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がまんできなくなって、Ryoは、腕にツメをたてるのをやめた。
いつもは「わき腹」を責め、「ほほ」をつねれば終わるのに、
その夜はダメだった。
もう何時間、のどの渇きをがまんしただろう。
口の中が乾き、舌が張りついている。
無理に動かすと、やけどのような痛みが走った。
部屋にあかりはなかった。
上から板が打ち付けられていて、スイッチは動かせない。
ドアは廊下から押さえられ、開けることは難しかった。
大人でもやっとのライティングデスクが、古本を山のように
積まれて そこにあった。
しかし、Ryoは、屋根裏部屋の暗闇から、簡単にぬけ出した。
身近にあったコースターを使って。
この生まれ持った賢さが、ギリギリのところで
この子を支えていたのかもしれない。
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