今回のお薦め本は、シャレにならないくらいの大作です。 なにせ全19巻、笑うしかないくらいの長さです。 しかし、あまりに面白過ぎで、あっという間に読んでしまいました。 水滸伝というと、中国の宋の時代を舞台に、108人の英雄豪傑が梁山泊という要塞に結集し、宋の国軍や盗賊と闘うという中国に古くから伝わるいわゆる豪傑譚で、著者もはっきりしていません。 ぼくも子供のころ読んだことがあるのですが、次から次にいろんな人が出て来て、なんとなくまとまりのない内容で、正直そんなに面白くなかった気がしてました。 実際、元書はストーリーに統合性がなく、初めに活躍していた人がいつの間にか出て来なくなったり、展開に無理があったりと、作品としてはあんまりいい評価はされていないようです。 しかし、そこは北方謙三、モチーフは受け継ぎながらも、一旦原作を解体し再構築し、ニューリアルした北方謙三版水滸伝として完成度の高い作品にしてしまったのです。 しかもただの英雄譚ではなく、ここでは志というのがテーマになっていて、男たちが腐敗した国家への反逆という志のために戦いそして倒れていく、そんな話です。 最近映画でも話題になったチェゲバラなんかが活躍するキューバ革命がモチーフにもなっているようです。 あくまで盗賊の類ではなく、新しい国造りのための反乱という位置づけで、108人の豪傑たちはそれぞれ反乱軍の将校や将軍として描かれています。 また、そのころ宋が専売としていた塩を、梁山泊軍が闇ルートで売買し巨額の利益を上げ、それを軍費にあてるなど、リアリティのある設定を用意し、その闇塩のルートをめぐる梁山泊と宋の熾烈な諜報戦なども描かれています。 108人のキャラクターにも北方独自の解釈付けがなされ、しかも108人揃わないうちに主要人物が次々と斃れていくなど、元書からするとほとんど禁じ手と言っていい事もしていて、元書とは別の北方謙三のオリジナルな作品に仕上がっています。 この人は、前にもこのコーナーでお話ししましたが、カッコイイ男を描かせると右に出る人がいないくらい素晴らしい筆力を持っています。 そんなかっこいい男たちが次から次へと現れ、そして惜しげもなく斃れてゆきます。 そして人が死ぬという事はどう生きたかということであり、人の死にざまや生きざまについて考えさせられる作品でもあります。 そんな面倒なものを抜きにしても、純粋に楽しめて次のページをめくるのがもどかしいような作品です。 これを読んでいた間の1ヶ月ほどは、他の事はなにも手につかず、読んだ後はしばし脱力感のようなものがあり、他の本が読めませんでした。 途方もなく長い話ではありますが、読んで損のない作品であると太鼓判を押させてもらう逸品です。 清水の舞台から飛び降りる覚悟で、チャレンジしてみてはいかがでしょう。
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こみちさん、中国ものは苦手ですか。
じつはボクも中国ものは敬遠していた時期はあったのですが、歴史物は好きなので、これはその延長線上で楽しめました。
しかもまさに北方ハードボイルドの風味で味付けされているので、他の中国ものとは少し違うかもしれませんね。
あちらでは、日本の本なんかは高価なんですね。
長編がお好きという事であれば、読みごたえに関しては文句なしですよ。
2009/4/9(木) 午前 7:33
ニービンさん、あと少しでしたが、詰めが甘かったです。
KOEIのシミュレーションゲームお好きでしたか。
ボクも「信長の野望」に大はまりしていた時期がありました。
北方の中国ものとしては他に三国志13巻というのもあり、こっちもなかなかの面白さです。
あと水滸伝に関しては今続編も執筆中で、水滸伝の2世達と生き残りのメンバーが中心になり、再度反乱を起こす見たいです。
こちらも楽しみにしています。
桜花賞はさすがに穴党のボクでもブエナビスタには逆らえない気もしますが、これからじっくり穴探しすることにしましょう。
ちなみに去年はレジネッタ本命で、抜け目でした。
2009/4/9(木) 午前 7:46
(ノ゚ο゚)ノ オオオオォォォォォォ-”すいこでん”!!
ほんとだぁ〜!!水滸伝!変換ででてきましたぁ〜♪
おバカで<(_ _;)>”ゴカンベンヲ
機会があれば是非(*¨)(*・・)(¨*)(・・*)ウンウン
2009/4/10(金) 午前 10:32
こんばんは
桜花賞の枠順が決まりましたね!
是非とも的中させて、今後のG1戦線を気分良く向かえましょう!
・本命レジネッタ
さすがオブさん!
センスの良さを感じます。
エフティマイアは総流しでもしないと拾えませんよねェ(@_@)
ドバイ・高松宮・阪神牝馬Sで活躍中のフジキセキ産駒、桜花賞にはただ1頭エフティマイア…
「来るンじゃねえのォ」
と、友人と冗談では話しておりましたが(^^;
翌週の皐月賞で私と友人がサブジェクトを買い目に入れてしまったことは言うまでもありません(^^ゞ
・信長の野望
私もハマリました!
ってか、信長の野望に限らずKOEI作品は三國志・太閤立志伝・提督の決断・維新の嵐と、一通りハマリましたねェ。
2009/4/10(金) 午後 8:26 [ ハンニバル ]
ローズさん、なかなか日常では水滸伝なんて言葉使いませんからね。
あんまり知らなくてもいい知識かも(笑)
機会があったら是非読んでみてください。
2009/4/11(土) 午後 0:04
ニービンさん、阪神JFあたりから勝ちきれないものの地味に善戦しているのが、桜花賞の穴パターンなんですが、レジネッタはまさにぴったりでした。
今回は、いまいちピンと来るのがいません。
あと、今日明日の阪神芝で来た血統がよく桜花賞で来るというのもあるそうですよ。
まあ何にしても固そうな気はします。
信長の野望はもう麻薬です(笑)
2009/4/11(土) 午後 0:33
こんにちは!
生きてますかァ〜?
殺人的忙しさに殺されちゃってますゥ?(^^
なんとか堪え忍んでください!
水滸伝、読み終えました。
非常〜に、面白かったです!
2ヶ月間楽しませてもらいました、ありがとうございます。
忙しさから解放された後には、また面白い本の紹介、そしてオブさんの庭・福島競馬場での重賞・ラジオNIKKEI賞&七夕賞の予想にも期待しております。
2009/6/22(月) 午後 3:56 [ ハンニバル ]
この頃は山岡荘八の「伊達政宗」を読んでました。
それから「柳生宗矩」→「千葉周作」と読破して、
今日からやっと北方謙三氏の「三国志」読み始めました。
ちなみに「水滸伝」はなかなか図書館で手に入らなかったので
「三国志」からとっかかります。
2009/6/23(火) 午前 11:02
ニービンさん、お久しぶりです。
もう死にそうでした(笑)
徹夜二日目で、タイピングする指が動かなくなると言うのをはじめて体験しました。
忙しさのピークも過ぎましたので、今少しで復活できそうです。
また、よろしくお願いします。
水滸伝読破されましたか。
でも、あのラストは、もう楊令伝読まざるを得ないですよね。
文庫になるまで、じりじりしながら待ちます(笑)
2009/6/27(土) 午前 9:47
はじめのいっぽんさん、「三国志」もなかなかイケますよ。
歴史物は実はハードボイルドなのだというのを再認識させられた作品でした。
「水滸伝」は、今までの水滸伝の概念をぶち破るような作品でした。
豪傑列伝的な、ウルトラ兄弟シリーズだったのが、ガンダム的な広がりを持つ作品になったというか。
わかりずらかったらすみません(笑)
2009/6/27(土) 午前 9:57
こんにちは!
よくぞ、ご無事で(^^;
二日続きの徹夜など、まさに忙殺状態だったようですね。
・楊令伝
ええ、確かに「読まずばなるまい!」
ってか、「読まずにはおられん!」
私も『本持ち歩き派』ですし、財布にも優しい文庫化が待ち遠しいですね!
2009/7/1(水) 午後 2:17 [ ハンニバル ]
ニービンさん、こんにちは。
ニービンさんも文庫本派ですか。
ボクも移動中や待ち時間、行儀は悪いですが一人の食事の時などは読書の時間になるとこが多いので、文庫本でないと困ります(笑)
ハードカバーと同じ値段でも文庫本を買ってしまいそうです。
このところ忙しくて、ろくに読書もできていないので、なんとか時間を作りたいものです。
2009/7/4(土) 午前 8:41
初めまして。
と言っても、媛ちまさんの所で転載された私の記事に、続けて御顔出されてましたが(^^)。
その節は誠にどうもありがとうございました。<(_ _)>
この『水滸伝』は、北方謙三のは漫画化されたのを少し読んだだけで、北方版の原作小説は読んだ事ないです。
けど横山光輝の漫画や、駒田信二の訳本なら読み通しました。
さすが支那人だけあって、アウトローぶりが日本とは桁違いですね(笑)。
2012/2/9(木) 午前 11:02 [ - ]
ZODIAC12さん、いらしゃいませ。
その節は読み応えのある歴史記事ありがというございました。
「水滸伝」に関しては、いささかアレルギーがあつったボクですが、「北方版水滸伝」はぶっちぎりに面白かったです。
北方氏は他にも「三国志」も書いていて、そちらもなかなかの傑作です。
他に中国モノでは、司馬遼太郎の「項羽と劉邦」も秀逸でお薦めです。
日本の歴史も面白いですが、大陸の歴史物はまた違ったなにかロマンのようなものを感じさせてくれます。
2012/2/10(金) 午前 11:20
アレルギーですか・・・・・確かに人肉食なんかのグロいシーンが多いですからね(苦笑)。
おまけに相手がそれ程悪くもない人間まで、簡単に殺してばかりいますからね(^^;)。
司馬遼太郎の「項羽と劉邦」なら、家にありましたので、もう十何年も前に読みました(^^)。確かに面白かったですね。
ところで御存知でしょうか?この『水滸伝』が、我が国の『南総里見八犬伝』の元ネタとなった事を?
どうもスケールの差に開きを感じますが(笑)。
オブ兵部さんは梁山泊の108人の中で、誰が一番好きですか?私は「行者の武松」あたりでしょうか。
2012/2/11(土) 午後 1:26 [ - ]
ZODIAC12さん、八犬伝が水滸伝を元ネタにしていたというのは初耳でした。
確かに、片や中国大陸を舞台に108人の豪傑が活躍する話で、こちらは房総半島を中心とした関東が舞台で犬士はたった8人ですからね。
比べてしまうと貧相に見えるのは仕方ないところですね(笑)
梁山泊の中では、ベタですが「豹子頭林冲」がいいですね。
北方版では、抜群にかっこよく描かれています。
「黒旋風李逵」の天然キャラも捨てがたいところもありますが、、、。
2012/2/12(日) 午後 11:49
>私が北方謙三氏の歴史小説を読むきっかけが、この記事からでした。
とりあえず三国志の記事を書きましたので、TBさせてくださいな。
この上の日付を見ると、三国志ではなく水滸伝を読んでる途中で脳出血になったんだな・・・
2012/4/6(金) 午後 11:28
そして今、水滸伝の記事を書いています。
とりあえずTBしておきます。
オブさんの小説が、世に出ることを祈って・・・
2012/5/16(水) 午後 0:48
はじめのいっぽんさん、お返事遅れました。
TBの件了承しました。
「水滸伝」の続編である「楊令伝」がもう少しで文庫で出そろいます。
中国史のヒーロー岳飛なんかも登場するみたいで楽しみです。
2012/6/7(木) 午後 8:12
北方の「水滸伝」は、日本人によって描かれた中国モノでは最高傑作と思っています。
かろうじて比肩しうる作品は、司馬遼太郎の「項羽と劉邦」ぐらかと。
2012/6/7(木) 午後 8:21