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避妊と堕胎の公認は性道徳を頽廃せしめる
昭和二十七年
産児制限は避妊法と人工流産(堕胎)とによって行われる。最近一年間に指定医によって届出れた人工流産の数は六十万人だと云われるが、指定医によらずして手軽に堕胎されたる胎児はその二倍数に上ると云うことである。一年に合計百八十万人が殺されていると云うことになっているのである。しかし最近、指定通り認定さえあれば何人でも自由に堕胎して差支えないことになったので、これはどの位増加するか今のところわからないが、これも占領政策に迎合した被占領者の愚かなる追随である。
折角宿った人間生命を殺すと云うようなそう云う残酷なことはなるべくしないように避妊法を行えと云うように宣伝され、避妊薬が氾濫し、避妊法を政府の役人又は政府から命令を受けた人が公然と教えて歩くと云うようなことまで行われているのであるが、それがどんな結果になるかと云うと、「性欲は出来るだけ欲まに楽しめ、そしてその結果としての重荷を負うな」と云うことになって、愈々(いよいよ)性道徳の退廃を奨励することになるのである。
古代ローマが滅びてしまった原因は五官の楽しみを満足させるための味覚の饗宴や、性設備が行き届いて、宴会などでも、食事は五官を楽しますためであって働くためのエネルギーを補給する栄養ではなくなり、腹一ぱい楽しんで食べたのちにはそれを吐き出す設備がととのえてあって、吐き出してはまた食べると云うような楽しみ方になっていたと云う。食物が栄養のためにとられず、ただ五官の楽しみのためにとられ、性欲が生殖や夫婦の愛
情の満足のためにではなく、ただ五官の満足のためのみに遂行せられろようになったっとき、それは「自然」の意志に反逆するのであるから、必ずや「自然」は彼にその報いを与えるのである。
その報いとは人間生活の堕落、道徳の退廃、毅然たる道徳精神の滅衰と云うことである。現に日本人の多数 (大多数ではないかも知れぬが)はその報いを受けつつあるのであり、幾多のいまわしき事態が続々と起りつつあるのである。これは日本の人口を減少せしめようとする占領目的と同時に、一石二鳥的日本退廃化の目的を達しつつあるのである。
谷口雅春著「私の日本憲法論」
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2013年03月21日
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