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或る新聞の日本婦人観
昭和二十七年
 
 
最近或る有名な一流新聞の時評欄には次のようなことが書かれていたー
「日本の最も驚嘆すべき産物は婦人である。もちろん彼女を作るには幾千年もかかっているが、日本の婦人は日本人と同じ種族に属していないぐらい立派である。おそらくかかる形の婦人は今後十万年くらいは再びこの世に出現しないだろう-この驚嘆すべき言葉は……ラフカディオ・ハーンの明治三十七年の著書に発見されるのである。……これは女性を礼讃していて、その実は女性侮辱の言葉である。
 
 
過去の日本がいかに男性のための国であったかを証明する言葉に外ならない。ハーンの知性も男性としての本能の前には曇らざるを得なかったのだ。アメリカの男は女性を喜ばせるために全力を注ぎ、日本の女性は男性を喜ばせるために献身するという見方もある。男女同権になって、日本婦人も一歩一歩自覚を高めているようだ。自覚は男性に従属するだけの環境に満足させなくなるに違いない。その意味では男性のための、かかる形の婦人は十万年くらいは現われないと云う予言は当るであろうと。
 
 
 
無我献身の美徳を復活せよ
 
しかし、ハーンの驚嘆し讃美した日本の女性の美しさは、従順と無我献身であったのである。これに対するこの新聞記者の批評は従順と無我献身することを、「相手に対する従属」とみとめ、それを「自主精神の欠乏」であると見ているのである。一見合理的に見える此の民主主義精神は、人間から従順と無我献身の精神を奪い去り、白己主張と自己発展とのためには闘争を辞さないのが美徳であると推賞するものであって、家庭内にも、産業界にも内部闘争と内部紛争とを常に捲き起す争闘の合理化論であるのである。無我献身の精神と従順の美徳は、真の民主主義の根本であるところの「先ず与えよ、与えられん」を云いかえたものに過ぎないのである。この精神によってのみ、平和国家、平和世界が建設されるのである。
 
争闘によって自己発展自己拡大をはかることを民主主義とみとめるならば、国内はストライキや群衆示威によって内部闘争はあとを絶たないことになり、国際的には戦争によって自国の発展と拡大とをはかることになるから、かかる似而非(えせ)民主主義は、戦争を根絶する思想とは概(およ)そ甚だ遠いのである。
 
アメリカでも真の民主主義は「先ず与えよ、与えられん」のイエスの教えを実践する事であって、この語を別の言葉で言い換えれば「無我献身と従順」と云うことになるのである。「無我献身」をもって、封建思想なりと排斥した「民主主義」の押しつけ的植付は、アメリカが占領中、日本を弱体化そうとして行った日本に於ける失政の第一であって、今や従順でなく自己主張のために絶えず争闘を考えている民衆をこしらえて、朝に皇居前の乱闘、タベに学園に於ける学生警官の乱闘を惹き起して、其の功罪は明かとなりつつあるのである。
 
 
谷口雅春著「私の日本憲法論」
 

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