり、この生命は人の光なりき」と録(しる)されております。
 
 
すべてのものは言(ことば)によって成ったというのがキリスト教の宇宙創造説であります。「万のもの之に由りて成り」とありますが、この事物が生成することを「成る」と日本語で申しますのも、実は、「成る」と「鳴(な)る」とは同一語源でありまして、すべての事物の本質は、言(ことば)でありますから、鳴りひびくのであります。
 
このことは旧約聖書の,「創世記」の冒頭に、「元始(はじめ)に神、天地を創造(つく)りたまへり。地は定形(かたち)なく曠空(むなし)くして黒暗淵(やみわだ)の面(おもて)にあり。“神の霊、水の面を」たりき、覆(おおい神。光あれと言ひたまひければ光ありき…」とあるのに照合するのであります。神が天地を創造(つくた)りたもうのは「光あれと言ひ給うた」ときに光があらわれ、次々と、神のコトバによって万物が生じたのであります。
 
 
神はコトバによって万物を造ったといいますと、神とコトバとは別々のものであって、神がコトバという道具によって万物を創造(つく)られたように思い違いしがちでありますけれど、「ヨハネ伝」にありますように、「コトバは神と偕にあり、コトバは神なりき」でありまして、"コトバと"".とは本来不可分の一体なのであります。
 
日本の古代の言語では、神のことを命(みこと)と申しました。「みこと」というのは“御言”(みこと)即ちコトバということであります。「みこと」の“み”は“御”(み)という字であります。

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