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田沢切手 3銭 新大正毛紙 平台とゲーベル
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食品会社に勤務していたころ、仕事が終わると、工場の一角にあるお風呂に同僚と入りました。お風呂はタイル張りで5,6人一緒に入れる大きさでした。熱源はボイラーの蒸気です。
現場の人も入ります。ですから、時には一緒に入ることもありました。
同期の仲間の1人がぬる湯好きでした。それが話題になり、あるとき彼の適温は何度なのかと水銀温度計を持っていって、一緒に入ったことがありました。
彼の適温39度。他の人はぬるくて震えるような温度でした。
40度前後の1度の違いには敏感です。この温度から離れるに従って鈍感になります。
研究室では私たち入社したばかりの若い同期はお湯の温度を当てっこしたり、水飴(1斗缶に入っていました)を試作に使用する程度を取り出し、秤に載せる前にどれくらいの重さか、あんこなどもその対象になりました。ジャム、マーマレードはその対象になりませんでした。
慣れてくると、かなり正確に分かるものです。
昭和39年(1964)年、東京オリンピックの年です。
長さに関しては、私は手を開いてテーブルに押し付けると、中指と親指の端で丁度20センチになります。尺取虫(シャクトリムシ)のように進むと3メートルでも5センチくらいの誤差でした。
これは私の自慢でした。
ミリ単位では私の趣味の分野で、切手の印面(印刷してある部分)は1ミリ以下でも表わします。
1ミリ以下になりますと、普通の物指では計測が難しくなります。ビュークラフトルーペ(ゲージ付き拡大鏡)とか特別な用具が必要になります。
戦前の切手で田沢切手というものがあります。額面も印面図案も全く同じで、紙質も同じで印刷方式だけが異なる、というものです。版画のような印刷方式(平台)と輪転式の印刷方式(ゲーベル)の違いです。それによって縦寸法が0,2ミリから0,5ミリほど違ってきます。それを別の種類として分類することがあります。
切手の耳紙(切手の余計な部分)の目打ち(穴)の並び方を見れば、寸法を測らなくても平台かゲーベルか分かります。
そんなこと好きにしたら、と言われそうですね。
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