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狼、カワウソ、ヌートリアの話題
狼を捕獲す
明治40年10月13日付け
◎狼を捕獲す
一昨夜市内神子田大坊助治といふものが当市より程遠からぬ岩手
郡中野村字西安庭字磧に於て珍らしくも狼二頭を捕獲したる出来事あり
今其模様を聞くに四五日以前より簗川辺に狼が出没し農家の鶏を取り 浚われたる噂頻々として伝はりしが次いで三日前の夜又々市内上小路 字高崩一条牧夫方付近に四頭の狼現れ内一頭の狼は庭内に入りて飼 養せる鶏一羽を取られたる騒ぎあるよりこの報に接したる盛岡署にては 夫々厳重に捜索し且つ警戒する処ありしが茲に前記神子田大坊助治は
如何にしてもこの悪(にく)むべき狼を捕獲せんと夜な夜な見張りをして狙
ひありしに一昨夜安庭磧に於て二頭丈は守備克く捕獲したりと云ふ
近頃珍らしき話といふべし
ニホンオオカミは明治38(1905)年に奈良県で捕獲されたものが
最後とされています。
その後、未確認の情報はあったようです。
このお話の狼も剥製とか皮とか残されれば最後の狼になったのでしょう。
カワウソ裁判
昭和2年11月6日
黒沢尻警察のカワウソ裁判
▽狩猟法から飛んだ喜劇△
五日午前十一時ころ黒沢尻警察署で佐藤署長さんを初めお巡りさんた ち二尺もある一疋のカワウソを取りかこんで法規を引き出すやら大騒ぎ
そうでもなしかうでもないと結局正当防御でケリがついた猟期の珍談が ある
〇
和賀郡二子村の八重樫七郎兵衛ぢいさんが四日の夜思ひがけなくも 鮭網にカワウソが掛かり捕へて見たが、まさかカワウソとは思ははい、
そこで孫の動物読本と引き合して見たら漸くカワウソと解ったのでサア
大変。米の一駄二駄位ではとても買うはれない高価なもんだの村の評判 に、早朝からそれを背負って黒沢尻に出たものだ
〇
方々で値段を聞いたら五十円はタップリあるとの話し。爺さんはますま す欲気を出し今度は石鳥谷に本ものゝ皮師があるからそこで本当の値段 を聞いてから、それから売ってもまだ遅くないと町をぶらぶらしてゐるとこ
れを署で聞きつけ狩猟違反で拘引されるに至った
〇
ところが署でも拘引したものゝ銃で打った分けでなしひとりでに網に引っ かゝったものだから、違反も変だし拾得物で押収するのも可愛想だとあっ て、そこはそれ佐藤署長さんの機転
『そのカワウソは多分。お前を食はうと飛びかゝったらう。そこでお前は 危険を感じて殺したらう・・・・どうだ』
〇
今までどうなるものかと青息吐息の爺さん
『全くその通りですその通りですとピョッコリ頭を下げる
〇
結局それを売買してはならないといふ約束で漸くケリが付いたが、爺さ んは再びカワウソを背負って秋雨煙る中をトボトボ家路辿って帰った
カワウソは四国にわずかに残っていたが、今は絶滅したので
しょうか。
祖父が昔は当地にも居たと言ってましたが、祖父のいう昔となる と明治のことでしょう。
カワウソとなると、やはり
「このかわうそのかわほんとうのかわうそのかわ」を書きたくなります。
「このかわ、うそのかわ、ほんとうのかわ、うそのかわ」
「このかわうそのかわ、ほんとうのかわうそのかわ」
ヌートリア
昭和19年10月25日付け
振興軍用毛皮獣 (南米かはをそ)
ヌートリアを飼へ
農山村は勿論、都会地でも飼へる、毛皮は飛行服、肉は食料と なる、
飼料は雑草と少量の雑穀、野菜屑根菜屑で足りる。一坪以上の空き地と五百円の資本があれば二年で二千円の収益確実
・ ・ ・ ・ ・ ・ 軍用畜報国団
昭和26年6月26日
ヌートリア飼育熱が復活
しばらく影を消していたヌートリアが優秀な毛皮として海外からの需要 が多くロンドンへ五百頭輸出されるなど脚光を浴びて来たので最近の価 格はツガイで高いのが4万円、安いのでも二万円の高値を呼んでいるの で本県のヌートリア飼育熱も復活し県下の飼育者を喜ばせている。
中略
ヌートリアは主食が生草であり妊娠した時は雑穀やニンジン、キャベツ 等を与えるが乾草を食べないし、ことに年中水がなければ生きてゆけぬ 動物だから青草を冬でも切らさず与えまた水を凍らさない施設をしなけれ ばならない。これを解決すれば有望な副業である。
これらが逃げ出したものか、野生化して繁殖してる地域も
あるという。
今日もおいでいただき、ありがとうございます。
絶滅した動物、外来で繁殖する動物、悲喜こもごもです。
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