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特養の勤務シリーズ 157 文集から(2)
栄養失調で、死んだ。
じいばあ園では入居者の生活の聞き取り集を作ってました。
寮母が聞き取りをしました。 そして、1年1冊で、10集以上作りました。 楽しい話、悲しい話、一度は語ってみたい、そして聞いてもらいたい、そんな話を聞き取ってまとめたものです。 家族がこんなことは聞いたことがなかった、なんてこともありました。 戦時中、東京の渋谷の大学に息子をやっていました。 ところが、その子が 栄養失調 になってしまいました。 お金も送り、米も送ったのに下宿屋で、自分達が食べてしまって、息子には届かなかったとのことでした。 それで、夫が餅やその他の食料を持って、渋谷に行きました。 家に帰ろうとしたら、大空襲に遭いました。 死ぬのなら、息子と一緒にと思い、渋谷に留まったそうですが、 幸い、渋谷には爆弾1つ落ちなかったそうです。 家に帰ったら、息子に 召集令状 が来ていました。 息子に電報を打って、すぐに家に戻らせました。 そして、部隊に入営しましたが、栄養失調 のため、間もなく戻されました。 しかし、家ですぐに 死んでしまいました。 ご飯もないし、薬もないし、さっぱりでした。 その後、働きに、働きました。
そして、2町(2ヘクタール)の田んぼを買い、家も建てることが出来ました。 夫は「お前がうんと働いたからだ」と言いますが、そんなことはありません。 夫がとてもよく働いたんですよ。
13歳年上の夫は92歳で亡くなりました。 家で、朝7時頃なくなってしまいました。私が行ったときはもう冷たくなっていました。 それから、私は足が立たなくなりました。 不思議なものですね。 この女性は「特養の勤務シリーズ18 ほめ上手」で 1度紹介した人です。
今日も、お付き合いいただき、ありがとうございます。
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2010年07月11日
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