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自衛隊はいかに革命軍に対抗し得るか
知事が革命暴動に協カして自衛隊の出動を要請してくれない場合には、佐々木盛雄氏はまた「自衛隊法の別条規定に基いて『内閣総理大臣は、間接侵略その他の緊急事態に際して一般の警察力をもっては治安を維持することができないと認められる場合には、自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる』権限を発動する以外にないだろう」といっている。
さて、総理大臣が自衛隊の出動を命じたとして、自衛隊に何ができるかというと、まことに心細い感じがするのである。佐々木盛雄氏によれば、自衛隊が治安出動した場合に、「自衛隊員の持つ職権は、自衛隊法によって、警察官職務執行法が準用されることになっているから、簡単にいえば、自衛隊員が警察官に早変りするのである。したがって自衛隊の武器使用も、警察機動隊程度となるのだから、自衛隊の持つ真の威カを発揮することができぬという問題がある。・・・・その上に、治安出動の場合における自衛隊と、警官隊との統一指揮権はどうなるのか、また両者の職務分担の範囲はどうなるのか、というような具体的措置についての規定がない」のである。そこで暴動を鎮圧し、革命軍に対抗するためには、自衛隊員は暴徒に対して射撃命令を出すほかに鎮圧の道がない段階に来たときに、「隊員に対して『射て』の命令や、号令を一体誰が発するのか。・・・・しかし指揮官の武器使用の権限については、明確な規準規定がないから、部隊長や指揮官は自分の責任で、刑法上の『殺人罪』を甘受するか、腹を切る覚悟でなければ『射て』の命令を下すことはできない」ことになっているのである。だから佐々木盛雄氏は、明治憲法復元が実行せられないならば「非常事態法」を急遠につくって有効に、自衛隊の治安効力を発揮し得る準傭を整えておかなければならぬといっている。これは、まことに、もっともな建言である。
谷口雅春著 「私の日本憲法論」より
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2013年02月11日
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