過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

つづき 憲法について知らねばならぬこと
 
 
だから、違憲を問題にする位ならば、現行憲法の無効を宣言して人間の自然行為を自然のままに放出せしめる障害を撤去しなければならない。そうでない限りは、どの政府でも、国家が自然の生命体として生活行為を遂行しようとするならば違憲のそしりを免かれないのである。
 
 
「違憲」呼ばわり、「法律違反」呼ばわりの好きな大内兵衛氏すらも、現行憲法が生命体としての国家の自然行為を禁圧する無理な机上の理想を描いた憲法であるということを次のように述べているのである。
 
 
「…・:もちろん時勢が変れぱ、どうしてもこの理想はもち切れなくなるかも知れない。従ってこの平和主義を棄てる方がいいと思うようになることもないとはいえない。しかしそうなることはこの憲法を改正してから後にそうすべきである。なぜならば、われわれ『日本国民は、国家の名誉にかけ、全カをあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う』(憲法前文)といったのだ。だまってそれを破っては国の信義は立たない。この永久平和主義、絶対中立主義は、戦争をしないという決心を正面に出している看板であって、その決心には当然実践がなくてはならない。それが絶対の無防備である。憲法はそれを正しく日本の規則とした。第九条がこれである。そこには、われわれは、外国に対して(国際問題について)一切の武力を行使しない。戦争はしない。交戦権は認めないと書いてある。これを外国が戦争するならば日本もやる、日本の隣国の軍傭が大きくなるなら日本もそれに対抗するとよむことはどうしてもできない。そうではなく外国がどんなに戦争主義に走っても、日本はそれに加わらない。日本はどんな条件の下でも戦争はしない。だからこそ、それを貫く為に、戦力は一切もたないと書いてあるのだ。これをわれわれは絶対平和主義、絶対中立主義の憲法だというのである。こういう憲法の解釈は、あの当時は確定的であった。例えば一九四九年の年頭にマッカーサーはこう言った。『日本は極東のスイスとなり、将来いかなる戦争があろうとも中立を保たねばならぬ』
 
 
『日本にとって唯一の希望は絶対的に中立を維持することであり、戦争にかかわらず、戦争の準備にも加わらないことである』といった。例えば、一九四六年六月二十九日の憲法制定議会でも吉田首相は野坂衆議院議員に答えて『第九条第二項において、いっさいの軍備と国の交戦権を認めない結果、自衛権の発動としての戦争もまた交戦権も放棄したのであります。従来、近年の戦争は多く自衛権の名に於て戦われたのであります。満洲事変然り、大東亜戦争また然りであります』この両人の主権担当者のコトバによれば、世界のいかなる国にいかなる軍国主義があっても、日本はそれと無関係であり、また日本はいかに独立を欲し、領土を欲し、資源や市場がほしくても、武力ではそれを要求しない。そういう強盗団の仲間入りはしないはずである」という風に大内兵衛氏は憲法第九条を解釈した後に、それが如何に愚かな不自然不合理な憲法であるかを揶揄(やゆ)するかのように
 
 
大内兵衛氏も現行憲法の不自然を指摘する
 
 
「日本の立国の基本方針は鳩や兎の哲学であり、獅子や狼とは一緒にならぬというのである。三十六計逃ぐるにしかずというのである。これは肉体的弱者の哲学である。こういう国家哲学はあり得るものかについては多少の疑いもあるが……」と、左翼の戦争否定の論客たる大内兵衛氏さえも、それが不自然不合理なものをマッカーサーによって押しつけられたところの、自然の生命の自衛本能にそむくマヤカシ憲法であることを言外に呈露して嘲っているのであるがその癖、左翼思想家の常として現行憲法を守って行きたい大内氏は、「中国の古典でも、日本の教えでも、この方が正義であると説いているものが多く、また、現に現代の西欧でもスイスやスウェーデンやベルギーが、それを立国の方針として、それぞれに栄えているのであり」と現行憲法を弁護する側にも立っているのである。
 
 
併し大内氏はこれら西欧の三国の存在する地理的位置(立地条件)が、日本のような米ソが正面から折衝する重要地点にはない事実を無視し、且つスイスが第二次大戦中中立を保持し得たのはスイスが全国皆兵的な強カなる武備を備えているからであり、スイスを占領するには余程の犠牲を払わなければならないが、占領してみたところが大して軍事的価値がないー謂わば合気武道を身につけて護身術を心得ている醜婦みたいなのがスイスだから、さすがのヒットラーも手を出さなかったに過ぎないのである。スウェーデンはあまり位置が北方にあって東西衝突の通路に当っていないからそれほど強力な軍傭がなくとも中立は守り易いが、軍備がない訳ではない。ベルギーは永世中立を標榜していたけれども、作戦上の重要通路となる位置にあったためにヒットラー軍に容易に蹂躙(じゅうりん)せられたことは何人も知る通りである。その国の侵略に対する安全性は、その国を自己の薬籠中のものとした時の軍事及び経済的価値如何によるので、日本は遺憾ながら、"富豪の美女〃みたいにそれを"自分のもの"にすれば経済的にも軍事的にも非常に利益になるから貧欲国家にいつも目をつけられるのである。時事通信杜長の長谷川才次氏が「日本の中立」の不可能性を評して「小町娘が独身で通したいといっても野郎共が独身を通させないようなもので、どうしても日本の防衛が必要になってくる。日本の立地条件を考えると丸腰は極めて危険である」と言っているのは時宜(じぎ)に適した批評だと言うことができるのである。左翼の論客は、自分の欲する「安保条約廃棄」へ結論をもって行くためには、考慮に入れなければならない重要な立地条件などを全然無視して日本をスイスやスウェーデンやベルギーと一緒くたにして読者をごま化そうとするから余程気をつけて読まなければならない。
 
 
谷口雅春著 「私の日本憲法論」より
 
 

全1ページ

[1]


.
サイタニ
サイタニ
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

過去の記事一覧

1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
友だち(11)
  • rankiti007
  • LOVE LOVE あいしてる
  • 《理瀬》
  • KOKORO
  • 丸子実業高いじめ殺人判決は大誤審
友だち一覧

Yahoo!からのお知らせ

検索 検索

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!
ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事